No.193:鬼頭の投球術
『2番、ファースト、山形くん。』
《さあマウンド上には邦南の背番号4、鬼頭が立っています。エース大場は3イニングを持たずしてノックアウト。さあ悪い流れを断ち切ることができるか?》
鬼頭(バッターは2番の普通なやつ。温存するか。)
ビュゥゥッッッ!!!
カクゥゥッッ!!!
《初球は縦のスライダーでワンストライク!!》
ビュゥゥッッッ!!
ズバァァーーッーン!!!
≪141km/h≫
『ストライーク!』
《二球目はアウトローの素晴らしい球!これは手が出ないか。》
西口(ストレートで押しきりますか!?)
鬼頭(アホか。そーやって勝負を急ぎすぎるからさっきも9番に打たれるんだよ。ボールで良い場面。振ってくれればもうけもん。)
西口のサインに鬼頭が頷く。
鬼頭(本当のウイニングショットは取って置きさ。俺の準ウイニングショット…。)
ビュゥゥッッッ!!!!!
山形(ストレー…トじゃない!?)
フワァッッ!
ブン!!
《最後はチェンジアップで空振りの三振!!鬼頭、打者に主導権を握らせない、素晴らしいピッチング!!》
鬼頭(ふう。緊張した。)
西口『ナイピッチです。次の回は、ちょっくら全力で投げてもらいますけど、良いですか?』
鬼頭『おう。治郵のオヤジのお陰で絶好調だからな。ただ飛ばしすぎは用心しないと。』
西口『まずは同点、逆転です。』