No.195:三振のはずが…最悪の展開
《さあワンナウトランナー一塁で打席には5番の上村 喜政!!さあ追加点のランナーが出ました!!》
鬼頭(ワンナウト一塁、5番。セーフティバントの可能性は低いな。だが陽灘学園は思い切りのある攻め。機動力も存分に使ってくる。盗塁の可能性も十分。)
薮内(こいよ。牽制。)
西口(盗塁もある。警戒しとかなきゃな。)
ビュゴゴウッッッッッ!!!!
上村喜『なっ、』
『ストライーク!!』
薮内(良いクイックもってんじゃねえか。)
ビュゴゴウッッッッッ!!!!
『ストライーク!ツー!』
≪151km/h≫
上村喜(セットになっても球速は落ちてくれねえか。)
薮内(確実に二塁を奪いたい…。やるっきゃないっしょ。)
上村喜(思い切れよ。薮内。)
“エンドラン!!”
《ランナー走った!!》
ビュゥゥッッッ!!!
カァァクゥゥゥッッッ!!
《エンドランだ!》
上村喜(くっ…。ここでスライダー…。)
ブン!!
《バッターは空振り!!!》
鬼頭(エンドランのリスクはバッターが空振りしたときにランナーが刺されるケースが増えること!貰った!!)
ばすっ
鬼頭(!?)
西口『なっ!?』
上村喜『ラッキー。』
《おーっと!!キャッチャー西口が後逸!!パスボールになる!!振り逃げ成立!!》
薮内『うおりゃぁぁぁ!!!』
鬼頭『西口!!早くしろ!!三塁まで奪われるぞ!!!』
《一塁ランナースタートを切っている薮内は一気に三塁を狙った!!》
西口『いかせるかっ!!これ以上点はやれねえんだ!!』
《タイミングは微妙!!!》
西口『うわっ!!』
鬼頭『バカやろ…』
大場『まじかよ!』
《あーっと!!西口の三塁へのスローは高い!!!!越える!!》
薮内『よぉーしゃぁ!!』
《薮内は三塁キャンバスをも蹴る!!!!ホームを狙った!!カバーに入ったレフトの松坂がバックホームする!!!》
松坂『こんにゃろー!!』
鬼頭『低くいけよ!!』
ビュゥゥッッッ!!
《ホームにはワンバウンドで良い球が返ってきた!!!タイミングはアウトか!?暴走だったか!?》
コツン…
西口(なんでだよ…。)
《返球がホームを狙った薮内のヘルメットに直撃!!!タイミングはアウトでしたがホームイン!!!ボールはファウルゾーンを点々としている!!その隙にバッターランナー上村喜政はサードへ到達!!》
コロコロ…
西口『まずい!!』
鬼頭『カバーしきれねえ…!』
コロン…
《送球は三塁側陽灘学園のベンチの中へ!!ということは…これは…》
『テイク・ワンベース!!!』
《ランナーは既に三塁ベースを踏んでいたので1つの安全進塁権が与えられ、振り逃げのランナー上村喜政はホームイン!!!邦南高校、守備の乱れで空振り三振をツーランホームランにしてしまった!!これで10対5!!!リードを5点に広げました!!》
鬼頭『ったく…。』
西口『…。』
ボコッ
鬼頭が西口の腹を優しく殴る
鬼頭『落ち着け。まだ試合は終わってない。』