No.324:龍伝-chapter FOUR-
啓稜学院|000 000 044|8
寝屋川北|000 000 000|0
『やっぱなんやかんや啓稜だったな。』
『寝屋川北も惜しかったな途中までは。』
『啓稜余裕かと思ってたら案外抑え込まれてたな。』
『誰だっけ…?寝屋川北の…』
『越前な。』
『啓稜も結局迫田が完投だからな。』
『被安打1だし、完璧やね。』
『注目2年の迫田が9回被安打1無四球で完封。』
『0対0の均衡を破った青龍寺の8回のグランドスラム。あれはやっぱ痺れたね。本物や。』
迫田進(ふぅ。案外イニング食ったな。まぁ、ぜんぜん余裕なんだけどさ…。)
(早く帰って接骨院のおっちゃんにマッサージしてもらおっと。)
棟方(ううううう…。3タコかよ…。せっかく出してもらったのに…。ショックなり。途中交代させられたし…。くぅー。)
(早く球場から離れたいぜ。くっそぉぉ。)
『青龍寺。ちょっとこい。』
青龍寺『どーせ殴りたいんだろ?珍しいな。一人で来るなんて。』
『言うだけ言ってな。さっさと来い。』
青龍寺『タイマンなら負けねえぜ?』
『…は?タイマン?』
青龍寺『っ!!??』
『お前にムカついてるやつ全員連れてきた。』
青龍寺『オ、オメェラ…頭沸いてんじゃねーか…!?』
『確かに卑怯かもしれん。だけどやっぱオマエうぜーし、しゃーなし。』
ボコッ!!!
ボコッ!!!
ボコッ!!!
ボコッ!!!
青龍寺『やめろ!!』
ボコッ!!!
ボコッ!!!
青龍寺『なんで…こんなことする…?』
『オマエが出てるのが気に入らない。そもそもそのタメ語も気に入らない。』
青龍寺『試合に…勝ちたくねえのかよ…。』
『試合に出ないで勝ってもつまんねーだろ。なぁ?』
ボコッ!!!
ボコッ!!!
青龍寺『いってぇ…。くっそ…くっそ…くっそ…。』
『…?』
“てめぇらたかが1年か2年早く生まれただけだろ!?!?!?早く生まれたら偉いのかよ!?お前らのやってることはクズ野郎だぞ!!!ふざけんな!!!”
『死んでも、文句は言えないな?』
ボコッ!!!
ボコッ!!!
ボコッ!!!
ボコッ!!!
ボコッ!!!
「ねぇねぇ、お母さん。あれなぁに?」
「えっ、えっ、ちょっとお巡りさん!!!アレ!!!」
「!?」
ボコッ!!!
「君たち!!!なにやってるんだ!!!!」
『はっ!?警察!?!?』
「何をしている!!!」
『…。』
「大丈夫か!?君!!」
青龍寺『…。』
「君たち…ちょっと署まで来てもらうよ。大阪府警の森田だ。事情は署で。」
『コイツ殴ったことバレちゃうと、ちょっとヤバイなぁ、ってね。』
『黙っててくれるなら殴らないであげる。』
「残念だが既に他のパトカーもここに到着する。無駄な抵抗はよせ。それに、」
『拳銃…?』
「本物の弾丸は入っていないが、代わりに食らうと身体中に高圧電流の流れる弾なら入っている。食らうと即気絶だ。大人しく観念しろ。その制服は啓稜学院だろ?それに坊主で球場の近くのこの場所にいるってことは野球部だな?」
『…。』
『…。』
『…。』
「まあ、話は署でと言ったな。来なさい。そろそろ皆到着する。」
青龍寺『…。』