No.149:やべぇな…。翔真先輩。
西口『遂に痛み止が切れてきましたか…。』
大場『わりぃな…。ただ俺の肘は死んでもお前らを甲子園に連れていきてえ…。こんなすっげぇチームで甲子園に行きてえ。だから負けねえよ。』
西口『わかりました!んじゃ、腕振って、しっかり僕のミットに翔真先輩の渾身のボール投げ込んでくださいね!』
大場『任せろ!』
西口『ツーアウトで下位打線突入です。守りに入る必要もありません。攻めて守りましょう!』
大場『おっけ!』
西口『んじゃっ。』
大場『ちょっとは心配しろよな。バーカ。』
ニコッ
大場『はっ…。』
マウンドからホームベースに戻った西口が座り、大場を見てニッコリと笑う。
大場(今…また…西口が慶大に見えた気が…。)
『プレイ!!!!!』
ビュウウッッッッッッッウッッ!!!!!!!!
古瀬『甘い!!』
カキィィィーーーッッッッッーーーーーンッ!!!!!!!!!
《初球の真ん中直球を痛烈に捉えた!!センター前ヒット!!7番古瀬の初球攻撃!!》
≪146km/h≫
西口『おっけぇおっけぇ!!ボール自体は良かったです!!!!!!』
大場『おう!!』
『8番、ファースト、三好くん。』
大場(大丈夫だ…。ツーアウトでさっき三振にとった三好…。撃ち取れる…撃ち取れる…。俺ならできる…。)
西口(初球はカウントをとる制球重視の下村フォークでカウントを稼ぎたい…。)
勾城(やっぱりおかしい…。牽制やフィールディング、ランナーを翻弄するのを得意とする翔真先輩がこんなに警戒薄いはずがない…。行ける…。)
ビュウウッッッッッッッウッッ!!!!!!!!
《二塁ランナー勾城が完璧に大場の投球フォームを盗んだ!!!!!!》
カクゥゥゥッッッッッッッ!!!!!!!!
『ストライーク!!!!!』
ズザザザァ!!
《二塁ランナー勾城、この場面で三盗成功!!!!!1年生とは思えないこの集中力!!!!!これでツーアウト一三塁でバッター強打者の三好!!!!!》
三好(随分と投げ急いでいるな…。なにをそう慌てる。これまでまったく隙のなかった大場が…。)
…
…
『ボール!!!!フォアボール!!!!!!』
《ツーアウトからこの回二つ目のフォアボールでツーアウト満塁!!!!!!!》
『9番、ピッチャー、堂金くん。』
鬼頭(昨日の準決勝でも同じ肘痛があったからな。経験した辛いことをできるだけ避けたいからこそ…撃ち取れる打者にも焦りを感じ追い込みたい追い込みたいと投げ急ぐ…。)
ビュウウッッッッッッッウッッ!!!!!!!!!
西口(やべっ!!!!)
堂金(ど真ん中!!!!!)
カキィィィーーーッッッッッーーーーーンッ!!!!!!!!
《大きい!!!打球はレフトの木村の頭上!!!!!!抜ければサヨナラ!!!》
木村『うおりゃぁぁぁ!!!!!!』
パシッ!!
ドカッ!!
《レフトの木村はフェンス激突!!!!打球は捕ったか!!!!!》
ぱっ
木村がこっちを向く
『アウト!!!!!』
《レフトの木村のチームを救うファインプレー!!!!!!!!邦南絶体絶命の危機を救いました!!!!!!》
桜沢(堂金であの打球か。そろそろ決まったか。)
西口『やべぇな…。』