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No.329:龍伝-chapter NINE-

プルルルルルルルル…

プルルルルルルルル…



氷『やっぱ出ない?』

棟方『あぁ。ったくマジあいつどこ行ったんだよ。』


迫田進『相変わらず音信不通か?翔冴は。』


棟方『はい…。』



迫田進『…とりあえず明日は朝早いし、今日もお前ら練習で疲れてんだろ。とりあえず今日はもう寝るぞ。』



氷『はい。』



迫田進(どこ行きやがった…。翔冴よぉ…。)









青龍寺が姿を消して、2週間経った。



迫田進(そーいえば…あいつなんか昔言ってた気がするぞ…!?)















『なんだ?』



迫田進『清原監督。青龍寺がどこにいるか、勘ですがわかった気がします。』



清原『実家には親に聞いたところ居ないと言っていたな?』


迫田進『はい。でも自分、わかった気がします。外出許可書を戴けませんか?』


清原『いいだろう。すぐ連れて戻ってこい。』



迫田進『ありがとうございます!!』






























『ワハハハ!お兄ちゃんこっち投げてぇ~!』


『ほらよ。』



『僕もいくよぉ~えいっ!』



『おぉ。ナイスボール。』










迫田進『アイツ…。』












“翔冴!!テメーなにしてんだ!!サボってんじゃねえ!!”







青龍寺『迫田…。』






迫田進『なんてな。みんな心配してんぞ。こんなところでいつまでも油売ってねえで戻ってこい。』








『嫌だ。』






迫田進『おいちょ、待てよ!お前、甲子園行きたくねえのかよ!?』





青龍寺『あのチームで…ホントに行けると思ってんのかよ…。あんなくそチームで…。』



迫田進『そんな言い方…。』




青龍寺『俺は…野球がやりたい…。だけどアイツらとは二度とやりたくない。あんな屑共死ねばいい。』



迫田進『…、向こうにいくぞ。』















迫田進『お前は本当に、戻ってくるつもりはねえのか?』


青龍寺『だって考えてみろよ。アイツらなんで懲りねえんだよ。ちょっと考えればわかんじゃねえかよ。アイツらならまた裏切られる。甲子園出場だって俺らの力無かったら無理だったんじゃねえの!?』




迫田進『…。』



青龍寺『俺は本気で甲子園に行きたかった!だけど目指せばまたアイツらに裏切られる!甲子園目指すなんてアホみたいに思えねえのかよ!?迫田はよぉ!!俺たちまた世間の批判の標的だぞ!?』








『今度は…実力じゃなく、行動で認めてもらおうと思ってる。』



青龍寺『…!?』




迫田進『俺たちはプロじゃない。立派な野球選手でいる前に、まず立派な高校生としていなきゃいけないと思うんだ。』



青龍寺『…。』



迫田進『他のやつらにまた裏切られるかもしれない。だけど…だけど俺らにはまだ…』





“夏が残ってる。”





青龍寺『………!』





迫田進『俺とか、佐久間とか島西とか岡野とか2年にとっては最後の夏が、まだ残ってるんだ。状況は厳しいとはいえ、みんなで心を入れ換えれば俺は甲子園に行けると信じてる。』






青龍寺『…。』




迫田進『頼む力を貸してくれ…。その為には翔冴の力が必要不可欠なんだ…。』











青龍寺『…。わぁったよ…。迫田の最後の夏のために力貸せって言われて断れるかよ。』





迫田進『お!マジか!よろしくな!』




青龍寺『謝ればいいんだろみんなに。』


迫田進『ま、そだな。みんなならすぐ許してくれるよ。』



青龍寺『あ、どこにいたのかは内緒で頼む。』



迫田進『まさか幼稚園で園児と一緒に野球してたとはな!昔お前が小さい子供が好きって言ってたのボソッと聞いたの思い出して勘づいたけどお前、結構かわいいんだな!』



青龍寺『黙れ。』



迫田進『出た、黙れ!』




青龍寺『俺がそんな大人じゃねえからか知らねえけど、餓鬼と一緒にいるとなんか落ち着くんだよ。』



迫田進『へえ。意外だな。キャラ崩壊。』



青龍寺『うぜえから絶対に言うなよ。お袋にも俺がどこいるかは口止めさせてたんだからな。』



迫田進『はいはい。んじゃ帰るぞ。』




















青龍寺『…抜け出して悪かった。これからも甲子園に行くために俺なりにやる。よろしく頼む。』



『これからみんなで頑張ろう。』



『戻ってきてくれてよかった!』




青龍寺『…。』







迫田進『よし!翔冴も戻ってきたってことで~』





『ゴミ拾いにレッツラゴー!』




青龍寺『は?』

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