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No.168:経皮吸収型沈痛炎症液




ズザザザザザザザ!!!!!!




大場『ここは…』



小宮『滝…?』





治郵『おぬしら。』


副島『はい。』



治郵『今から治療をするかしないかを決める。全員全裸になってこのタオルで隠すところを隠すのじゃ。』



島谷倫『まさか…。』

鬼頭『この滝に打たれるってことじゃ…』













治郵『今から全員滝に打たれるのじゃ。ただしこの泉は神聖な場所じゃ。寒くても小便などは決してせず、私語も厳禁じゃ。わしが合図するまでこの滝に打たれ続けろ。この泉は汚染物が混入すればすぐ色が変わりわかる。その時点でおしまいじゃ。』



副島『はい。』

鬼頭『わかりました。』

小宮(正直嫌だな。)

島谷倫(絶対寒いよな。)

大場(これやったらホントに治療してくれるんだろうな…。)




ズザザザザザザザ!!!!!!!!!!!!!!!








大場『よっこらしょっと!』



鬼頭『な!?』



副島『私語は慎め。』



小宮(これやばい…。こんな冷たい流水に…あとどんくらい打たれ続けるんだ!?)


島谷倫(やべー…つめてー。死ぬー。)


大場(いやぁ…えぐいな。)















小宮(うー…。寒いよ…。)


鬼頭(やばい…。小便漏れる…。)






治郵(そろそろじゃな。)




“こっからが本番じゃぞ。”






ズザザザザザザザ!!!!!!!!!!!!!



大場(うーっ…。助けてー。)



鬼頭(寒い…。)









治郵(なかなかしぶといのぉ…。もうじき1時間を越える…。折り返し地点はすぐそこじゃ…。おぬしらの本気を…見せてもらおうじゃないか。)




ズザザザザザザザ!!!!!!!




副島(なんか試してるみたいだけどよ、愛知県大会でこんなつらさの比じゃないくらいしんどいゲームをしてきた俺ら、しかもその主力がこんな滝くらいで折れると思ったら大間違いだぜ。じいちゃんよ。)



ズザザザザザザザ!!!!!!!



小宮(なんか余裕になってきたな。)



島谷倫(なんか涼しく感じられるようになってきた。)





治郵(コイツら…。)



鬼頭(俺らはこんなんでフェードアウトするほど、ヘタレじゃねぇぜ。)





ズザザザザザザザ!!!!!!!!



治郵(コイツらのこの余裕ぶり…。今までのどのアスリートの中でもトップクラス…いや、トップかもしれん…。こりゃやってみて損は無いかもな。)








…滝に打たれて2時間後





治郵『終わりじゃ。おぬしらを認めてやる。』





島谷倫『へっ。』

小宮『案外余裕だったね。』

鬼頭『最初はちょっとキツかったけどね。』


副島『次はどうしますか?』



治郵『今からわしの治療を受けさせてやるのじゃ。一人大体30分程でやる。その間ほかのやつらは滝にずっと打たれてるのじゃ。その滝は単に忍耐力を試すための滝じゃない。体を急激に冷やすことによって筋肉の炎症や、骨へのダメージを弱くする。そーゆーこともできるのじゃ。』



鬼頭『なるほどね。』



治郵『順番にいくぞ。大場。』


大場『はい!!』





ズザザザザザザザ!!!!!!




治郵『おぬしはどこの怪我じゃ?』


大場『ボールの投げすぎによるものと思われる、左肘痛です。』










グキッッッッ!!!!!!


大場『ぬおぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!!!!!』




小宮(なんか悲鳴が聞こえたような…。)



大場『肘の、肘の関節が外れたぁぁぁ!!!!!!!!』


治郵『大袈裟じゃ。別に外れとらせん。』



グキッッッッ!!!!!!

大場『うあああああああ!!!!!!!』



島谷倫(すげー痛そう…。)


治郵『こりゃすごい張りじゃの…。チームにトレーナーみたいなのは居ないのか?』

大場『居ないです…。普通の公立高校で…環境的にもそんな野球に力入れてくれなかったんで、予算とか全然なくて…。』


治郵『これから甲子園じゃ。勝ち進めばまた連戦連投になる。甲子園には巨家と動美を連れていくのじゃ。わしが許可する。』


大場『ほんとですか!?ありがとうございます!!』



治郵『フォッフォッフォ!!』

グキッッッッ!!!!


大場『ギャアアアアアア!!!!!!!!』












こそこそ…

パカッ



大場『それはなんですか?』


治郵『わしが長年の吟味により独自で調合した経皮吸収型沈痛炎症液(けいひきゅうしゅうがたちんつうえんしょうえき)じゃ。滅茶苦茶効くぞ。ただしこれを塗ったら48時間はその筋肉に負担をかけちゃダメじゃ。副作用で逆に筋肉を痛め付けてしまう。だが用法を守れば必ず効果がある。再使用は24後に可能じゃ。当然明日も治療するから覚悟しとくのじゃぞ。』


大場『はいっ。』




カチャッ

(キャップを開ける音)




タラーッ…





大場『…。』










『『『ウガァァアァァァァァァッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!』』』




小宮『!?』





大場『熱い!!!!!肘が熱い!!!!!!!!!!!』



治郵『よく聞いている証拠じゃ。ほらあそこの小さい泉に入ってなさい。ただし、肘は泉の中に入れるんじゃないぞ。』


大場『はいいいいいいいいいいい!!!!!!!!』






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