No.192:ノックアウト
『9番、レフト、栗山くん。』
《さあ3回裏、ツーアウト満塁で打席には今大会初出場の9番の栗山。第一打席は良い当たりでしたがライトライナーに倒れています。》
西口(あの翔真先輩がここまで打ち崩されるなんて…。確かに初戦の晟西戦よりはボールは走ってないけど…、まさかここまで攻め立てられるなんて…。だけど打席には9番。こいつで切る他は無いぜ…。)
薮内『打てよ!ガチョン!』
上村喜政『ガチョン!初球から食らい付け!!』
ビュゴゴウッッッッッ!!!!
『ストライーク!』
栗山『速い…。』
ビュゴゴウッッッッッ!!!!
栗山『うわっ。』
ズバァァーーッーン!!
《二球目は完全に振り遅れ!!》
西口(翔真先輩のストレートに完全についていけてない…。3球で片付けましょう。)
大場(おっけ。)
ビュゴゴウッッッッッ!!!!
《最後もストレート!!》
栗山『狙い通り!!ストレート!!』
西口(反応が良い!まさか!?)
栗山『えい!』
カキィーーーッン!!!
《打球はレフトへ!!越える!!!真ん中高めのストレートを捕らえた栗山の打球は長打になる!!一人ホームイン!!二人目もホームイン!!三人目も帰ってきた!!俊足の栗山も一気に三塁へ!!陽灘学園逆転!!ツーアウト満塁から栗山のレフトオーバーの三点タイムリースリーベース!!これで5対7!!》
西口『くそっ…。勝負を急ぎすぎたか…。』
大場『今のバッター、最後は俺のストレートに完璧なタイミングで…。さては演技か…。』
谷口(プロ野球スカウト:久々の登場)
『甲子園に来てから、大場くんのストレートは高いね。振る力のある陽灘学園の子には相性が悪い。』
高田『もっと低めに集めないと…。』
カキィーーーッン!!!
《1番松本の打球はライト線!!これも長打になる!!二者連続のスリーベース!!これで5対8!!一回戦でノーヒットノーランを記録している大場!二回戦は厳しい陽灘学園の攻撃!!これで3回途中まで投げて被安打8、8失点!!》
片野『ここで代える。』
『邦南高校、シートの変更をお知らせします。』
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大場:1→3
氷室:3→9
副島:9→4
鬼頭:4→1
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『ピッチャー、鬼頭くん。』
大場『…。』
《一回戦でノーヒットノーランのIQ王子、大場!まさかの3回持たずノックアウト!!》