No.186:試合後
《邦南高校2年生エース大場翔真、9イニングスを投げ、死球1、見方のエラー1つ、奪三振16、そして被安打ゼロのノーヒットノーラン達成!!!!!》
西口『最後の水仙、翔真先輩のストレートもすごかったですけど、あれを真芯に当てた水仙もすごいですね…。』
大場『最後の打席の水仙は明らかに今までの打席の水仙じゃなかった…。それまでは、足を使って嫌らしく塁に出ようとしてくる感じだったが、最後の打席だけはそうじゃなかった…。勝ちは絶対に譲れないっていう、気迫がビシビシ伝わってきてた…。まさに野性の猛獣のような…。』
西口『S・9と呼ばれるやつらの、本能的なものなんですかね…。』
球場関係者『大場投手、インタビューお願いします!』
『2年生ながらこの大舞台でいきなりの大記録達成、おめでとうございます。』
大場『ありがとうございます。』
『今どんなお気持ちですか?』
大場『いや、それなりに嬉しいです。』
『随分と落ち着いていますが、ズバリ、何回から狙っていましたか?』
大場『5回終了して整備が入ったときですかね…。ふとスコアボードを見たらノーヒットだったんで。でもマウンドでは勝つことしか考えていませんでした。ベンチに戻る度に、“あ、この回も打たれなかったんだな”って。』
『次戦は、先程、S・9の霞選手擁する茜商業に大逆転の快勝をおさめた勢いのある陽灘学園との対戦ですが?』
大場『僕一人で掴んだ勝利じゃないんで。みんなが守ってくれたから結果ノーヒットだったわけで。自分が相手を完璧に抑えた訳じゃないんで、勘違いしないで自分のできることをしっかりやりたいと思います。』
水仙『完敗です。これが自分の実力です。大場投手は素晴らしかった。僕の実力はこんなもんです。またいつか違う舞台で大場投手と勝負してみたいです。』
薮内『上村。お前の後輩、水仙たちに勝ったぞ。』
上村『勝ったか。まあ勝だろうとは思ってたけどな。小6以来久々のアイツの球、楽しみだよ。』
薮内『あぁ~S・9のやつら倒すのって気持ちいいな~!霞の次は鬼頭か~!俺もまたまたまたまた楽しみだぜ!』
松本『宿舎に戻るぞ。邦南の分析をする。』
薮内『なんだよ鶏冠頭、お前はいつも喜ばなさすぎだよ。』
松本『喜ぶのは試合中だけで良い。俺らは挑戦者だ。奢りは許されない。』