No.124:男
『大きな打球だぞ!!!!入れば一点差!!!!!!!』
ボサッ…
『ファールボール!!!!!!ファールボール!!!!!!!!!!』
余語(助かった。)
『これは僅かにファールか!?しかしものすごい飛距離!!』
松坂(いける!あとはタイミング。)
鬼頭『お前らの言う通り、心配する必要は無かったな。』
大場『はい?』
鬼頭『ケンちゃん、打つぞ。』
カキーンッッッ!!!!!!!!
『これも引っ張ってレフトライン付近!!』
ポンッ!!
『ファール!!!!!!!』
『これもファール!!しかし2球連続でいい打球を飛ばしました松坂!!これは少しタイミングが合ってきたか!?』
余語(ツーナッシングだ。カウント的にこちらの方が優位。慌てて勝負にいく必要もない。野球にはボールゾーンで勝負するって手もあるんだからな。)
ビュウッッッッ!!!!
松坂(スローカーブ!!この軌道は、ボールだ!!)
ズバン!!
『ボール!!!!!』
余語(打ち気に逸っていた今の状況でよく見逃したな。褒めてやるよ。次は外にボール一個分はずしたボール球。)
ビュウッッッッ!!
『ボール!!カウントツーツー!!!!!』
余語(これを見逃すのは完全に想定内。外のボールが続いたあとに…)
(クロスファイヤーはどうかな?)
ビウッッッッッ!!!!!!!!
松坂(遅い球のくせに調子乗んなよ?)
カッキィーーーッッーーッーンッ!!!!!!!
余語(なに!?!?)
『いい打球だ!!これもレフトライン際!!今度はどうか!?!?』
余語(切れろ!!)
『フェア!!!!!!!!!!』
鬼頭『よっしゃあ!!!!!!』
大場『回れ回れ!!!!!!!』
『このレフトライン際への痛烈な打球は見事にフェア!!!!!!!二塁ランナーの西口は悠々ホームイン!!!!!!打ったバッター松坂も余裕で二塁ベース到達!!!!7回の表、邦南高校、一点を返し10-8、点差を二点に縮め、尚ツーアウトランナー二塁!!』
『8番、ライト、藤武くん。』
余語(コイツはさっきクリーンヒットを打った。南浜には若干タイミングが合っているか?)
藤武(もう一点欲しい。下位打線で複数点取れれば完全に流れはこっちのもんだ。)
ビュウッッッッ!!!!
カクッッッ!!
藤武(スローカーブなんて関係ない!!引き付けて…バチン!!)
カキーンッッッ!!!!!
『打球はピッチャー返し!!!!』
南浜(くそ!無理っぽい!)
『ピッチャー南浜の横を抜ける!!』
野海『まだまだぁ!!』
パシッっっ!!
『二遊間の深いところでセカンドの野海が捕球!!そして踏ん張って流れるように一塁へ送球!!!!』
『セーフ!!!!!』
野海『ちっ。足速えぇーな。』
『これは8番藤武の脚力が勝ったか!!!!セカンドへの内野安打でツーアウト一三塁!!!!!!!』
『9番、ショート、島谷倫暁くん。』
余語(この回よくバットに当てられるようになってきた。しかもヒット性の打球。ブルペンには…左の東成田と右の西崎か…。出来れば南浜を行けるところまで引っ張りたいな…。)
島谷倫(次のヒロに繋げば今度こそ絶対に繋いでくれるはず。絶対に塁に出る。)
余語『タイムお願いします。』
『タイム!!』
余語『わかってるな?』
南浜『ああ。』
余語『ここがお前にとって今日最大の踏ん張りどころだ。が、バッターは9番の島谷倫。楽に今まで通りの投球をすることで十分に余裕をもって抑えられる程度の打者だ。飲んでかかれよ。』
南浜『了解。』
『プレイ!!』
島谷倫(初球はまずストライクを取りに来る。さっき藤武に打たれたスローカーブは使いたくないはず。ストレートっしょ。)
ビュウッッッッ!!
カクッッッ!!
ズバン!!
『ストライーク!!!』
南浜『よし。』
余語『ナイスボール!!』
島谷倫(さすが愛知県ナンバーワンキャッチャーの呼び声高い余語。打者心理をよく理解してやがんな…。)
ビュウッッッッ!!!!
島谷倫(どんな角度からだよ!?)
ズバーーッッーンッ!!!
『ストライーク!!!ツー!!!』
島谷倫(いいクロスファイヤーだ…っていってても仕方ねえ…。打たなきゃ行けねえ場面だ…。気持ちで打つぞ。)
ビュウッッッッ!!!!
『ボール!!!!』
ビュウッッッッ!!!!
スバン!!!!
余語(よし!!決まった!!)
『ボール!!!!!』
余語(ちっ。入ってんだろ。)
島谷倫(カウントツーツー。そろそろ勝負に来る。)
今坂『この9番を塁に出したら南浜は交代だ。』
藤野『その場合次はどのピッチャーで行きますか?』
今坂『堂金。』
藤野『!?』
今坂『って言いたいところだが、今の堂金じゃ抑えるのは無理だ。東成田と西崎。左の鬼頭に対しては左のサイドハンドの東成田でいく。』
藤野『わかりました。三好くん。ブルペンの東成田くんに伝えてください。』
ビュウッッッッ!!!!!!
島谷倫(クロスファイヤー!!二度も同じ手に引っ掛かってたまっかよ!!)
カキーンっ!!
『ファウルボール!!』
余語(今度は当てたか。つまり内角もかなり意識してくれてるか。ならさっさと外で料理してやるよ。)
ビュウッッッッ!!
余語(ちっ。)
南浜『制球ミスった!』
ズバン!!
『ボール!!』
島谷倫(今のは外に抜けたようだな。)
余語(この大事な1球でコントロールミスか。だから南浜はずっと4番手なんだ。こーゆーところでしっかり決めて欲しいね。)
ビュウッッッッ!!!!!!!
島谷倫(高い!!ボールだ!!)
ズバーーッッーンッ!!!!
余語(クソ…。マジかよ…。)
『ボール!!フォア!!!!!』
島谷倫『おっしゃあ!!!!』
『9番の島谷倫暁に対しツーナッシングからのフォアボール!!これは痛いぞ!!7回表ツーアウトフルベースで打席には…』
『1番、セカンド、鬼頭くん。』
今坂『おい!!』
東成田『は、はい!?』
今坂『頑張れよ。』
東成田『はい!!』
『享神高校、シートの変更をお知らせします。』
守備位置の変更↓↓
南浜→東成田:1→1
…
…………
『プレイ!!!!』
鬼頭『左のサイドハンド。懐かしいな。大峰明館の谷。アイツもすげーいいピッチャーだったな。果たしてこの東成田ってやつが谷ほどの実力かって言ったら、絶対にそれはない。谷が打てた俺ら邦南がコイツを打てないはずがねえ。』
余語(東成田か…。正直この場面ではどちらかと言えば西崎が欲しかったな…。)
ビュウッッッッ!!!!
鬼頭『ん?』
余語『バカっ!!』
バシンッッ!!
東成田『あっぶね…。』
『いきなりものすごいすっぽ抜けがいきました2年生の東成田。』
鬼頭『いいねえ。緊張してるねえ。』
ビュウッッッッ!!!!
鬼頭『ベストピッチなんて出来ないんじゃない!?』
ビュウッッッッッッ!!!!!
余語(マジかよ!?おい!!)
鬼頭『ど真ん中ぁ!!!!!!!』
カッッッッッキィィーーッッーーンッ!!!!!!!!!!!!