表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
35/382

No.35:憎しみの矛先

サブタイトルがなんとも思い付かない…


『観念しろ。お前の行動はすべて把握している。』


小宮『うぐ…。翔真…くん…。』


大場『小宮…おとなしく座ってろ。お前らの関係は大体把握しているぞ。一応聞く。何があった?』


西口『別に。ただの気晴らしですよ。』


小宮『…。』


西口『聞きたいことがそれだけだったら俺帰るんで。気分わりぃし。』



そう言って西口は大場を横切って部室を出ようとした。



(ガシッ!!)


筋肉質の大場が西口の太い腕をつかんだ。


西口『なんすか?離してくださいよ。先輩。』



(グイッ!!バシンッ!!)



大場が西口をそのままなぎ倒した。



西口『…!!ってえな!!なにしやがんだ!!あぁ!?』


大場『正直に言え。なにが原因だ?まあ大体予想はつくがな。』


小宮『…。』


西口『あんたに予想なんかつくかよ。まあいい。言ってみなよ。』


大場『ホントにいいのか?』

西口『あぁ。イイッスよ。俺の気持ちがわかるならね。』



大場『赤崎明日翔。』



西口『あ?』

小宮『明日翔がどうしたんですか…?』



大場『おまえ…自分で気づいてねえのか?俺でもしってんのに。』

西口『黙れ!!!!!!!その女の名を出すな!!!!!!!!!』


小宮『!?』



大場『黙らねえよ。なにがあったんだ?』


小宮『え…?西口くんが俺のことをいじめてたのは明日翔が関係してるの?』

西口『おまえ。知ってていってるんだよな?殺すぞ。マジで。』



大場『小宮…。理由…わからないのか…?』


小宮『当たり前です!いつの日からか西口くんが俺のことを…。』


西口『誰がおまえのことをいじめるかよ。』


大場『とぼけるなよ?俺は知ってんだぞ。おい小宮、言ってやれ。』



小宮『…。』


西口が小宮を凝視している。


大場『小宮、どうなんだ。答えろよ。』



西口『…。』

小宮『…。……。なにもされてないです…。西口くんは大切なともだち…』


『違うよお兄ちゃん!!!!こんな人のいいなりになっちゃダメだよ!!!!!』



西口『!?』

大場『まったく。結局出てきちゃうのかよ。』


小宮『絵梨!!なんでここにいるんだ!?』



絵梨『お兄ちゃん!!もうやめよ!!ここでこの人と蹴りをつけようよ!!!!』


西口『おまえ…。もしかして小宮の妹か…?いつの間に退院してたんだ?』


絵梨『なんでうちのこと…。』


西口『この俺を忘れたか?まあしょうがねえよな。もう8年たったもんな。あの頃から。』


絵梨『…!まさか…!!』


西口『昔お前の病気が発覚する前、毎日のように遊んでた。あの頃はまだ俺も8歳だったから大分顔も変わっちまったけどな。』


絵梨『タク…?』


西口『そうだ。いつ治ったんだ?心臓病。』


絵梨『幼稚園の年長組から入院して中学1年の最初に退院したの。』


西口『そうか。大きくなったな。』


絵梨『なんで?なんでお兄ちゃんのことそんなにいじめるの?昔っから三人でよく遊んだじゃん!お兄ちゃんとタクは親友だったじゃん!こんなの絶対におかしいよ!』


西口『…。俺は小宮をいじめてなんかいない。』

絵梨『答えてよ!!!!!!!!!!!!!!!!ウチが聞きたいのはそんな嘘なんかじゃない!!!!!!!!!!タクとお兄ちゃんにまた仲良くなってもらいたいの!!お兄ちゃんにはもっと元気でいてほしいの!!!!!!だから…だから答えてよ!!!!!!』


西口『俺は言えない。この場に小宮がいる限りこの事を言うことはダメだ。悪いな。俺には約束がある。まあ強制的に嫌々結ばされたんだけどな。』


絵梨『何よ!?そんなのただの言い訳じゃん!!!!!』


大場『落ち着け!絵梨!』


絵梨『翔真くんは黙っててよ!!!ウチ、知ってるんだもん!昔の純粋だったタクのこと!!!!お兄ちゃんと楽しそうに野球やってたタクのこと、知ってるんだもん!!!!!』



西口『俺は変わっちまった。あの女に惚れたせいで俺は…俺は…もう俺じゃないんだよ。あの女が憎くて、たまらなくて…小宮自身には何の恨みもない…。なぜならさっきのやり取りで分かった…。』


大場『何をだ?』

小宮『?』



西口『お前は…赤崎の裏を知らねえ…。アイツは俺らの人生もてあそんでるだけなんだ…。』



小宮『…明日翔が?』

大場『やっぱりあの女が絡んでたか。』

絵梨『なにが言いたいの…?』



西口『…。お前らにだけ真実を話してやる。ただし小宮…これは聞いておいた方がいい情報だが、彼氏のお前は相当のショックをうけるぞ。それでもいいのか?』



小宮『…。……。うん…。』

小宮は数秒間考えたが、首を縦に振った。好奇心が小宮の決断を下した。







西口『俺は小宮が赤崎と付き合う前、アイツと付き合ってた。しかし赤崎は…』


『それ以上喋んないで!!』


美声が聞こえた。



その場に立っていたのは…


大場『!!!!!!』

西口『お前は…。』





小宮『明日翔…。』



赤崎『拓磨。あんた、言わなかったっけ?あたしたちの過去を他人にばらすなって。』


普段は美人なはずの赤崎の顔は相当苛立っていて崩壊しかけている。



西口『…。言った。』


赤崎『まあいいわ。アンタじゃいずれ言うって分かってたから。』


小宮『明日翔?西口くんとどういう関係なの?』


赤崎『別に今はたいした関係じゃないわよ。ただ、アタシはこいつの元カレ。まあ別に愛してなかったし、今の彼氏も正直なところ遊んでただけだし。』


小宮『は…?』


絵梨『誰なの?この人?』

大場『おまえの兄貴の彼女さんだ。』



赤崎『はあ。物分かりの遅いやつね。つまりアタシは別にあんたなんか好きでもなんでもなかったってことよ!』



小宮『え…。』








評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ