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次の目標(夢)と、立ちはだかる絶対王者

逆転サヨナラ勝ちの興奮が冷めやらぬ、雑然とした部室。

勝利の立役者である四番のクエットは、周囲の歓喜とは無関係に、バットを彫刻刀のように削りながら「芸術は、常に未完成であり、故に記録を更新する」と呟いた。センターのトゥアンは、勝利よりも自分の最終ベースランニングのラップタイムが乱れたことに不満を漏らし、一塁手のラムは、観客が残した肉まんの包み紙の残骸を真剣な表情で捜索していた。そして、ライトの**ハ―**は、歓喜の輪の中で一際幸せそうに熟睡し続けている。

校長は、強豪アン・カン高校を打ち破ったという事実に驚愕しつつも、野球部の存続を正式に認めた。会計管理者であるマイは、データパッドで「勝率100\%」の文字を見て、初めて微かな笑みを浮かべた。「廃部確率はゼロ。これで予算も確保できるわ。これ以上、非効率なことはしないわよ。」

しかし、監督兼キャッチャーのナムは、次の目標を明確に見据えていた。「廃部を免れただけでは、意味がない。」

ナムは部員たちを見渡した。「我々の目標は、この地域の高校野球トーナメントに出場し、優勝することだ。最終的に、全国の頂点を目指す。」

その言葉に、部室は静まり返った。マイは即座にデータを出した。「無謀よ!トーナメントで優勝するには、最低でも5試合、勝ち抜く必要があるわ。その全てで勝率$0.0001%$の奇跡を起こす必要があるの!」

ナムは笑った。「我々のカオスは、強豪校にとって最も恐ろしい毒だ。通常の練習では対策できない。私たちは、彼らの常識とデータを根底から破壊する。常識とは、彼らの安心材料だ。」彼はエースのフォンに言った。「君の予測不能な暴投こそが、最強の武器となる。」

その時、部室のテレビで高校野球のニュースが流れた。画面には、完璧なユニフォームと規律で知られる絶対王者、バク・コア高校の姿があった。彼らは、常にデータと基本に忠実な、完璧な野球を実践する。エラーは一つもない。全てが計算通りに進む。

彼らのエース、チャン・ミンは、制球力と変化球の精度において、マイのデータでも$100%$に近い評価を得ていた。彼は、一分の隙も、一粒の無駄もない、完成された芸術品のような投手だった。

ナムはテレビを指さした。「我々が、いつか必ず対戦するのは、彼らのようなチームだ。完璧な規律と技術を持つバク・コア高校。彼らは、私たちのようなカオスを最も軽蔑するだろう。」

マイはデータパッドを握りしめた。「バク・コアとの対戦勝率…ゼロよ。統計学的に、これは理論的にありえない組み合わせだわ!」

ナムは決意を新たにした。「ならば、我々はその不可能を証明する。準備はいいか、変人たちよ。これは、ただの野球部のサバイバルではない。常識と非常識の戦いだ。我々の『カオス野球』の第二章が、今、始まるぞ!」

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