No.115:鉄壁の二遊間コンビ
『5回の裏、享神高校の攻撃は、1番、ショート、神郷くん。』
ずしん
ずしん
ぶよよーん。
西口(享神相手に初先発のマウンドで桜沢のグランドスラムとツーランの6点に抑えているのは見事だ。あと2イニングくらい踏ん張ってくれると非常に助かる…。)
神郷『そろそろバット振ろうかなぁ~。』
ビュウッ!!!!
カキーン!!!!!
『これもセンター返し!!!!!』
鬼頭『これはさすがに無理か!?』
バシィッッ!!!!!!
氷室『倫暁先輩!!!!!』
島谷倫『オラァ!!!!!!!』
『ショート島谷倫暁球際でなんとか捕球!!!』
鬼頭『1人じゃ無理だ!!バックハンドトス!!!!!!!』
島谷倫『あとは頼んだ!!!!!』
鬼頭『おうよ!!!』
『そしてセカンド鬼頭に流れるようにバックハンドトス!!!!!!鬼頭が一塁へ送球!!!!!!!!』
鬼頭『くらえぇ!!!!!!!』
ビュウゥッッッッッッ!!!!!!!!!
桜沢『なに!?』
余語『どんな肩してんだ!?』
『ア、アウトォォォォ!!!!!!』
島谷倫&鬼頭『よっしゃああああああ!!!!!!』
『素晴らしいプレーが出た!!!!圧巻の二遊間!!!!!!センターに抜けると思われた痛烈なセンター返しをショートの島谷倫暁が球際いっぱいでなんとか捕球、そこからセカンドの鬼頭へバックハンドトス、そしてセカンド鬼頭の素晴らしい一塁送球でバッターアウト!!!素晴らしいとしか言い様のないとっさの連携!!これはピッチャーを助けます!!!!!!!』
西口(圧巻の二遊間だ…。とりあえず先頭を取れたのはデカイ。)
『2番、ピッチャー、南浜くん。』
…
……
ズバーン!!!!!!
南浜(くそっ、コントロールいいな…。)
『ストライク!!バッターアウト!!』
『さあ氷室今日二つ目の奪三振!!これで1番2番と撃ち取ってツーアウト!!』
『3番、ファースト、北峰くん。』
西口(コイツ…長打も短打もコアに打つことができる享神において2番目にいいバッターだ。)
北峰(監督が期待しているのは長打。俺には分かる。グラウンド整備が入る前のこの回にどうしても同点、逆転したい。試合の中盤の半分を終えてリードしていたい。)
ビュウッ!!!!!
北峰(狙うのはこの、縦のカーブ!!)
カッキーーーッッッーン!!
『左打者の北峰の打球はライト後方への大きな打球!!!!』
藤武『無理や!!』
『越える!!!!!しかしあらかじめ深めに守っていたためボールはすぐに内野へ返球!!打ったバッター北峰は二塁へ!!ツーアウトランナー二塁!!!!!!』
西口(ツーベースもシングルヒットも関係ない。次は桜沢だ…。)
『4番、レフト、桜沢くん。』
西口(勝負する必要はない。勝負=一点又は二点の失点だ。全部外角のボール球でいい。)
鬼頭(正論だな。氷室じゃサクは抑えられねえ。)
…
……
…………
…
『ボール!!フォア!!!!』
『4番桜沢に対し邦南バッテリー勝負せず!!しかしこれは当然か!?』
『5番、キャッチャー、余語くん。』
余語『いい度胸だ。俺は桜沢が敬遠されてからの5番の俺への勝負が大っ嫌いなんだ。』
藤野『余語くんの桜沢くんが敬遠されたあとの打席の打率…“.667”18の12。出塁率は8割越えです。』
今坂『そうか、そんなに低かったか。こーゆー場面では打つイメージしかなかったが。』
藤野『あはは。』
余語(鬼頭が内野に回った今、邦南の外野陣のポテンシャルは決して高くない。そこを狙う。)
カッキィーーーッッーン!!!
『この打球も三遊間!!!ショートの島谷倫暁、ダイビング!!!!!!』
ザババーン!!
『打球は抜ける!!!!!!二塁ランナー北峰は帰ってくるか!?レフトの木村もいいプレスをしている!!!!中継のサード松坂に投げる!!!!!!』
バシッ!!
『北峰は三塁ストップ!!これでツーアウトランナーフルベース!!!!!!5回の裏享神高校、2本のヒットとフォアボールでツーアウト満塁!!!!!』
『6番、サード、勾城くん。』
西口(ここで勾城。だが勾城は今日氷室に対し二打席無安打。いつも通りのピッチングをすればきっとみんななら守ってくれるはず。)
氷室『自信持つぜ…。』
勾城(一打逆転のチャンスは逃せねえ。ぜってぇ打ってやる。)