No.146:堂金の本当の力
『9回の裏、邦南高校の攻撃は、7番、サード、松坂くん。』
鬼頭『ケンちゃん!ファーストストライクから狙ってけ!!この手のピッチャーにストライク先行は厳しい!!』
島谷倫『なぁーに!同点で延長になったって、こっちが後攻なんだ!!こうなっちまえばこっちのもんだ!!楽にな!肩の力抜いてけ!!!!』
小宮『こうなっちまえばこっちのもんだ!か…。そうとも限らないね…。』
西口『だな…。俺らは昨日既に猪子石と延長14回を戦って疲れもかなり溜まっている…。一方の享神はシードで3回戦からの登場はもちろん、決勝までの全試合で自慢の強打と投手陣でコールド勝ちで進んできている。1回戦から8試合目…ましてや主力が誰1人として休んでいないこっちのが延長になったら圧倒的に不利だ…。』
小宮『それに…もし延長になるとしたら…もう一つ懸念が…。』
西口『…。だな…。』
(翔真先輩の…、左肘の限界…。)
ズッッッバァーーーーッッッッーン!!!!!!!!!!!!!
《見逃しの三振!!!!!!今日ホームランを放っている7番の松坂にバット振らせず!!!!!!!149km/hのストレート!!!!!!》
『8番、ライト、小宮くん。』
小宮(この回3人で終わるわけにはいかない…。堂金に調子づかれるし、なにより流れが完全に向こうにいってしまう。)
亀丸『おっ。哲都vs堂金だぞ!』
多賀谷『なんやかんやで今日初対決なんだよな。』
岩栗『拓磨は堂金に勝ったし、哲都にもできるんじゃない?黒シャー時代は控えだった拓磨と違って哲都はエースで5番だったし。正直哲都の野球センスはすげえよ。』
亀丸『いやわからんな。堂金は球速表示を見ても明らかなように再登板してから球の質が頭抜けて増している。拓磨がタイムリー打ったのは覚醒前の堂金だ。この覚醒した堂金から打つのは哲都でも相当厳しい。』
岩栗『と、なると?』
亀丸『この試合、先が大体見えてきたぜ。』
多賀谷『邦南が堂金から点を取るのは、ほぼ絶望的だ。』
カクゥゥゥッッッッッッ!!!!!!!
ブン!!!
《空振り三振!!!!!堂金のウイニングショットの縦のカットボールにバットが空を切る!!!!!!!》
≪144km/h≫
赤嶋『ストレートとほとんど同じ球速で切れ味抜群の縦の変化球…。すっげぇボールだな…。』
水仙『対戦してみてえな。』
ズッッッバァーーーーッッッッーン!!!!!!!!!
≪150km/h≫
『ストライク!!!バッターアウト!!!!!!チェンジ!!!!!!』
《見逃し三振!!!!!!!9番の島谷 倫暁バット出せず!!!!!!堂金も自己最速タイの150km/hストレートでこの回三者三振に斬ってとった!!!!!!》