No.132:魂の籠った投球スタイル
『さあここで今大会代打成功率100%、怪我でスターティングメンバーからは外れていますが邦南高校最後の奥の手、1年生の小宮哲都を代打に送ってきました!!』
西崎『いいじゃねえか…。燃えるぜ。』
余語(正直勝負したくない打者だが仕方がない。ここで仕留めて一気に流れをこっちに引き寄せてやる。)
小宮(ストレートはMAX145km/hほど。ただ、みんなの反応を見る限りかなり伸びてくるはず。そしてスライダーの精度もかなりのものだね。さすが享神の背番号10ってだけはある。ただ…一番厄介なのが…)
西崎『おらぁ…いくぞや…』
小宮(この少しの動揺すら微塵も感じさせない強靭な精神力…。魂の投球スタイル…。)
ビュウッッッッッッッ!!!!!!!!
余語(よし!!ナイスボール!!)
ズバァァーーーッッーーッーンッ!!!!!!
《144km/h》
『ストライク!!!!!』
小宮『くっ…。』
『さあ代打の小宮に対しての注目の初球!!アウトロー原点一杯の素晴らしいボール!!』
余語(小心者の南浜や、低学年ゆえに自信を持てない東成田。そいつらとは違う。こーゆー場面できっちりといい球を投げ込んでくるヤツ…。そーゆーピッチングをするやつ、それが西崎 文仁という男!!!!)
ビュウッッッッッッッ!!!!!!!!!
ズバァァーーーッッーーッーンッ!!!!!!!
《145km/h》
『ストライク!!!ツー!!!!!』
余語『ナイスボール!!!!!』
『さあ今度はインコース低め一杯一杯に決めてきた!!!!!これは手が出ないか!?!?このピンチの場面で2球で追い込んできた!!!!!!!』
小宮(圧倒的不利な状況に立たされちゃったね。まったく…。ストレート2球で追い込まれるって…。ただね…)
((“そんなんで軽く斬られるほど、怠惰なトレーニングしてきた訳じゃないんだからね”))
西崎『むっ…。』
余語(なんだこいつ…。)
西崎『いい目だ。挑むところだっての。』
ビュウッッッッッ!!!!
小宮(変化球!!外れる!!)
カクッっ!!
バン!!!
『ボール!!!!』
ビュウッッッッッッッ!!!!!
カーン!!!
『ファールボール!!!』
カーン!!!!
『ファールボール!!!!!』
カーン!!
『ファールボール!!!!!!』
…
…………
……
…
ズバァァーーーッッーーッーンッ!!!
《145km/h》
『ボール!!!!!カウント3ボール2ストライク!!!!!!!』
『さあこれで粘ってフルカウントまで持ってきた!!!次が代打小宮に対しての14球目!!』
西口『見えてきたな。』
大場『だな。だんだんとファールの打球の質が上がっている。』
小宮『わかる。ボールをうまく感じとることができる。』
西崎『キャプテンはん。あれっきゃないっしょ。』
余語(わかった。さっさと仕留めろよ。鬱陶しい打者だでな。)
西崎『わかってら!!』
鬼頭『勝負に、来るな。』
ビュウッッッッッッッ!!!!!!!!!!!
小宮『インコース!!真っ直ぐ!!いける!!!!』
余語『この1球!!最高のボールが来たぜ!!!!!!!魂の籠った、右打者インハイへの、クロスファイヤー!!!!!!!!!』
小宮『怯むもんか!!引くもんか!!!!』
ガッ!!!!
余語(詰まらせた!!)
カッッッキィーーーッッーーッン!!!!!!!!!!!!!!!!!
余語『え…』
『とらえた打球は大きいぞ!!!!!!打球はライトの頭上!!ライトの頭上!!ライト堂金、バックする!!!!!!!!!』
ぼさっ…
小宮『…。……。……………。』
『入ったぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!代打1年生の小宮の、決勝戦8回の表、同点とされたあと、再び点差を引き離す、勝ち越しの、スリーラン、ホームラン!!!!!!!!』
西崎『嘘だろ…。詰まらせた…はずじゃ…』
余語『なんて…一年生が控えているんだ…。なぜこいつが背番号12なんだ…。』
『1年生の小宮は今ホームベースを踏んだ!!!!!“14-11”!!!!!!!邦南高校がこの試合またリードを奪ってきた!!!!!!!』
西崎『くっそぉぉぉぉ!!!!!!!』
今坂『そろそろあいつを出すしか、この流れは断ち切れんな。』
藤野『え!?まさか!!』
今坂『ピッチャー北峰!!!!!!』
『さあここで西崎はマウンドを降りるようです。次に出てくる投手は誰でしょうか。』
『享神高校、シートの変更をお知らせします。』
守備位置の変更↓↓
北峰:3→1
西崎→隈川:1→3
北峰『やっとか…。俺の左肘、そして左肩…。すこしの間だけでも、言うこと聞いてくれよ。そんで堂金よ、見てろよ。』
“俺とお前の、ピッチングの違いをな!!”