No.180:夢の舞台で暴れてこようぜ!?
カキーーンッ!!
《3番の三浦が打ったがこれは当てただけのバッティングになった!!!ファースト氷室ががっちりキャッチしてスリーアウトチェンジ!!7回の表の晟西高校の攻撃、1番の水仙から始まる好打順でしたが水仙を見逃し三振、菊地をピッチャーゴロ、そしてこの三浦もファーストゴロに抑えて三者凡退!!!0-0のまま依然として得点は入りません!!!》
水仙(くそ…。ここまでやられるとは…。)
荻野『野球は点をやらなきゃ負けねえんだ。辛抱強く、最後に一点多く相手よりも取ってればいいんだよ。』
水仙『ああ。頼むぜ。扇の要。』
《そしてお気付きでしょうか!?邦南高校のエース大場は7イニングを投げ、打たれたヒットはなんと“0”味方のエラーがひとつ初回に出ましたが現在準完全試合ペースです!!!》
鬼頭『翔真がノーノーピッチングしてくれてるのは良いけどよ、忘れんな。こっちもヒット2本に抑え込まれてんだ。早く援護してやろうぜ。』
副島『みんな集まれ。今日の試合、水仙の守備範囲を恐れるあまり、チーム全体として水仙のいる左方向には打たないっていう風習があっただろ。事実ショート付近にいった打球はアイツにファインプレーされてるが。』
松坂『ああ、そんでどーすんだ?』
副島『俺達の持ち味は“打撃力”だ。忘れてただろ?愛知大会で下村健太、長岡擁する愛農大名林、韓国人トリオ擁する上社西、ドラフト1位候補の超高校級投手小木曽、そして享神の投手陣、こいつらから大量得点の乱打戦で勝ち上がってきた、が、この快進撃はまぐれじゃない。紛れもない俺らの打撃力の現れだ。なのにおれらがたかが水仙の守備力に恐れをなして慣れてないことをするなんておかしいよな?激戦区愛知を制した俺らだ。水仙がショートにいるなんて関係ねえ。俺達は俺達のバッティングをしようぜ!!思いっきりこの甲子園っつう、夢の舞台で暴れてこようぜ!?な!!』
『『『オウッッッ!!!!!』』』
『7回の裏、邦南高校の攻撃は、3番、ピッチャー、大場くん。』
水野(目付きが変わった?いや、そんなのどーでもいい。抑えられる。)
ビュウッッッ!!!
大場『外角直球!!このムービングも少し見慣れた!!』
カキーーンッ!!!!
《初球の外角ストレートを逆らわずにレフト方向へ!!》
水仙『甘いな!』
『!!!!!』
バシィィッッ!!
《しかしこれも晟西高校の水仙の前に屈する!!!三遊間へのダイビングキャッチでワンナウト!!》
水野(ふう、いいショートがいると楽だねえ。)
水仙(なんだ今の打球…。俺に襲いかかってくるような…そんな感じに思えた…。)
『4番、セカンド、鬼頭くん。』
鬼頭(その通りだよ。ミツル。俺らの打撃は相手なんて関係ねえ。ライト方向に打たされてる?レフト方向に打てば良いってことだろ?水仙の守備を破れば良いってことだろ!?)
カッッキィーーーッン!
水仙『!?』
《打ったぁぁ!!物凄い痛烈な打球!!!しかしショートの水仙のすぐ横!!守備範囲か!?》
水仙((“なんだ!?この打球は!?”))
水野『え…。』
《抜けたぁぁ!!!!!!!この凄まじい当たりにグラブハンドリングだけでいってしまった!!!打球は水仙を抜ける!!!長打コースになりそうだ!!!!》
鬼頭『おっしゃあ!どんなもんじゃい!』
《7回の裏、邦南高校の攻撃、ワンナウトから4番鬼頭の左中間を破るツーベースで得点圏にランナーを置きました!!!!》