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No.29:意地の再登板


小宮『こんなピンチ…乗り越えられなきゃ勝ち進む権利はねぇ…』


西口『こい!!小宮!!』



小宮がサイドから投げる。

ビュッ!!

ゴウッ!!


健太『高い!ボールだ!!』



ギュギュッ!!


(スパーン!!)


『ストライク!!ワン!!』



健太『くそ…。またあのボールか…。今のボール…サイドスローに変えた途端に投げ始めた…。恐らくサイド独特の軌道だろう。このボールは早々当たるもんじゃねえ…』



ビュッ!!

ギュギュッ!!


健太『く…。』


(ブン!)

(パン!)


健太は豪快に空振りした。

『ストライク!!ツー!!』



西口(ふーっ。捕るのも相当気合いいれなきゃパスボールで同点だ…。こりゃこっちも大変だな。)




健太(3球勝負か…?次あのボールが来ても確実に対応することはできない…。ごめんな。みんな。)



『打てるぞ!まだまだ!ここで一本頼む!』



ベンチから大声が聞こえた。


天宮『お前が決めろ!絶対に打て!』



健太『天宮…。』

舞『健太!!打て!!諦めちゃだめ!』



健太『舞…。』



ビュッ!!

小宮『うぐっ!!足が!!』




ギュキュッ!!



西口(まずい!!)


小宮『曲がらない!?失投だ!』



健太『絶対に打つ!!』



(カキーン!!)






『ヤバイ!!』


大場『小宮!!前だ!!』


小宮は痛めている左足首をかばっていたので打球に反応するのが遅れた。

つまり言うと、ボールに集中していなかった。



小宮『まえ!?』



ビュン!!


小宮『うわっ!』




(ガツッ!!!!!!!!!!!)








痛烈なピッチャー返しが小宮を襲った。


打球は小宮に当たりちょうどキャッチャーの西口のところに来て西口はそのままホームベースを踏んでワンナウト。一塁は間に合わなかった。

これで一死満塁。



『小宮!!大丈夫か!?』

『立てるか!?』

『どこ当たった!?』




小宮『イテテ…。さっき食らったとこです…。』

大場『さっきデッドボールで当たったところか!?』



小宮『はい…。痛くて動けないっす…。』


副島『ちょっと足見せてみろ。』



……


………



大場『うお…。』

松坂『これって…やべーんじゃねえ?』

島谷倫『すっげー腫れてんな…。』


大場『これじゃ交代しかないな…。あとベンチに残ってんのは背番号4の島谷涼太(島谷倫暁の弟)と背番号10の鬼頭…。』


西口『前からずっと思ってたんすけど、背番号10って誰ですか?背番号9までは前からいた人たち、背番号11はオレ、背番号12は小宮…』


大場『…。』


副島『背番号10はオレと同じE組の鬼頭博行って言うんだよ。ま、アイツは1年の頃から一回も来たことない筋金入りの幽霊部員だけどね。』


大場『…。……。』


西口『へー。じゃあ意味ないですね。』



小宮『みんな話進めてるけど、オレはまだ下がるなんて一言も…』

大場『うるさい。お前は引っ込んでろ。この試合勝って次以降の試合に出るためにもここは一旦引け。そっちのが賢明だ。』

小宮『でもピッチャーは!?!?』


大場『オレがやる。今度こそ抑えてやる。』


小宮『でも…』


大場『オレはこのチームのエースだ。セカンドピッチャーのお前に頼りきってちゃだめだろ。』

副島『小宮。お前にはもっともっと戦ってもらわなきゃいかない。そのためにもここはエースに任せてみよう。』


小宮『わかりました。だけどその代わり約束をしてください。』


大場『なんだ?』



小宮『この試合、絶対に勝ってください。』

小宮は泣いている。




大場『おう!!』

大場(アイツがなくなんてな。こりゃ勝つしかないか。当然だけど。)



小宮はだっこされてベンチに引いた。




守備位置の変更↓↓

小宮→島谷涼:1→4

大場:3→1

副島:4→3





大場『小宮が抜けても、オレは揺らがねえ。絶対に勝つ。』




『5番、ファースト、高林くんに代わりまして、代打、棚辺(たなべ)くん。』




??『翔真…。勝ってくれ。この試合に勝てば…。俺は…。』

このとき、邦南高校側のスタンドで密かに邦南の応援をしている男がいた。






一度ノックアウトされたエースが再びマウンドに上がる。





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