No.179:安心感
《さあ4回の表の先頭バッターはプロ注目の今日再三好守備を魅せている1番、水仙!》
西口(マジで厄介。ほんと足が速いってのは得だらけだ。)
大場(いくら足が速くても、)
((“ボールに当たらなきゃ意味がねえぜ!?”))
スッっっとぉぉーーん!
水仙(フォーク!?ちっバットがとまんねえぜ…。でもただじゃ撃ち取られねえよ!)
コーン!
《打球は当てただけだが良いところに飛んだ!二遊間!》
水仙(へっ、内野安打はいただきい!)
鬼頭(甘いな。智也。)
《セカンド鬼頭、ピッチャー返しのバックアップが非常に速い!!踏ん張って一塁へ送球!!》
ズゴォォッッ!
『アウトォォ!!』
《S・9の水仙に負けてられないと言わんばかりのセカンド、S・9の1人、鬼頭 博行のファインプレー!!素晴らしいこの肩!!》
大場『ありがとうございます。でかいです!』
鬼頭『水仙にだけ涼しい顔はさせねえよ。俺らが守ってやるからお前は思いきっていけ。』
大場『はいっ!』
(なんだろう…この安心感…。)
…
(頼りになる仲間がいるって、こんなに幸せな事なんだな…。)
ビュウッッッ!!
ブン!!
菊地(フォーク!?いや、まだだ!!振り逃げがある!)
《キャッチャーの西口がしっかりとワンバウンドするフォークボールを体で止めて一塁へ送球。三振成立です。》
大場(去年のチームには絶対的に足りなかったこの感覚…。甲子園に来てやっと気づいたかも…。)
“打たれても、守ってくれる。”
“点を取られても、点を取ってくれる。”
大場(あとは、夢を叶えるだけ…。そう、)
“全国制覇だ!!”
ビュウッッッ!!
ズッバーーッン!!
≪149㎞/h≫
《最後は149㎞/hストレートで見逃しの三振!!!邦南のエース大場も水野に劣らずベストピッチを繰り広げています!!》
大場(このチームで良かった。)
鬼頭(進化の理由…、単純だが今までアイツに欠けていたモノだったんだな…。)
水仙(流石だな。ヒロ。それにあの照丘小のエース。倒し甲斐があるぜ。)