表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/3

プロローグ 始まりは荒野

不快に思われるかもしれない表現があります。

ご理解の上読んで下さると嬉しいです。

どうしてこんな事に。

私は荒れた戦地を当てもなく歩きながら考えていた。

気ままなフリーター生活をして適度に課金をし、推しを愛でる生活をしていただけなのに・・・気付いたら日本とは遠く掛け離れた場所に居る。

ここはどこなんだろう、のどかわいたな、そろそろおしのいべんとがはじまるってこうしきが────

果ての見えない荒野に思わず現実逃避を始めてしまうのも、仕方ないと思って欲しい。



仕事が終わってご飯を買い、次のイベントに思いを馳せて自宅に向かっていると気が付いたら荒野だった。

自分でも何を言っているのか分からないけど荒れた土地、立ち上る黒煙、遠くから聞こえる剣戟の音、耳を塞ぎたくなるような悲鳴は妄想なんかじゃない。


なにが、おきたの???

大混乱する私。止まない剣戟と悲鳴。

・・・とりあえず進もうと思ってしまったのは現実逃避も入っていたのだろうと今は思う。

とぼとぼと歩きながら何となく視界に入ってきたのは荒野に突如現れた小さな山。

何だろうと好奇心に負けて近付き秒で後悔した。



死体の山じゃねぇか!!!!!



現実味が無さすぎて吐き気すらわかない。

薄情なのかなー私、と言うぼんやりとした思考になった私に聞こえてきたのは足音。


やべぇ、殺される。

咄嗟にそう思い何故だか目の前の死体の山に隠れる事にした。

我ながらなかなかサイコパスじみた思考だったと思う。

わざわざ死体の山漁る人なんて居ないよな、なんて。

素足の人が多く見えた気がしたから急いで靴と靴下を脱いで抱え込み死体の山の中央部を目指す。

見付かったら一巻の終わりな気がする。何も分からない所で殺されるのは嫌だ!!!


靴と靴下を抱きしめるように死体の中で丸くなって息を潜める。

心臓の音が体の外にも聞こえてしまうんじゃないかと思うくらいにはやかましい。

早く立ち去ってくれと願っていたら足音が近くで止まった。


違う!そうじゃない帰れ!!!!

私の願いも虚しく足音の主たちの声が聞こえてきた。


「おー?人の気配がしたんだが気のせいかぁ?」

「ヒャハハ!気のせいに決まってんだろ!!

この辺の住民は全員狩り尽くしたんだからなぁ!」


わたしはしたい、わたしはしたいと心の中で繰り返してたけど会話を聞いて凍りついた。

あのままだったら殺されてたのね私???

どうやら死体の山に隠れると言うキチガイじみた行動は最適解だった、と・・・。

思わず遠くを見つめた。ここ死体しかないけど。


「バッカだなぁ!!生きてる奴なんている訳ねーだろ!」


現実逃避をしてるとそんな言葉と共に誰かの腕が突っ込まれた。死体の山に。


嘘だろ??????もうちょっと熟慮しよ??????????


宇宙猫顔になる私をよそに腕は突っ込まれたままだ。

何なら少し見えたぞ。これはやばい気がする。


無意識に息を止めていたらしい。

「ほーらお前の気のせいだって!」

この一言で呪縛が解けた気がする。

でもまだ油断は出来ない。


足音の主たちの声が聞こえなくなり、そいつらの声が聞こえなくなっても私は動く事が出来なかった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ