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No.108:高校野球



余語『タイム、お願いします。』


『『タイム!!!!!!』』




『さあキャッチャーの余語がマウンド上の堂金のもとへ駆け寄ります。』



堂金『なんすか?』

余語『お前。邪魔だ。』


堂金『は?』

余語『チームにとって、享神高校にとって、今のお前は必要ねえ。』

堂金『突然どうしたんスか?試合中ですよ?』

余語『本気でやらねえなら、さっさと出ていってくれねえか?』

堂金『僕が出ていったら、誰がピッチャーやるんスか?』

余語『北峰に決まっているだろう。』

堂金『その北峰さんの肩の調子が思わしくないから今ここに立っているんスよ。』

余語『堂金。俺はお前をエースだとは思っていない。享神のエースは、北峰 丞だ。』


堂金『やっぱ余語サン。ウザいですよ。』

余語『今言い争っている時間はない。だから言いたいことをスパッといっておくぞ。』


堂金『聞く気はねえ。』



余語『北峰と堂金(オマエ)には、天地の差がある。高校野球で勝ち抜ける力は、お前にはない。予想してやるよ。お前は5回持たないうちに、人生初のノックアウトを食らって降板する。この調子ならな。』


堂金『さっさと帰りや。先輩(アンタ)こそ正捕手としてはまだまだですね。』





余語(俺ら3年が引退したらこのチームは終わる…。なぜなら堂金がエースで孤立するはずだからな…。そうなる前にアイツに高校野球ってもんを叩き込まなくちゃな…。)


堂金『大人しく座ってればいいものを。』


余語(オマエの望み通りの配球に変えてやるよ。オマエがノックアウトされるまでな。こっちには北峰の他にも控えのピッチャーに良いのはいるんだ。)



氷室(追い込まれるまでは直球に絞る。)



ビュウッッッッッッ!!!!!!!!!


氷室(狙い通り!!!!!アウトコース真ん中のストレート!!!!!!!!)


カキーン!!!!!!!

『打った!!!これも鮮やかに流し打つ!!!!!二塁ランナーの西口は悠々ホームイン!!!!!邦南高校4点取られたあとすぐに一点を返してきた!!!!!5番氷室のライト前タイムリー!!!!!!』


氷室『よっしゃあああ!!!!!』


堂金『うざ…。凡人どもめ…。』




小宮『嘘でしょ…。いくら氷室くんが最近急成長してるとはいえ…堂金からクリーンヒットを1打席目から…。』


西口『堂金。あいつ、去年のイメージが完全に崩れ去ってる。打席に立てば哲都も感じると思うが、堂金はもう怪物じゃねえぞ…。』


小宮『それって…つまり言うと?』


西口『昔のような圧倒的な圧迫感のような、なんつーか…表現し難い物凄い圧力が…今はまったく感じない。名林の下村健太、大峰明館の谷、そして猪子石の小木曽のような…気迫っていうか…絶対に抑えるっていう気力を奴から感じることがなかった。』



『今の堂金は、脱け殻同然だ。』



カキーン!!!!!!

『これも捉えた!!!!!!!6番キャプテンの副島!!!!!打球は右中間を真っ二つ!!!!!!!!一塁ランナー氷室は三塁を回る!!!!!!!打ったバッター副島は二塁ストップ!!!!!!!!』


西口『ほらな。』

小宮『うん。』


『2回の表、邦南高校、ノーアウトランナー一塁からキャプテン副島の右中間へのタイムリーツーベースでこの回2点目!!!!!!初回いきなり4点を先制されたあとすぐに2点を返してなおノーアウト二塁!!!まだチャンスは続きます!!!!!!!!』



『7番、サード、松坂くん。』




水仙『噂の堂金ってやつ。大したことねえじゃん。』

霞『そーゆーこと言わない。』

水仙『ま。俺はどっちが勝っても大満足だぜ。』

霞『僕も。』

赤嶋『なんだお前ら。気づいてたのかよ。』

水仙『当たり前じゃん。』

霞『みんな驚かないんだね。』

赤嶋『まあいずれどこかでやって来るやつだと思ってたけどよ。まさか無名の邦南に居たとはな。』

水仙『あいつがあのまま野球から手を離すとは思ってなかったし、案外想定内かな。』

霞『やっぱ、ヒロくんらしいね。こーゆーやり方。』

赤嶋『だな。』

水仙『S・7復活ってか。』


霞『キャプテンにも連絡しておく?』

赤嶋『やめておけ。アイツは色々とめんどくさい男だ。』

水仙『アイツならもう知ってんじゃね?』

霞『まあ一応、南阪のキャプテンだったやつだし、一応連絡しとくわ。』


水仙『やっぱ勇翔は気遣いが半端ねえな。』


霞『違うよ。みんなが自由すぎるんだよ。ドラゴンにもあとで個人的に連絡しとく。』


赤嶋『いいのか?ドラゴンにヒロの話をして。ドラゴン、ヒロのこと大っ嫌いだぞ。』

霞『まあ一応連絡だよ。元チームメートなのに嫌いだとか、許さないから。』



赤嶋『いいやつ過ぎる…。泣けるよ…。勇翔…。』

霞『はいはい。どーもありがとう。』





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