No.161:ピッチャー、鬼頭
霞『おーおー!見に来て良かったね!!!!!!』
水仙『まさか登板するなんてな。』
赤嶋『でもノーアウトランナー二三塁。そんで中3、9月の世界大会決勝以来の登板、約3年ぶりのマウンドだぞ。さすがのヒロでも厳しいと思うぜ。』
霞『それはどうかな…。』
水仙『ヒロはブランクなんかで崩れるほどヤワじゃないと思うぜ?小学校からヒロの球受けてたお前ならわかってんだろ?』
赤嶋『俺は心配していってんだよ。』
霞『ま、傍観者として楽しもう。この対決。』
鬼頭『思ってなかったぜ。俺がこの、高校野球のマウンドに立てるなんて…。今まで支えてくれたやつら、チームメートのみんなに感謝だよ…。親父よぉ、ごめんな。』
“これが、俺の進む道なんだ。”
ビュワァァウゥゥゥッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!
平井『はぁっ!?』
ズゴォォーーーッッッーーーーーーーッッッッッーン!!!!!!!!!!!!!!
≪km/h≫
霞『あれ?球速表示が…』
平井『っっ…。』
『ストライーーッック!!!!!!!!!』
《…。…。…………、も、物凄いボール!!!!!!!!快烈な豪速球がキャッチャーのミットに吸い込まれた!!!!!!!!》
ビュワァァウゥゥゥッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!
平井『ちょっとまて…。』
ズゴォォーーーッッッーーーーーーーッッッッッーン!!!!!!!!!!!
『ットライーック!!!!!!ツー!!!!!!!!!』
≪km/h≫
水仙『こんなことって…あっていいのかよ…。』
霞『ヒロが登板したとたん…』
赤嶋『スピートガンが表示しなくなった…。』
水仙『どんなストレートだよ…。』
霞『怪我してる間、過酷なトレーニングを積んでさらにレベルアップしたみたいだね…。』
ビュワァァウゥゥゥッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!
平井『こんな球…バットに当たる人間がいるのか…?』
カァァクゥゥッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!
ブン!!!!!
≪140km/h≫
平井『無理だ…』
“次元が…コイツだけ違う…。”
《空振りの三振!!!!!!!!15回の裏ノーアウトランナー二三塁、カウント0ストライク2ボールからマウンドに上がった、鬼頭博行、まず今日途中出場の平井を縦のスライダーでしょうか?空振り三塁に斬ってとった!!!!!!!追い込むまでのストレートも威力十分!!!!!!!》
赤嶋『縦スラの変化量もやべーけど…あんな速い縦スラなんて打てねぇだろ…。』
霞『打てるなら…この人しかいないよね。』
『4番、レフト、桜沢くん。』
桜沢『グレードアップしてカムバックするのはなんとなく感づいてたよ。ただ、あの球種は使ってくるのか?使う勇気があるのか?』
赤嶋『ヒロは、あの球種は使うのか?』
鬼頭(拓磨。勝負どころでは積極的にサイン出していけよ…。コイツだけは生半可な攻めじゃ撃ち取れない。)
桜沢(初見でヒロから打つのは困難を極める。なんとしても俺が決めなければ。)
水仙『南阪の主砲vs南阪のエース。こんな対決、地方大会にゃ勿体ないぜ…。』
『プレイ!!!!!!』