No.145:決死のダイビング!!
西口『翔真先輩。』
大場『わりぃ。大事な場面で打たれちまってよ…。』
西口『大丈夫ですよ。一点勝負の終盤とか想定内ですし、そうなったら後攻のこっちが有利に決まってます。裏でサヨナラにすればいいだけですし、ここ、抑えましょう。打たれたあとのピッチングって、好投手と並以下の投手の大きな差の一つでもあると思いますし、任せました。翔真先輩の実力、ここで見せつけましょう。』
大場『相手の流れを断ちきる。任せろ。』
『プレイ!!!!!!!』
《さあ9回の表3点差を一気に同点に追い付いた享神高校!!尚ツーアウト満塁で打席には1年生の強打者、勾城!!!!!!》
小宮(翔真先輩の持ち味でもある右打者へのクロスファイヤー気味のストレートを使いたいところだけど…。バッターが勾城クンだからね…。天才的な内角さばきを持ってるし…正直リードしにくいけど…)
西口(インコース使わなきゃ勝負するにも困難極めるぜ…。ボール球振らせてカウント取りたいけどバッターが選球眼のいい勾城だからな…。フォアボールで勝ち越しだ…。カウント不利にも持っていきたくないし…。くっそぉ…。こーゆー場面でなんて攻めづらい打者なんだ…。)
勾城(フォアボールだけは避けたいこの場面。簡単にとはいかないがストライクが欲しい。)
西口(行くっきゃねぇってか。)
大場『おっけ…。決めるぜ。』
《さあ大場がセットポジションから投げる!!!!!!!!!》
ビュウウゥゥゥッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!
勾城(今度はストレートでカウントを取ってくると思ってたぜ!!!!!)
小宮『インロー直球!?!?』
カキィーーーーーッッッッッッーーンッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
西口『やっぱ真芯に当ててくるか!!!!!』
《インコース低めのストレートを痛烈に捉えたぁっ!!!!!!!打球は左中間!!!!!!!!センター慶野は少し右寄りのポジショニングだった!!!!!!懸命に追う!!!!!!抜ければ勝ち越し!!!!!!捕れば同点で9回の裏!!!!!!!!!》
慶野『ここで勝負しないで、いつ勝負するんだーっっっ!!!!!!!!!!!!!』
《全力疾走からのダイビング!!!!!!!!!!!》
バシィィィィィィィィィ!!!!!!!!!!!!!
大場『文哉!!!!』
西口『慶野くん!!!!!!』
慶野『『よっしゃあああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!』』
《センター慶野!!大ファインプレー!!!!!!!!!!!抜ければ3点差という場面で決死のダイビングキャッチ!!!!!!!!9回の表享神高校の攻撃を3点に留め同点に抑えました!!!!!!!!!!!》
西口『今回だけは救われたぜ…。』
小宮『めちゃくちゃリードしにくいバッターだったね…。』
西口『ああ…。味方なら頼もしかったんだが…いざ敵となるとこんなにも厄介な男だとはな…。』
勾城『ちっ…。仕留め損なったか。真芯では捉えたが若干球威に押されたか。だがお前らの夏もそう長くない。なんたってこっちにはこの男がいる。』
ズッバーーーッッッン!!!!!!!!!!
ズッバーーーッッッン!!!!!!!!!!
堂金『サヨナラなんて許さねぇ!!俺はもっとこのチームで野球がやりたい!!』
余語(ついに目覚めてくれたか。堂金。)