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305/382

No.305:希望、絶望、そして希望

『1回の裏、邦南高校の攻撃は、1番、ショート、小宮くん。』






小宮(初回、なんとか拓磨のリードのお陰で2点で済んだ。ここで1点でも取れば…試合の流れをイーブンにできる。)




《マウンド上、青龍寺、最速156km/hです。それでいて、変化球も素晴らしい球を持っています。甲子園では防御率なんと0.38と無敵の投球。》





小宮(狙うのは初球…)





《第一球…投げる!!!!!!!!》





ビュゴォォォーーッッーーッーッ!!!!!








小宮(このストレート!!!!)







ズッッッバァァァーーーッッンッッ!!!!






≪156km/h≫






小宮(くっ…。)










《いきなり自己最速タイが出ました156km/h!!!!小宮も初球から積極的に振ってきましたが空振りです!》





小宮(こりゃ随分と速いね…。全盛期の博行先輩とエースの座を争っていただけのことはある…。でも博行先輩とは違って怪我無く高校野球をやってきた。実力では間違いなく…青龍寺の方が上…。)






《第2球!!!投げる!!!》




ビュゴォォォーーッッーーッーッ!!






カァァァクゥゥッッ!!!





ブンッッ!!!







《これも空振り!!!切れ味抜群のフォークボール!!!》






小宮(下村フォークのような…曲がるのが凄く遅い…。一級品だ…。)







棟方(初回から使うのもアレだが…、2点しか取れなかった。相手の希望を…打ち砕いてやれ。)


青龍寺(…。)






《追い込んでからの3球目!!!!》





ビュゴォォォーーッッーーッーッ!!





小宮(外角ストレート!!!!)







カッッッッッ!!!







小宮(え…?)















――――ボール、、、は?――――――



















ズッッッバァァァーーーッッンッッ!!!!

















『ストライーク!!!』








小宮(…はい?)









《見逃しの三振!!!!小宮、最後は内に切れ込む高速スライダーに手が出ず!!!》





小宮(嘘でしょ…。僕って…左バッターだよ…?なんで右ピッチャーの横曲がりのスライダーが…見えないの…?)









青龍寺(梅坂大輔が横浜学園高校時代に決勝戦でノーヒットノーランを達成した。)





(俺は決勝戦で完全試合を成し遂げる。)







『2番、ライト、副島くん。』






《打席には2番キャプテンの副島。甲子園では準々決勝までの4試合で2安打と不調でしたが一昨日の準決勝、北頼戦では2安打と復調気味です。》





ビュゴォォォーーッッーーッーッ!!






カクッッ!!





ブンッッ!!!





《これはシンカー!!!いいコースに決めてきます!!》




副島(薮内レベルのシンカー…じゃね?)




ビュゴォォォーーッッーーッーッ!!





副島(ぬ!?)


カァァァクゥゥッッ!!!




ズッッッバァァァーーーッッンッッ!!!!






《これは青龍寺特有のパワーカーブ!!!大きく浮き上がってからスッと沈みます。》




副島(このカーブはどうしても目線があがっちまう…。くそ…)






“球種が多すぎる!!!!!”







ズッッッバァァァーーーッッンッッ!!!!



≪155km/h≫


『ストライーク!!!』






《これも空振りの三振!!最後はアウトロー直球に中途半端なスイングになってしまった!!!!》







副島(こんなに変化球見せられたら…ヒロレベルのストレートについていけるわけがない…。)








ビュゴォォォーーッッーーッーッ!!




カァァァクゥゥッッ!!!




ブンッ!!!!!!





大場(消えた…見えなかった…。)






《空振りの三振!!!最後はウイニングショットの高速スライダー!!!!青龍寺、初回、強打の邦南高校の1番2番3番を三者連続三球三振に仕留めました!!!!!》





大場(どんなバケモノチームと戦ってんねん…。俺ら…。)





ポンッ





大場の肩を誰かが叩く。







鬼頭『まだ初回の攻防が終わっただけだ。気にせず突っ走れ。』


大場『そうっすね…。まだ初回が終わっただけですね…。』



鬼頭『お前に1つ、早いうちに言っておく。』



大場『…?』



鬼頭『勝っても負けてもこれがこのチームでできる最後の試合だ。』




“愛知代表として胸張って、このチームのエースとして楽しんでプレーしろ。悔いのない強気のピッチングをしろ。”





大場『…!?』





鬼頭『以上。』








大場(…。)











(楽しんでプレーしろ、か。忘れてたよ。ここは甲子園。しかも全国でたった二校しか立つことのできない決勝の舞台。)






(忘れてたよ。俺は俺のすべてを出し切る。)









『うぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!』













ズッッッバァァァーーーッッンッッ!!!!





≪150km/h≫





《ストレートで今日初めての空振りを奪ってきました!!!!負けんと言わんばかりの150km/h!!!!》







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