No.101:私立享神高校
神郷 太
『余語くーん。余語くーん。』
余語 隼輝
『どうした?太?』
神郷『お腹減ったよー。』
余語『ならさっさと食え。』
桜沢『余語。俺もお菓子くっていいか?』
余語『お前はダメだ。神郷とお前は違う。』
桜沢『ちぇっ。キャプテンけちー。』
余語『しょうがないだろ。神郷なんだから。』
桜沢『神郷、最近さらに太ったよな。』
藤野『今大会中に既に体重が6キロ増えてますよ。神郷くん。』
余語『さすがマネージャー。そーゆーところまで調べてあるんだな。』
藤野『余語くんは相変わらずの最高のボディケアをキープしてますね。』
余語『だろ。』
勾城 秀哉
『哲都と…拓磨か…。まさかあいつらとやることになるなんてな…。』
野海 大輝
『なに畏まった顔してんだよ。秀哉。』
勾城『ああ。ちょっと昔のこと思い出しててな…。』
野海『そーいえば旧友がいるんだってな。邦南に。どうよ?そいつら?ちょっと情報教えてくれね?』
勾城『ごめん。言えない。』
野海『なんで?』
勾城『俺はあいつら…いや、名古屋東ブラックシャークのチームメート全員に、申し訳ないことをしてしまった。だからこれ以上裏切るような行為はしたくないんだ。』
野海『ふ~ん。なんかよくわかんないけどいいや。1年生で享神のスタメンに名を連ねる者同士、気合い入れていこうな。』
勾城『ああ。絶対勝つぞ。』
(悪いな…哲都…拓磨…。)
余語『堂金。今日の調子はどうだ?』
堂金 竜星
『別に。いつも通りですよ。』
余語『春の大会に出ていないお前にとって初めての決勝だろ?ちょっとぐらい緊張したらどうなんだ?』
堂金『決勝戦が初めて?笑わせないでください。自分は野球をやってきて一度も負け投手になったことがないんです。必然的に決勝の舞台なんて沢山踏むことになるんですよ。』
余語『たいした自信だな。相手は小木曽から12点取った相手だぞ?その前の名林戦も下村健太、長岡剛から二桁得点を記録している。強打の相手だが?』
堂金『なんども言わせないでください。怒りますよ。』
余語『はいはい。今日も頼んだぜ。』
堂金『はい。とりあえず甲子園行きましょう。こんなところ通過点にすぎません。』
北峰 丞
『今坂監督から今お話があった。隼輝と堂金に伝えてくれとさ。』
余語『なんだ?』
北峰『今日の先発も俺だとさ。堂金はリリーフだって。』
余語『なぜだ?』
北峰『知らん。』
余語『監督はまだか?』
北峰『さあな。俺も今日は堂金がいいと思うが。』
余語『堂金は全試合リリーフ登板か。まあいつも通りでいくか…。』
北峰『とりあえず3イニングだとよ。』
余語『わかった。』
堂金『…。』