No.148:異変
10回の裏の享神の攻撃を三者三振に斬ってとった大場はその後も調子を崩すことなく享神打線を抑え込み、
一方の享神のエース堂金も邦南打線から三振の山を築き、再登板してからパーフェクトに抑える好投を見せる。
そして延長12回の表の邦南の攻撃も4番の西口から始まる好打順だったが、西口氷室木村が三者三振に倒れチェンジ。
そして延長12回の裏、享神の攻撃、
『延長12回の裏、享神高校の攻撃は、4番、レフト、桜沢くん。』
西口(チャンスの場面で桜沢も嫌だが…先頭打者としての桜沢も嫌だな…。ましてや享神は後攻。一点でもやったら負けが決まるこの局面では特に先頭打者は出したくない…。)
大場(抑えるしかねえよ…。抑えてやるよ…。)
ビュウウッッッッッッッウッッ!!!!!!!!!!!
西口(くそっ!捉えられた!!)
カキィィーーッッッーーン!!!!!!!!
《外角ストレートを流し打った打球はライトへ!!!!!!!大きいぞ!!!!入るか!?!?》
小宮『オーライ!オーライ!』
パシッ!!!
『痛烈な快打でしたが少し球威に押されたか!?ライトの小宮もポジショニングが素晴らしかった!!!!!先頭の桜沢を撃ち取ってワンナウト!!!!』
西口(やっぱ相変わらずの球威だ。今までの比じゃないな。桜沢との対戦のお陰で翔真先輩の潜在能力が芽吹こうとしている。)
今坂『む…。』
(桜沢が押されるほどの球威を…。向こうは連戦連投のはずだが…。早くめを潰しておかなければ来年も厄介な存在に成り得ない…。この試合、いや、この大会を勝ち進むにつれて同時に驚異的なスピードで成長してきたか…。なぜこいつが今まで無名だったんだ…。)
『5番、キャッチャー、余語くん。』
ビュウウッッッッッッッウッッ!!!!!!!!!!
シュルルル!!!!!!!!
余語『クソっ!!』
ズバーーーッッッッーン!!!!!!!!!
≪143km/h≫
《僅かに下に落ちるストレートとほとんど球速差のない超高速フォークにバット振り遅れ!!!!!!!空振り三振!!!!!これでこの回もツーアウト!!!!!!!!!!!》
西口(すげぇ…。フォークだけならプロでも十分通用するんじゃないか…?)
『6番、サード、勾城くん。』
ビュウウッッッッッッッウッッ!!!!!!!!!
ズバーーーッッッッーン!!!!!!!
『ストライーク!!!!!!』
ズバーーーッッッッーン!!!!!!
『ストライク!!!ツー!!!!』
西口(よし!リズムもいい。)
《さあ2球で簡単に追い込んだ!!!!!!》
西口(1球遊ぼう。)
西口が変化量重視の下村フォークのサインを出す。
大場も首を縦に振る。
ビュウウッッッッッッッウッッ!!!!!!!
大場『っ!?』
カァァクゥゥゥゥッッッッッッ!!!!!!!!
『ボール!!!!!』
《さあ1球低めにフォークを外してきた!!次で決めに来るか!?》
大場『マジかよ…。』
西口(最後も直球で!!)
ビュウウッッッッッッッウッッ!!!!!!!!
大場『くっ!』
ズバーーーッッッッーン!!!!!!!!!!!!!
≪141km/h≫
今坂『ん?』
『ボール!!!!!!!』
《この1球は高めに大きく浮いた!!!!!!これでカウント2ボール2ストライク!!!!!》
西口(まあまだカウントツーツーだ。焦ることもない。まだ2球もチャンスがある。)
西口が下村フォークのサインを出す。
大場『くっそ…。また…。』
ビュウウッッッッッッッウッッ!!!!!!!
カクッ!!!!!
ズバン!!!!!
『ボール!!!!カウント3ボール2ストライク!!!!!!!』
《さあこのフォークも曲がりが早く、そして手前でワンバウンドしてしまった!!!!!これでは打者は振らないか!?》
西口(まさか…まさか…。)
大場(わりぃな。拓磨。)
ビュウウッッッッッッッウッッ!!!!!!!
大場『うっ…。』
ズバーーーッッッッーン!!!!!!!
大場『クソぉ!!』
『ボール!!!!フォアボール!!!!!!!』
《ツーナッシングとカウント有利の状態からまさかのフォアボール!!!!ツーアウトランナー無しからのフォアボールです!!!!!!》
勾城『どうした?もう疲れか?急に球持ちが悪くなったように感じたぞ…。』
西口(やっぱか…。遂に…。)
大場『ちぇっ。』
西口『タイム、お願いします。』
『タイム!!!!!』