No.18:格の違い
『5番、ファースト、江澤君に代わりまして、西本君。』
西本『この弱小チームでよくも俺らをここまで苦しめてくれたじゃん。お前らは十分よくやったよ。でもね…』
(カキーン!)
小宮『クソっ!!アウトローにきっちり決まったストレートをうまく打ちやがって!!』
打球はレフト前ヒット。
これで一死一塁。
『6番、レフト、天宮君。』
天宮『このピッチャーも1年生。やっぱ俺たちとはいろんな面で…』
西本『格が違うんだよ。』
小宮が天宮へ第一球を投げる。
(サッ!!バーン!!)
西本『ほー。クイックは案外練習してるんだ。いい精度だと思うよ。でもね…』
小宮がセットポジションにつく。
一塁ランナーの西本のリードの大きさもしっかりと確認した。
サインの交換が終わった。
そして…
西本(ここだ!!!)
西本は小宮のクイックを完全に盗んだつもりだった。
が…
小宮(甘いんだよ!!)
ビュッ!!
小宮が素早く牽制をした。
小宮『こっちこそあんたたちとは格が違うんだよ!!!』
西本『なにっ!?!?』
西本は右足に体重が乗っていて一塁へ戻るのが遅れた。
(パン!!)
『アウト!!!!』
大場『よっしゃ!!ナイス牽制だ!!』
氷室『よし。これでツーアウトだ。』
南『ふーん。わかっちゃった。相手の弱点。』
南が不適な笑みを浮かべていた。