No.142:最後の打者!?
《さあフラフラっと上がった打球は面白い打球になった!!!!!セカンド鬼頭が追う!!!ライト小宮はチャージが遅い!!!!!!》
大場『捕ってくれ!!』
西口『右足の怪我から復帰したての小宮じゃ無理!!鬼頭さん!!!!』
鬼頭『うぉぉぉ!!!!!』
《落ちたー!!!!!!!!!二塁ランナー堂金は三塁を回るか!?いや、回らない!!!!明らかにホームインできましたがあえて止まりました!!!!!!》
西口『くそ!』
大場(さっきは三振に撃ち取ったとはいえ…正直かなり嫌な打者だな…。)
『4番、レフト、桜沢くん。』
《9回裏、2点ビハインドの享神高校の攻撃、ツーアウトランナーフルベースで打席には今日2本塁打を放ち高校通算99本塁打と前人未到の高校通算100本塁打に王手をかけている至高の6人組、S・6の1人、南阪の主砲、桜沢春毅!!!!!!春夏連覇、そして夏は去年の雪辱を果たすべく練習してきた享神ナインの想いはすべてこの男に託された!!!!!!!》
西口『タイムお願いします。』
『タイム!!!!!!!』
《さあキャッチャーの女房役西口がマウンドのエース大場のもとに駆け寄ります。》
西口『二塁ランナーは俊足、そして走塁判断のいい神郷。シングルヒット1本で同点の可能性は十分です。が、』
大場『抑えればいいってことたろ。』
西口『そーゆーことです。翔真先輩ならさっきの桜沢との対戦のように三振を奪うことも可能です。行きましょう!甲子園!』
大場『任せろ!』
《さあ9回ツーアウトフルベースでエースと4番の激突!!!!!この4番桜沢を抑えれば悲願の甲子園初出場の愛知県立邦南高校!!!!一方邦南のエース大場を、4番の桜沢が打てばたちまち同点、そして長打、ホームランが出れば逆転サヨナラの場面!!!!!!!》
桜沢『まさかここまで邦南がやってくれるなんてよ…。ヒロ…。お前がマウンドに居ないのがせめてもの救いだが…。』
『勝つのは享神だぜ。』
大場『抑えれば甲子園…。抑えれば甲子園…。』
鬼頭『甲子園に行くこと…。それが今の俺がジジイから託された使命…。』
西口(強気だ…。)
桜沢『…。』
《さあ長いセットポジション!自分のペースに持ち込めるか大場!!!》
大場『攻めの…』
西口『配球!!』
ビュワァウゥゥッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!
ズッッッッバァーーーーーッッッッッンッ!!!!!!!!!!!
≪148km/h≫
『ストライク!!!!!!!!』
《さあ初球からインロー一杯への厳しいボール!!!ストライクを取ってきました!!!!!》
西口(随分と自然体だな。)
今坂『相変わらずどんな相手、どんな状況でも呼吸を乱さないな。さすがだ。』
余語『桜沢…。決めてこい。』
ビュワァウゥゥッッッッッッッッ!!!!!!!!!
ズッッッッバァーーーーーッッッッッンッ!!!!!!!!!
『ボール!!!!!!』
《1球1球に場内どよめきます!!!!ここ中村公園球場!!!!!!!》
西口(この場に及んでも選球眼は相変わらずだな…。カウント1-1。こちらとしてはどう料理しようか選択肢は豊富だ。追い込まれてるのは向こうだ。焦る必要は全くない。)
《さあ注目の3球目!!!!!》
ビュワァウゥゥッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!
ピクッ
西口(よし!引っ掛かった!!)
スッッットォォォーーーーーーッッッン!!!!!!!!!!
ズッバーーーッッッン!!!!!!!!
《133km/h》
『ボール!!!!!!』
大場『よく見たな…。』
西口(これを振ってくれれば非常に助かるんだが。さすがにそう甘くはないか…。)
西口(カウントは1ボール2ストライク。打者も狙ってくるカウント…。甘く入って打たれるなら際どいところいってボールの方がましだ。際どいコースをつく。)
大場(外角低めストレート。やってやらぁ。)
ビュウウゥゥゥッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!
大場(まずい!外にいった!!)
ズッッッッバァーーーーーッッッッッンッ!!!!!!!!!!!!!!!
『ボール!!!!!』
西口(想定内。3ボール1ストライク。ヒットを打たれるよりもフォアボールの方が2点リードのこちらとしては助かる。)
大場(3ボール1ストライク…。なかなか厳しい打者だぜ…。さすが南阪の主砲…。)