No.321:龍伝-chapter ONE-
時は2年前…
青龍寺『青龍寺翔冴ッス。出身中学は地元南阪中、ポジションはピッチャー。それ以外は基本どこでもできる。』
『あ?おいてめぇ声ちっせぇぞ。おい?』
青龍寺『あ?』
ボコッ!!!!
青龍寺『っ!!!!』
『'あ?'じゃねーんだよクズ。1年がしゃしゃんじゃねーぞ?』
青龍寺『チッ。うぜーな。わけわかんねーよアンタ。』
『調子こくなっつってんのがわからんのか?いま俺は優しく言ってんだぞ?』
先輩が青龍寺にもう一度手を出す。
青龍寺はそれを避け、反撃のために手を出そうとする。
パシッ
誰かが青龍寺の殴りかかろうとする腕を掴む。
『やめておけ。』
青龍寺『誰だテメーは。』
『棟方 和徳。岐阜の帝都大附属可児中学出身。』
青龍寺『先に文句つけてきたのはコイツらだぞ?やられっぱなしで我慢できるかよ。』
棟方『まあまあ。とりあえず落ち着け。ここで暴れたら後々めんどいことになる。』
青龍寺『…チッ。俺が我慢すんのかよクソッタレ。』
棟方『啓稜の1年だってことを忘れんな。ここが上下関係えげつないってことくらい知ってるだろ。』
青龍寺『わかったよ。今回だけは我慢してやるよ。でもずっとこの調子なら何するかわかんねえからな。』
『てめえふざけんなよ。青龍寺。』
棟方『すいません。コイツあほなんで許してやってください。』
『…。代わりにオマエを殴ってやる。したら許してやる。』
青龍寺『!?』
棟方『…どうぞ。』
ボコッ!!!!
棟方『痛っ!!』
『次歯向かったらこんなんじゃ済まねえからな。青龍寺。』
青龍寺『なんで庇った?』
棟方『別に。オマエ南阪でS・7って呼ばれてたやつの一人だろ。ほら、ピッチャーやってた。だったら俺らの代のエース候補筆頭じゃん。俺の狙うは啓稜の正捕手。だったらここは俺の出番かなってな。よろしく。青龍寺。』
青龍寺『…おう。』
棟方『ちなみに俺の名前覚えたか?』
青龍寺『棟方だろ。』
棟方『おっ!覚えてくれたか!案外素直なんだな!』
青龍寺『何言ってんだテメエ。』
棟方『いや、なんかお前みたいなやつって結構ゴーイングマイウェイで他人とか興味無さそうじゃん?』
青龍寺『やかましいわ。』
棟方『あ、翔冴って呼ぶな!俺のことは和徳で頼む!』
青龍寺『別に俺のことを何て呼んでもいいが他人を下の名前で呼ぶのは嫌いなんだ。棟方でいいだろ。』
棟方『案外照れ屋なんだな!まあいーけど!あ、そろそろ練習開始だ!いくぞ!』