No.176:水仙 智也
『同点のホームラン、そして勝負を決める2打席連続ホームランを放ち、投手としても9回を粘りながらも6失点完投したエースの薮内投手、初戦突破おめでとうございます。』
薮内『ありがとうございます。』
『今日のピッチングを振り返って、どうでしたか?』
薮内『いや、調子は全然でした。尻上がりにやっとか…って感じに上がってくれたんですけど…。仲間に助けられました。』
『何点くらいの出来ですか?』
薮内『15点です。赤点です。』
『同点ホームランを含む、2打席連続ホームラン、どうでしたか?』
薮内『S・9って呼ばれてる人達を倒して全国制覇するためにここに来たんで、まずその第一歩が自分の活躍で踏み出せたので、そーゆー面ではよかったと思います。』
『ありがとうございました。次の2回戦も期待しています。』
薮内『ありがとうございました。』
…
…
『試合開始に先立ちまして、両校のスターティングラインナップ、並びに、審判団をご紹介します。』
先攻・静岡代表、晟西高校
1:SS:水仙
2:CF:菊地
3:1B:三浦
4:C:萩原
5:2B:小木田
6:RF:鈴木
7:LF:松島
8:P:水野
9:3B:猪井
後攻・愛知代表、邦南高校
1:SS:小宮
2:RF:副島
3:P:大場
4:2B:鬼頭
5:C:西口
6:1B:氷室
7:LF:松坂
8:3B:島谷倫
9:CF:慶野
『プレィッ!!!』
ウーーッッッーーーーー!!
『さあ始まりました、晟西高校の先頭打者はこちらも至高の9人組の一人、1番の水仙 智也!!』
鬼頭(セーフティだけは気を付けろよ。倫暁。)
ビュウッッ!!
水仙(んっ!)
ズッバーーッッン!!
『ストライーク!!』
≪147㎞/h≫
水仙(やっぱ速いな。小学生のあの試合から変わってねえ。)
『さあ第二球!!』
ビュウウウッッッッッッッ!!
水仙(だけどよ…。)
カキィィーーッン!!!
水仙(ちょっと詰まらされたか。が、)
パシィィッッ!
水仙(その三遊間の打球を捕るか…。でもよぉ、)
“投げない方がいいと思うぜ?”
小宮『ナイキャッチ!あとは一塁に投げるだ…!?』
島谷倫『!?!?』
西口『速ええっ!』
島谷倫『なんでもうそんなとこに居るんだ!』
ビュウッ!
島谷倫『うわっっ…。』
氷室『くっ!』
西口『まずい!!』
『あーっと!!一塁への送球は一塁手の遥か上!!!バッターランナー水仙は一気に二塁へ!!三塁手、島谷倫暁のエラーでいきなりノーアウトランナー二塁となりました!!』
水仙『もーらいっと。』
『2番、センター、菊地くん。』
『さあここで水仙とともに俊足コンビを組む、菊地 康平が打席に入ります!!』
西口(こいつも俊足だったよな…、足で揺さぶられんのってあんま慣れてねえな…。)
大場『やることは同じ…。自分のピッチングをすることだけだ…。』