No.327:龍伝-chapter SEVEN-
その後青龍寺と迫田進の二枚看板で秋の大阪府大会を勝ち抜き、啓稜学院は近畿大会に出場。啓稜学院は打線が極度の不振に陥り得点力不足だったが、二人の力投でなんとか近畿大会ベスト4。そのままの勢いで近畿大会を優勝し、春の選抜出場を確実とした。
迫田進『やったな。ついに。』
青龍寺『あぁ。これでやっと甲子園にいける…。』
迫田進『世間も俺らのピッチングには注目してくれるようになってきたし、少しは見方も変わってくれたのかな。』
青龍寺『でもまだこっからだ。甲子園で勝たなきゃ意味ねーだろ。』
迫田進『お前さ、ツンツンしてるから誤解されてるけど、本当はしっかりしてて、案外いいやつなんだな。』
青龍寺『黙れ。』
迫田進『知ってるぜ。お前が黙れって言うときは照れてるのを隠すときだ。』
青龍寺『隠してねーよ殺すぞ!』
迫田進『ホラ声が大きくなった。何照れてんだよバーカ。』
青龍寺『うぜー。』
迫田進『ほら否定しなくなった。ウケる。翔冴マジウケる。』
青龍寺『お前は一回地獄に落ちろ。』
…
『啓稜、青龍寺が練習試合でまたノーノーらしいぜ。』
『うそ!?この前完全試合やったばっかじゃん。』
『ちなみに1試合目は迫田が2安打完封だってよ。』
『啓稜の二枚看板は安定感抜群だな。』
『でもさ、啓稜って青龍寺と迫田以外そんな凄くなくね?』
『それは言えてるな。あれ二人で頑張って0に抑えて打線がなんとか1点取って勝つって感じの守りの野球だよな。』
『そうそう。二人以外は打たないし、本当に使えない。』
…
カキィーーンッ!
バスッ
桑田『オラァ!!!セカン!!!!そんなんで甲子園で戦えるか!?』
氷『もういっちょお願いしますっっ!!!』
カキィーーンッ!
佐久間『サード来い!!サード!!!!』
桑田『オラァ!!』
カキィーーンッ!
氷『セカンドこねーぞ!!もっと来いやぁー!!』
カキィーーンッ!
迫田進『いい雰囲気だな。』
青龍寺『甲子園決まって慢心することなくよくやれている。』
迫田進『おっ、お前が周りを褒めた!これみんなに言っていいか?』
青龍寺『ふざけんな。褒めてねーよ。』
桑田『おいそこのブルペンの迫田と青龍寺!!!くっちゃべってねーで課題もって投げ込めよ!!』
迫田進『すいません!』
島西『サボってんじゃねーぞ!!こっちは死ぬ気でノックうけてんだよ!!!』
桑田『あ!?オメェなんかまだまだ全然魂こもってねーよ!!いくぞ!!!』
カキィーーンッ!
島西『どこ打ってんですかっ!!無理です!!』
佐久間『無理も糞もねーよ飛び込め!!』
島西『うわぁぁ!』
氷『ナイスガッツですよ島西さん!!』
…
唯一の気を許せる存在、迫田 進と出逢い、少しずつ変わり始めた青龍寺。
しかし、その後青龍寺の人格を狂わせる、ある事件が起きた。