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No.118:南浜 亮



西口『グラウンド整備。今のうちに僕らだけで前半戦の反省をしましょう。』


※高校野球は5回裏が終わるとグラウンドに5分ほどの整備が入る。



大場『次のイニングから行かせてくれ。』


西口『大丈夫ですか?最低でもあと4イニングありますが。』

大場『行かなくちゃならねえ時だ。エースとしてあとはみんな託してほしい。氷室じゃもう点をとられるだけだ。これ以上の失点は本気で勝敗に絡む。まだ3点差。逆転なんて余裕だが失点はこれ以上したくない。』


西口『まっ。止める気はありませんよ。』

大場『組み立てはどうする?』

西口『1番の神郷はミート力、飛距離、走力の全てで高水準の厄介な打者。ですが、次の二番打者がカモにできるだけに全力で抑えにいきます。そして3番の北峰。正直大場さんの全力なら同等以上の勝負ができるとは思いますが、かなりの強打者。下村フォークを絡めていかないと厳しいですね。そして次の…』


大場『桜沢春毅。か…。』



西口『正直なところ、ヤツを抑えられるとは到底思えません。ランナーがいない場面や、一塁が空いている場面。もしくは一塁にしかランナーがいない場面では敬遠の手段もありに思えます。』


大場『俺は勝ちにこだわりたい。おまえのリードについていく。』


西口『いざって時が来るまで桜沢には勝負を挑む必要は無いでしょう。その代わりですが、』


大場『桜沢の前にランナーを出すな。ってか?』


西口『はい。それができれば有利に守備を進めることができます。』


大場『任せろ。あと気になるのが。一人。』


西口『余語ですか?』


大場『違う。勾城だ。』


西口『勾城の弱点ですが…』


大場『ヤツはもう真ん中低めのストライクからボールになる変化球を苦手になんかしていないはずだ。俺が中3のとき、アイツはただ一人2年生で黒シャーでレギュラーを張っていた。確かにその頃はそのコースが見極められてなかった。だが今はその時の致命的な癖が無くなっている。』


西口『致命的な…癖?』


大場『ああ。打つときに頭が下がる癖だ。そのせいでそのボールはうまくとらえることが出来なかったはず。だが、さっきの逆転スリーベースの時のようにその癖は一切現れていない。つまりだ、ヤツはもう苦手コースはないはずだ。実力で上回るしか勾城に勝つ方法はない。余語や北峰にも勝る好打者に成長している。』


西口『わかりました。勾城にも小細工なしの真っ向勝負でいきます。ただ、肘の調子は?』


大場『心配すんな。今まで逆に休みすぎだよ。氷室、5イニング、ありがとな。』


氷室『10点も取られてますからね。悔しいっす。』


大場『まだだ。野球には打撃もある。自信持ってけ。』



氷室『はい。』







『6回の表、邦南高校の攻撃は、7番、サード、松坂くん。』




松坂(この南浜ってやつ…。相当厄介だぜ。遅球は速球に勝るって言うがまさにその通りだぜ…。)


ビュウッ!!!!!


松坂(見える!!これに撃ち取られてたまっかよ!!)


カスン!!



『さあこれもショート神郷の正面の打球!!ショート神郷が上手にさばいてまずワンナウト!!邦南高校、南浜にリリーフしてからランナー一人も出せません!!!!』



松坂(くっそぉ…。)




『8番、ライト、藤武くん。』


藤武(野球を高校に入ってから始めたばっかの俺にとっちゃあ、140km/hオーバーのボールよりもこんくらいのスピードのがちょうどいいぜ…。)





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