No.25:筋肉バカ
(カキーン!)
誠『セカンド!!』
打球は二遊間へ。セカンドの南が追い付く。
一塁ランナーの小宮はスタートを切っていたので二塁フォースアウトは無理。
南は一塁へ精一杯送球する。
南『これで…ゲームセットだぁ!!』
健太『よし!』
松坂『ヤバイ!!!!』
副島『ちくしょー!!』
(ズリッ!!)
南『!?』
ビュッ!!
木村『えっ!?』
健太『うわっ!』
高林『バカ野郎!!どこ投げてんだ!!』
南は泥沼のようなグラウンドに足を滑らせてしまい、送球が高めに浮いた。
高林『おりゃ!』
ファーストの高林がジャンプする。
(パシッ!!)
そしてなんとか捕球。
高林が着地してベースを踏めばゲームセット。
副島の足が少しでも早ければ試合は続く。
(ドン!!)
二人が同時にベースを踏んだ。
判定は…
『セーフ!セーフ!』
高林『なにぃ!?』
副島『助かった~。』
『バックホームだ!!』
高林『え…?』
高林がホームベースの方に振り返った。
二塁ランナーの俊足慶野がホームに向かっている。
高林『間に合えっ!!!』
ビュッ!!
(ザザーッ!!)
『セーフ!!』
慶野がキャッチャーのタッチをうまくかわしながらホームイン。
これで2点を返し12-10。点差は2点差となり尚二死二三塁の一打同点の場面。
バッターは6番の松坂。
松坂『キャプテンは危なっかしーね。まあ一応俺たちに回すって約束は守ったし、オレも続くしかないな。』
松坂は小宮と西口が来る前までは4番バッターだった。
『6番、サード、松坂君。』
木村『絶対打てよ!お前で決めちまえ!』
松坂『言われなくても決めるつもりだぜ!』
島谷倫『任せたぞ!!』
チーム1の筋肉バカに邦南ナイン全員が託した。