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No.131:悪い流れを変える男


『8回の表、邦南高校の攻撃は、4番、キャッチャー、西口くん。』



西崎(自分のバットで同点にしたんだ。このままこっちの流れに持っていきたいぜ。)



ビュウッッッッッ!!!!!!!



西口『この回また勝ち越せばいい!!!!!』



カキィーーッーッンッ!!!!!!



『これも痛烈な打球が三遊間を破る!!!!邦南高校の主砲、西口、今日これで5打数4安打!!!!!ノーアウトランナー一塁となります!!!!』





多賀谷『拓磨、すっげぇ打つな。』

岩栗『才能開花したのかな。』

亀丸『拓磨が黒シャーのみんなの宿命を晴らしてくれるかもな。下手すりゃ邦南が勝つなんてことも十分考えられる。』



『5番、ファースト、氷室くん。』





野中『さあ片野くん。ここでどう攻めるかな?』

川越『同点の8回表、ノーアウト一塁で5番の氷室。』

野中『氷室で送りたい気持ちも山々だろうが、なんたって次の打者が木村だからな…。』


川越『キャプテンであり、素晴らしいアベレージヒッターの副島が不在っていう邦南は不安材料が多いな。』



片野『小宮。』


小宮『はい。』



片野『準備しとけ。もしかしたら守備もやるかもしれない。』


小宮『!?』



鬼頭『なあ哲都?てかお前守備できんの?』


小宮『全力疾走はできないですけど…ファーストくらいならなんとか…。』



片野『わかった。送る。』



氷室(送りバントね。了解しました。キムタロ先輩、頼みましたよ。)




『さあ5番の氷室はバントの構え!!!!』



西崎(やらせっかよ…。そんな簡単に…。)



『っらぁぁ!!!!!!!』



氷室『!?!?』


コン!



鬼頭『しまっ!!!!』


氷室『こりゃまずい!!』




余語『セカン!!!!!!!』


『このバントは強いか!?ピッチャー西崎が二塁へ送る!!!!!!』



『アウト!!!!!』



『一塁はどうか!!』



『セーフ!!!!!』



『一塁はなんとかセーフ!!!!しかし邦南高校、試合終盤にきて痛いバント失敗!!!!!ワンナウトランナー一塁!!!!!』



『6番、レフト、木村くん。』



片野『太郎。頼んだぞ。』



木村『はい。先生。』



『さあ6番の木村もバントの構え!!』


余語(今の魂のこもった西崎の球をバントするのは難しいぜ?)



西崎(やらせるか。いや、俺の球がバントされるものか。本気で仕留める。)




ビュウッッッッッ!!!!!!!!



木村『とりゃあ!!!!!』


コン!!!!



『これも怪しげな微妙なバントになってしまった!!!!ピッチャー西崎はどうするか!?』



余語『狙え!!!2つイケる!!!!!!!』


西崎『最初からそれしか、狙ってないっつうの!!!!!!!!!』



『二塁へ転送した!!!!!!!!』



木村『くそぉ!!』




西崎『ショーバンになる!!神郷!!さばいてくれ!!!!』


神郷『あいよぉー。』




『二塁ベースカバーの神郷への送球は少し乱れた!!しかしショートの神郷、見事にさばいて捕球!!』



『アウトォォ!!!!!!!』



『なんとこの勝負どころで二者連続送りバント失敗!!!!!一気にツーアウトランナー一塁となってしまった!!!!!!!』


大場『ちっ…。』

鬼頭『これじゃあ流れが完全に享神(むこう)にいっちまう…。』



松坂『なにヘコんでんだばかども!!』



大場『!!』



松坂『俺が一気にキムタロをホームまで還してやるよ!!!!!』



『その意気だ!!』



松坂『!?』



慶野『副島…先輩?』



副島『おいおい。やめてくれよ。死んだはずの人間を見てるみたいじゃねえか。』


松坂『ミツル。見とけよ?』


副島『おう。見てるぜ。』




鬼頭『頭は大丈夫か?』


副島『ああ。特に異常はなかったからここに戻ってきた。俺が試合引っ込んじまったばかりに、みんなに迷惑かけてすまねえ…。』


小宮『大丈夫ですよ。』



副島『こんな俺を…甲子園っていう夢の舞台まで連れてってくれ…。頼む…。』



小宮『任せてください。みんな、絶対勝ちますよ!』







『7番、サード、松坂くん。』



片野『小宮、健祐が続いたら、代打いくぞ。』


小宮『わかってます。』




ビュウッッッッッッッ!!!!!!!


松坂『うぉりゃあ!!!!!!』


カクッ!!

ブン!!



『初球切れのよいスライダーを空振り!!!』


松坂『いいスライダー放るじゃねえか。』


西崎『そっちこそ、いいスイングするねぇ。』


松坂『お前みたいなヤツは大好きだぜ。同じ臭いがする。』



西崎『望むところだ。』


ビュウッッッッッッッ!!!!!!


カキーーーッン!!!



『ファールボール!!!!』


《145km/h》



松坂『重い球だな。すげぇ伸びてくるし、こりゃヤツの魂のそのものだな。』


ビュウッッッッッ!!!


カクッ!!



ズバーーッン!!!!



『ボール!!!!』



余語(今のは初球と同じストライクからボールゾーンへ逃げていくスライダー。よく見極めたな。)




松坂(この回のリズムはすっげぇ悪い。こりゃ点とらなきゃまずいぜ。)



ビュウッッッッッッッ!!!!!!!


西崎『らあっ!!!!!』




カッッッキィーーーッッーーッン!!!!!!




『打球は左中間!!!破るか!?抜ければ勝ち越しだが!?』



パシィッッ!!



余語(さすが古瀬だ。守備範囲が広い。)




『センターの古瀬(こせ)、なんとか追い付く!!!しかし一塁ランナー木村は悠々三塁へ到達!!バッターランナーの松坂は…とまったとまった!!一塁で止まりました!!二塁は悠々セーフのタイミングでしたがシングルヒットで自ら止まりました!!!!』



余語『ちっ…。大人しく二塁にまでいってもらいたかったぜ…。正直なところ。』



松坂『頼んだぜ。小宮。』




『これは恐らく次の打者が敬遠されないようにあえて自らは一塁に残ったということでしょう!!8回表の邦南高校の攻撃、ツーアウトランナー一三塁です!!!!』



西口『哲都、楽にな。自分のバッティングしてこい。』

小宮『うんっ!』




『邦南高校、選手の変更をお知らせします。8番、ライト、藤武くんに代わりまして、代打、小宮くん。』




『さあここで邦南高校、代打の小宮をバッターボックスに送ります!!!!』





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