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No.353:棟方の最大の武器

棟方(カウントツーツー。変にスリーボールにしてフォアボールのリスクを負うのは避けたい。)





大場(スリーボールは避けたいのはバッテリー心理的にも確かだろう。この次のボールで決めに来るだろう。)





青龍寺(スライダーで一気に行くか?)


棟方(いや、それはバレバレ過ぎねえか?)


青龍寺(バレたところで打てないだろ。)



棟方(それもそうだが、ここは大場だ。慶野とかならスライダーでいいと思うんだが、変に火傷はしたくない。ここは…)






ビュゴォォォォォォッッッ!!!!






大場(スライダーでそろそろ決めに来る!!)




棟方(さっきは反応薄かったが、これは振らざるを得ないはず!!!)





大場(外角!!こっから曲がって…… )





スッッ…




(ここでシンカーかよ!?)




(やべえ!)









カーーンッ!!





『ファールボール!!!』






大場(ふーっ…。あぶねぇ…。スライダー来る前に三振なんて冗談でもしちゃいけねえ…。)




《これは外角のシンカーになんとか食らいついていってファールボール!!》




棟方(よく今のシンカーについていけたな。流石といったところか。だが、)





(これで次の球の布石は打った。)








大場(とりあえず、スライダーばっか意識してちゃダメだ…。でもスライダーが来ても対応できるようにしないと…。)







棟方(お前が何を考えているかは、正直つかめていない。)



《カウントツーツーからの6球目!!!!》






棟方(それでも打ち取るようにリードするのが俺の役目だ。)










ビュゴォォォォォォッッッ!!!!








大場(!!!!!)

















ズッッバァァァーーーッッーーッッーッンッ!














球審の右手が上がる。










『ストライークッ!!!バッターアウッ!!!』









《最後はインコース一杯への渾身のストレート!!!!大場は全く手が出ず!!!!》




大場(しまった…。外角に意識持っていかれ過ぎた…。くっそぉ…。)





《この回先頭から連打でノーアウト一二塁とチャンスを迎えましたがここで3番大場は見逃し三振!!!ワンナウト一二塁となります!!》






『4番、セカンド、鬼頭くん。』







大場『博行先輩。』

鬼頭『なんだ。』


大場『スライダー含め、少しずつ疲れきてますよ。青龍寺。』

鬼頭『そうか。後は任せてくれ。』


大場『頼みましたよ。俺の分まで打ってください。』






鬼頭博行 本日の打撃成績

1:捕邪飛

2:左2

3:空三振





《ここで今日の試合3打数1安打の4番、鬼頭博行!!!!8回の裏、このチャンスでの登場!!!》





小宮(ヒット一本で絶対に帰ってやる。それ以外でも、次の塁を狙える機会があれば積極的に狙いにいく。)






棟方(ここは力でぶつかる。勝つぞ。翔冴。)






鬼頭(ドラゴン。俺達はお前を打たなきゃいけねえ。)





《初球、セットポジションから第1球、投げる!




ビュゴォォォォォォッッッ!!!!







“やるしかない!!”







カキーーーッーンッ!!!






《外角へのシュートを打ちましたがこれはファール。》





鬼頭(何でかはわかんねえ。でもお前は今、俺が知っているお前とは違う。お前は確実に変わった。チームの足を引っ張るんじゃなく、確実にチームを背中で引っ張っているのはお前だ。球種も、もう読めない。)





青龍寺(コイツにだけは絶対に打たせねえ…。)






棟方(初球を取れたのは非常に大きい。次の球、ストライクからボールに落とすぞ。)





青龍寺(フォークな。わかった。)





《マウンド上、青龍寺。キャッチャー棟方のサインに頷いてセットポジション。》







小宮(…!!!)





(フォークボール!!)







《セットポジションから2球目、》







《投げる!!!!》








小宮(ここでストライクゾーンにフォークは要求しない!!!空振りを取るよう、ワンバウンドで要求するはず!!!!)




ダッッッッ!!!!!






鬼頭『!?』





棟方(ここでスチール!?)




《二塁ランナー小宮がスタートを切った!!!》




ビュゴォォォォォォッッッ!!!!






鬼頭(外角低め!!小宮のスタートは三盗にしては微妙だが…!!)





カァァァクゥゥッッッッ!!!!!!






鬼頭(フォーク!!!これはボールになる!!ワンバウンドならセーフになれる!!)






棟方(二塁ランナーとしてフォークの握りが見えたから走ったのか!!なめんな!!!)



青龍寺(ショートバウンドだぞ!?後ろにはやるなよ!!)







パシィィッッッ!!!!






棟方(俺の1番の武器は打撃でも、足でも、リードでもない。)






“このキャッチング技術と肩が俺の1番の武器だ!!!”





ビュッッッ!!!!!







小宮(常に…次の塁を________!!!!)








ズザザザザザザザザザ!!!!!!











小宮(…。)

鬼頭(…。)

青龍寺(…。)

棟方(…。)











『アウトォォォォッッッ!!!!!!!』








小宮(…。)






《刺したァァァァァァァッ!!!ショートバウンドになるフォークを半腰になって、逆シングルで捕球し、そこから流れるように三塁スローはストライクスロー!!!!普通ならセーフになっても全くおかしくない三盗企画でしたがここで啓稜学院のキャッチャー棟方のビッグプレー!!!!!!ワンナウト一二塁がツーアウト二塁になってしまった!!!》






西口『なんて技術してやがる…。ショートバウンドをスローしやすいように逆シングルで捕球してサードスローだと…。』





小宮(…。)





赤嶋(小宮のアイディアも悪くなかったし、むしろ積極的に次の塁を恐れず奪いにいくという姿勢は見習うべき走塁だが…、結果的に邦南にとっては痛すぎる走塁死だ。)





“怖いもの知らずがここにきて凶と出たか…。”






鬼頭(哲都の走塁はよかった。結果論で攻めることは出来ん。)





大場(この場面であのプレー…。なんつー男だよ…。棟方…。)














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