No.184:泰輔の気持ち
『9回の表、晟西高校の攻撃は、7番、レフト、松島くんに代わりまして、代打、佐合くん。』
《さあ9回の表、晟西高校の攻撃は代打の佐合から!さあ邦南高校の大場翔真、ノーヒットノーラン達成なるか!?》
ビュウッッッ!!!
カーン!
『ファールボール!』
水仙(頼む…誰か塁に出て俺にもう一度チャンスをくれ…。)
ズッッバァーーッン!!!
『ストライク!!ツー!!』
《追い込んだ!!》
西口(この回三人で斬れば水仙まで回らずにゲームセットだ…。1人も出す気はねえ…。)
西口が下村フォークのサインを出す。
大場(次で決めてやる。)
ビュウッッッ!!!
西口(なっ!?)
大場『まずい!』
『『フォークが浮いた!!!』』
佐合『甘い!いただきい!!』
カッキィィーーーッン!!!!
《浮いた変化球をとらえた!!!打球はセンターへ伸びる!!!伸びる!!!》
大場『文哉!!!頼む捕ってくれ!!!』
慶野『入るな!!!入るな!!!』
『うぉぉぉぉーーっ!!!!』
パシッ!!ドカッ!!
大場『文哉!!!』
《これは…捕っている!!!センターオーバーの大飛球をセンターの慶野がフェンスにぶつかりながらも好捕!!これはセンター慶野の大ファインプレー!!》
大場『ありがとーーっ!!!』
西口(流石に序盤から飛ばしてきただけに少しずつ変化球が浮き始めてる…。)
『8番、ピッチャー、水野くん。』
小木田『なんかやってくれそうですね。泰輔のやつ…。』
荻野『大場から打てるなら、アイツだろ。同じ2年生にそう何度もやられるやつじゃねえ…。』
…
…
『ボール!カウント2ボール2ストライク!!』
《粘ってこのカウントまで持っていった!!次が12球目!!》
水野『ぜってえー出てやる…。水仙さんに回すんだ…。そしたらなにか起こる。』
西口(出し惜しみは無しだ!!これで終わりだ!!)
ビュウッッッ!!!
西口(右バッターのインコース一杯に…)
ビュゴゴウッ!
西口(渾身のストレート!!)
水野『…。』
ガツゥゥゥッゥ!!!!
西口(え…。)
水野『クッソォ!やっぱりいってぇ!』
『デッドボール!!』
《さあ8番エースの水野がデッドボールで出塁!!》
西口(お前ピッチャーだろ…。エースだろ…。避けれる球だったのに…。)
水野『あー痛かった。でもこれで…水仙さんに回る…。』
ビュゴゴウッ!!
ズッッバァーーッン!!!
《9番猪井は見逃しの三振!!これで9回ツーアウトまでノーヒットピッチング!!そして打席にはこの男、》
《《水仙智也!!!》》
大場『しゃーねーな…。こいつで終わらせてやるよ!』