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No.116:黒シャーの約束と勾城の理由


勾城(黒シャーのみんなにはすまねえことをしたと思ってる。だけどそれだからって負けるわけにはいかねえんだよ…。俺は甲子園に行く。甲子園に行くためなら手段を選んでる暇はねえ…。最短距離で甲子園に行く。そのために俺は…)


ビュウッ!!!!!!



勾城(享神(ここ)に入ったんだ!!)



カキーンっ!!!!!


『ファールボール!!!!!!!』



西口(勾城のやつ…。力んでやがる。まあチャンスだし仕方がないとは思うが。勾城らしくもない。なんか知らんが気負ってるな。)



勾城(経済的にあまり余裕のない家の状況。県外の私学はおろか愛知県内の私学すら難しい。甲子園を目指すなら激戦区愛知なら私学じゃなきゃ不可能に近い。一度は拓磨や哲都のように費用的に負担の掛からない公立高校から目指そうとも思った。だが俺の親父…お袋が無理してここにいれてくれた。自分の夢を追えって…言ってくれたんだ。だったら叶えるしかねえ。そう思ったんだ。堂金と同じチームを選んだのも甲子園に行くため。堂金となら甲子園を目指せる。そう確信した。あの1年前のノーヒットノーラン食らった決勝の舞台でな。)





多賀谷『気に食わねえな。勾城。』

亀丸『俺らの誰かで高校野球で堂金にリベンジする。って約束したのにな。』

岩栗『アイツ…やっぱり忘れちまったんだよ。』



ビュウッ!!

カキーン!!


『これもファール!!!!!!!』



西口(やっぱらしくねえな。勾城がこんな氷室をうちあぐねるなんて。今のも十分捉えられたはずだ。)



勾城『なあ拓磨?』


西口『あ?』


勾城『悪いな。享神に入っちまって。』


西口『知るか。』


勾城『あのときの約束、忘れちゃいねえぞ。あのときの屈辱もな。』

西口『じゃあなぜ堂金と同じチームに入った?お前が堂金側に加担してどうするつもりだ?まさか堂金となら甲子園に行けるとか思ってないよな?』


勾城『だとしたら?』


西口『絶対に行かせねえ。』


勾城『ふぅん…。やれるもんならやってみて欲しいね。こっちだって普通の公立高校に負けて甲子園に行けないなんてことになったら両親に申し訳がたたねえんだよ。俺は甲子園に行くために…公立じゃ無理だと思って愛知の私学の名門、享神に入った。他の選択支には名林や猪子石、昨日俺らが勝った瑞穂大瑞穂とかあったんだけどよ。』


西口『だからなぜ享神に進んだのか聞いているんだ。早く答えろ。』


勾城『しょうがねえな…。教えてやるよ。』



ズバーン!!!!!


『ボール!!!!!!カウントワンボールツーストライク!!!!!!』



西口『?』





勾城『1年前の中学硬式野球全国大会決勝の舞台で俺ら名古屋東ブラックシャークは静岡オーシャンズのエース堂金にノーヒットノーランを食らった。それで悔しかった。ってのもあるが、俺の場合、堂金に』








『『“ついていきたくなった。”』』



西口『なに!?!?』


勾城『それだけだ。』






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