No.134:大場vs桜沢 2nd round
『8回の裏、享神高校の攻撃は、4番、レフト、桜沢くん。』
西口(来たか…。今日既に3打数3安打1四球2本塁打の桜沢…。)
『さあこの回先頭は高校通算99本塁打、通称“南阪の主砲”と言われる無呼吸安打製造機桜沢春毅!!!!!さあ邦南のエース、MAX149km/hの2年生サウスポー大場との今日2回目の対戦!!!!!』
野中『8回の裏三点リードの守り、この桜沢さえ抑えれば』
川越『勝利が格段と近づく。』
西口(大丈夫だ。さっきもライト線際にツーベースを打たれたが、あれは勝負球じゃない。今度こそは!)
大場(初球からフォークね。オッケー。)
西口(全球勝負球。これでいくっきゃない。)
『注目の初球!!!!!!』
ビュウッッッッッッ!!!!!!!!
カクワウッッッッッッッ!!!!!!!!!
カキーン!!!!!
『ファールボール!!!!!』
『さあ初球フォークを使ってきましたがファールにしました桜沢。次はどんな球が来るのか。』
西口(桜沢とともに愛知の三大スラッガーと言われる猪子石の渡辺一紀でさえ延長14回にようやく目が慣れて見切れるようになってきたこの翔真先輩の下村フォークを2回目の対戦で当ててくるとは…。)
大場(さすがだな。が、前に飛ばせるかな!?)
ビュウッッッッッッ!!!!!!!!
カクワウッッッッッッッ!!!!!!!!!
カキィーーーッーンッ!!!!!!
『さあ2球目もファールでこれで追い込まれた!!!!!カウントツーナッシング!!!!!!』
西口(三点リードだ。一点くらいくれてやってもいい。桜沢を抑えられるかはわからねえ。だが、ここまで邦南を引っ張ってきた翔真先輩なら抑えられる可能性は十分だ!!!!!!)
鬼頭(勝負か。俺も賛成だ。)
霞『勝負は危険だとは思うけれど…』
水仙『大場には、なんかやってくれそうな、雰囲気があるよな。』
赤嶋『まあ実際小6のころやられかけたけどな。今回はやるかもよ?』
霞『僕もそう思う。』
鬼頭『抑えろよ。翔真。』
大場(俺が桜沢を抑えれば勝利が見えてくる!!!!!)
『さあ振りかぶった!!!!』
大場(腹くくるぞ…。思い出せ…)
(6年前の、あの勝負を!!)
ビュウッッウッーーーーーーーーッッッッッーッ!!!!!!!!!!!!!!!!!
西口(速球派投手の持ち味が最大限に発揮される、勝負のコース)
“インハイストレートォ!!!!!!!!!”
ズッッッッッッッッッッ…
バァァーーーーーッッーーーーーーーーーーッッン!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
《149km/h》
『空振りの三振!!!!!!!!!!南阪の主砲、そして享神の4番桜沢のバットが空を切った!!!!!!!!!!!』
大場『どんなもんじゃい!!!!!!!!!!!!!!!!!』
西口『ナイピッチ!!!!!!!!』
野中『今の1球。大場の持つストレートを魔球レベルの球にしたね。』
川越『ああ。右打者の桜沢の胸元内角高めのクロスファイヤー自己最速149km/hのストレート。しかも追い込むまでフォークだったからさらに体感速度は速く感じる。』
野中『さすがに桜沢でも、今の大場には勝てなかったか。』
川越『だがあとアウト5つ取らなきゃ勝ちではない。今坂の采配が本領を発揮するのはここからだ。だが、さっきよりは格段に勝利には近づいたな。』