No.135:常軌
『ストライーク!!!!!!!!バッターアウト!!!!!!!チェンジ!!!!!!!』
《6番の1年生勾城も見逃しの三振!!!!!!邦南高校のエース大場翔真、終盤8回の裏を4・5・6番と三者三振に斬ってとりました!!!!!!!!!!》
余語『クソ…。まさかこんな展開になるとはな…。』
北峰『大丈夫だ。野球は試合終了まで何が起こるかわかんないんだぜ?』
余語『おう。わかっとる。それより肘、大丈夫か?』
北峰『どこまで持つかわかんねえけど。勝つぞ。』
余語『おう。頼んだぜ。実質エース。』
(北峰よぉ…お前ってやつはとことんすげぇな…。)
堂金(北峰さん…怪我してるんだろ…?大丈夫なのか?仮にもプロ入りは確実視されてるのに…。よく先も見ずマウンドに上がるな…。昔俺のダチで肩痛いのに投げ続けて右肩ぶっ壊したやついたし…あぶねぇぞ。無理すると。)
ビュウウウッッッッゥゥゥゥゥ!!!!!!!!!!!!
ズバァァァァッッッッーンッッッッ!!!!!!!!!!!!
《空振りの三振!!!!!!!!!1番の今日ホームランを放っている強打者鬼頭を空振りの三振に仕留めた北峰!!!!!!!》
鬼頭(すげえ…こんなに速い左は生まれて初めてだ…。こりゃ連中には期待できんな…。まっ3点リードしといて良かったってことにしとくかな…。)
ビュウウウッッッッアウッッッ!!!!!!!!!!!
ズッバァァーッーーーーーッッッッンッ!!!!!!!!!!!!!!
≪151km/h≫
『ストライーク!!!!ツー!!!!!!』
《2番の慶野も2球で追い込まれた!!!!!!》
堂金(…。)
北峰『其処からじっくり見てろや堂金…。実力がなくてもな…』
《さあ注目の3球目!!!!!!ここは1球様子を見るか!?享神バッテリー!!!》
ビュウウウッッッッアウッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!
ズッバァァーッーーーーーッッッッンッ!!!!!!!!
≪153km/h≫
『ストライークッッ!!!!!!!!バッターアウトォォ!!!!!!!!!!!』
北峰『おしゃあああああああああ!!!!!!!!!かかって来いやぁぁぁぁぁ!!!!!!!!』
《見逃しの三振!!!!!!勝負にきた!!!!!!!!外角一杯の153km/hストレートに手も足も出ず!!!!!!!!!!!!》
堂金(すっげ…。)
北峰『実力が足りなくてもなぁ…根性さえあればなんとかなる場面があるんだよ堂金。あの西崎みたいにな。』
堂金(一体なぜこうなってしまった…。夢もある。ただ漠然と野球をしてるわけじゃない…。メジャーに行くために野球をしてるんだ…。俺は…。)
ズッバァァーッーーーーーッッッッンッ!!!!!!!!!!!!
『ストライク!!!!!!!』
大場(愛知は豪腕豊富だねぇ…まったく…。)
堂金(あの人はプロの舞台に行きたくないのか?なんでこんなチームのために…それじゃあ未来のこと考えられないバカと一緒…)
ズッッッッブァァァーーーーーッッッッッーーッン!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
《バッター大場も豪快な空振り!!!!!!これでツーストライクと追い込んだ!!!!!!!!!!!!!》
大場(あたんねえ…。堂金も打てた。だがコイツからは打てるってイメージがまったくわかねえ…。)
北峰『ハァ…ハァ…ハァ…。』
余語(北峰の状態のことを考えると3球で仕留めにいきたい…。存分に直球の意識を打者に植え込んだしな。次は縦スラでいくぞ。)
北峰(おっけー。)
《さあ北峰が振りかぶって投げる!!》
ビュウッッッッッッ!!!!!!!!!
北峰『くっっっ!!!』
余語『!!』
ズバーン!!!
余語(珍しいな。滑ったか。)
《スライダーでしょうか?少し高めのボール球にスッポ抜けました。これでカウント1ボール2ストライク。しかしピッチャー有利のカウントは変わらず。》
余語(アウトロー直球!!)
ビュウッッッッッッ!!!!!
余語(若干高い!!!そして中に入ってきた!!!!)
カキィーーーンッ!!!!!!!
《真ん中に集まった直球を強打!!!!!!!ツーアウトから3番の大場にヒットが出ました!!!!!》
余語(2球連続制球ミス…。肘の影響か?)
北峰『大丈夫だ。心配するな。』
余語(だよな…。たった10数球でなるわけないよな。)
『4番、キャッチャー、西口くん。』
北峰(クソォ…。超痛ぇ…。)
ビュウッッッッッッ!!!!
西口(これも高い!!)
カキィーーーンッ!!!!!!!!!!!!
《高めに浮いたスライダーを捉えた!!!!!!!打球は左中間!!!!!!!!》
古瀬『今日はよく足を動かすぜ!』
《ツーベースヒット!!!!!!!!この場面で4番西口も続いた!!!!享神はここで点を取られると非常に苦しくなります!!!!!!!!》
余語『ツーアウトランナー二三塁…。もう一点たりともやっちゃいけねえ…。』
ビュウウウッッッッアウッッッ!!!!!!!!
ズッッッッブァァァーーーーーッッッッッーーッン!!!!!!!!
『ボール!!!!』
ズッバァァーッーーーーーッッッッンッ!!!!!!
『ボール!!!!ツー!!!!!』
余語(明らかに球の調子がおかしい!!)
『タイム、お願いします。』
『タイム!!!!!』
北峰『なんだよ?隼輝。』
余語『しらばっくれんな。肘か。』
北峰『んまあ…ね…。』
余語『本気で投げられるような状態じゃないか?』
北峰『俺の人生だし。本気で投げるよ。ただ制球も球威もあんまし自信ねえ。』
余語『俺はお前を信じる。死ぬ気でこいよ。』
北峰『おう。』
(ちょっとは肘の心配してくれたっていいじゃん隼輝…。ま、そー言われたって反対するけどね!)
余語(北峰はあーみえて熱血だからな。なにいっても聞きやしない。)
北峰『あいつも反対するってわかってたから聞かなかったんだろうな。』
堂金(見る限り肘ももう限界っしょ…。なんでそんなに無理するんだ…。)
ビュウウウッッッッアウッッッ!!!!!!
ズッバァァーッーーーーーッッッッンッ!!!!!!!!
《これも外に大きく外れた!!!!!》
余語『力むな!肩の力抜け!!!!!』
ビュウッッッッッッ!!!!!!!!!
北峰『ふんがっ!!』
ズッバァァーッーーーーーッッッッンッ!!!!!!!!!
『ボール!!!フォア!!!!!!』
《フォアボール!!!!!!ツーアウトフルベース!!!!!!!!!》
北峰(大丈夫だ。痛いなりに感覚が戻ってきた。)
余語(やっぱ今日は少し主審が辛いな。)
『6番、レフト、木村くん。』
堂金(北峰さん…。なぜ…)