No.177:真の下村フォーク
鬼頭(ここはさすがに手堅く送ってくるか…。)
水仙(見せてくれよ。牽制球…。)
水仙が大きなリードを取る
小宮(刺せるっしょ…。こんなデカイリード…。)
大場(今だっ!)
ビュウッ!
『セーフ!』
小宮(さすがS・9って呼ばれてるだけはある…。足に関しては全くムラがない。今のも普通にセーフにしてくるなんてね。)
水仙(思った以上に速かったな。さすがのポテンシャルとも言うべきか。)
水仙(んまあ関係ないけどねぇ。俺には…。)
鬼頭(走ってくるのか!?)
『さあ大場が2番の菊地に対して第一球を…』
水仙(行くぜ!!)
『投げる!!!』
小宮『走ったぁっ!!!』
西口(初回だぞ!?まじかよ!)
ズッバーーッッン!!
『ストライーク!!』
西口(クソッ!)
ビュウッ!
『セーフ!』
『なんと初球を三盗成功!!!さすがの俊足!!!!自身の足で初回ノーヒットでノーアウト三塁!!!』
大場(やられた…。警戒してたのに…。)
西口(初回ノーアウト二塁で三盗だぁ…?セオリー通りここはバントだろ…。なんて度胸だ…。)
西口(スクイズあり得る…。次は変化量最大の下村フォークで…。)
大場(オッケー。)
菊地『ふぅ…。』
大場(来いよスクイズ。今ノリノリなんだろ?尚更来いよ。俺のこのウイニングショットで…)
“その流れ、終わらせてもらうぜ!!”
『三塁ランナー走ってきた!!』
西口(計算通り!!!)
ビュウウウッッッッッッッ!!
菊地『ど真ん中!!これをスクイズ失敗する気がしねぇ!!』
カァァァクゥゥゥッッッッッ!!!!
菊地『な!?』
水仙(バカヤロォ!)
ズッバーーッッン!!
『なんとスクイズ空振り!!!!三塁ランナー水仙はこれはどうしようもありません。タッチアウト!』
菊地『な、なんだ今の球は…。消えたのか…?』
西口(なんだこの変化は…、元々スゴかったのに…更にとてつもないキレが加わった…?)
大場『甘いぜ。どいつもこいつも。俺が甲子園に来てなんも進化してねえわけねえだろ。治郵のじいさんの元で学んできたんだよ。やっぱただの仙人じゃなかったみてえでよ。』
下村健太『ついにあいつもここまで来たか…。なんて成長スピードだよ…。』
長岡『なにがだよ。』
下村健『もうアイツのフォークは俺のそれを越えた。それだけさ。』