No.174:甲子園の魔物
カキーンッ!
『打ったがこれも内野ゴロ。5回終わって5ー0、茜商業がリードしています。』
薮内『くっそ…、球が走ってくんねえ…。』
松本『まあ切り替えろ。勝負は終盤だろ。俺が打ってやるよ。』
霞『ナイピッチ。良介。』
佐々木(茜商業エース)『おう。お前もナイバッチ。』
副島『5回が終わったな。アップにいくぞ。』
鬼頭『やはり茜商業が無難に勝ち上がるか…』
松坂『陽灘学園もやっぱあのエースの球が走ってないのが痛いな。打線も茜商業の先発のやつに凡打の山築かれてるし。完全に術中にはまってる。』
大場『茜商業のエースのやつ、タイプ的には上社西の朴 昌圭みたいな打たせてとる感じですね。』
鬼頭『朴 昌圭の方が実力的には上だと思うけどな。このチーム、霞を中心にすげえ信頼関係があるみたいだしな。こりゃつえーぞ。』
…
…
カキーンッ!!!!!!!!
佐々木『なにっ!?』
『7回の裏、陽灘学園反撃開始!!!1番のキャプテン松本 能慶のタイムリーで一点を返し6ー1、なおツーアウトランナー一二塁!!』
…
『ボールフォア!!』
…
カキィィーーーーーッッッーーンッ!!!!!!!!!!!
『打った!!!!!!!!これも大きな打球!!レフトの頭上を越える!!!!!三塁ランナーがホームイン!!二塁ランナーもホームイン!!!!!6ー3!!!!!点差を三点に縮めてきた!!尚ツーアウトランナー二三塁で打席には4番の薮内!!!!!』
薮内『絶対打つ、絶対打つ。S・9、ぶっ倒してやるよ…。』
霞『ピッチャー!!テンポを変えろォォ!!!』
ビュウウウッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!
薮内『ど真ん中ぁぁぁっっっっっっ!!!!!!!!!!』
カッッッッッキィィィィィイッーーーーーーーーーーーーーーッッッーーーーーンッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
薮内『うりゃああああ!!!!!!!!!!』
『甘く入った直球を逃さずに完璧に捕らえた!!!!!!!!!!打球は文句なし!!!!!!!!!!!!!レフトスタンドへの、特大の、同点スリーランホームラン!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!これが甲子園!!!!!!!!!!ツーアウトからこの回一挙6得点で同点に追い付いた!!!!!!!!!!これが甲子園の魔物!!!!!!!!陽灘学園4番の薮内、これが4番の仕事と言わんばかりの、豪快なフルスイング!!!!!!!!!!!!!!!!!!』
霞『切り替えていこう!!しゃーない!!しゃーない!!』
佐々木『…。』