No.2:念願の天才
場内がざわついた。
相手は…長久手大谷高校。
高校自体はあまり有名ではないが、今年から四年前にセンバツ4強入りした清関高校の監督を務めていたことがある森安監督を監督としている今話題の高校だ。
特に4番のアメリカ人の血をもつハーフの中村アーネストは高校通算44本塁打を誇る強打者だ。チームも森安監督のもと非常に隙のない野球をするようだ。
そして、時はあっという間に過ぎていき、開会式も終わり、遂に初戦前日。
今年の目標は3回戦出場をおいている。
そんななか授業後の練習が終わり、試合前最後の練習に取りかかろうとしたところ、見知らぬ高校生が3人訪ねてきた。
『野球部はここですか?』
『そうだが…どうしたのだね?』
私は問い返した。目の前には黒めの筋肉質の男と非常に締まったからだをしている男、それに非常に美人な女が立っている。
『あした、試合っすよね?』
筋肉質の男が話しかけてきた。
『そうだが?どうかしたのかね?』
『オレ、西口 拓磨って言います。今日から野球部おねがいっす。ポジションはキャッチャー。明日の試合も出してくださいね。』
『そんなことはいいのだが、既にメンバー表は抽選会のときに提出してしまったし、試合にはでれるまい。』
『あーダイジョブですよ。先生が出す前にこっそりベンチ入りメンバーに西口と小宮って書いておきましたから。ちなみに僕は小宮 哲都って言います。ポジションはピッチャーですが、ここのエースは大場先輩なんでショートでもいいです。』
『大場先輩だって?しってんのか?翔真のこと。』
小宮『当然ですよ!同じチームだったんですから。』
西口『オレもちなみに小宮と同じ名古屋東ブラックシャークのにいたっす。』
(ほんとか…これはとんでもないやつらだな。)
『君はどうしたんだ?』
横で黙っている女の子に尋ねた。
『私…マネージャー希望の赤崎 明日翔って言います。よろしくお願いします。』
小宮『ちなみに僕の彼女なんで。』
そして、試合当日、
1番ピッチャー、大場
2番センター、慶野
3番ショート、小宮
4番キャッチャー、西口
5番ライト、副島
6番サード、松坂
7番セカンド、島谷倫
8番レフト、木村
9番ファースト、藤武
試合が始まる。
『プレイボール!!』