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世界は荒野でできている  作者: 立夏 よう
3/41

美冬 1

母が唐突に朝食の席で言いだした。

坂下家の朝食は早い。家族が顔を合わせるのは朝食だけだからということで、

朝の6時過ぎにはみんなでリビングのテーブルを囲むことになってる。


「おいおい、それ言って大丈夫なやつだったか?」

父が口を挟む。うちの両親はマスコミ。


母は地方紙の記者で、父はさらにローカルなミニコミ誌の記者。

もともとは同僚だったけど父はわたしが小さい頃転職したと聞いたことがある。


「このくらいなら大丈夫。どうせもっとひどい噂駆け巡ってるわよ」


もっとひどい噂?ってか誰亡くなったのは!


「その話初耳。誰?」


「伊東美緒。24歳。講師。昨日の夜に葵高校の屋上から転落死。

事件性の有無についてはまだ捜査中。

わかってるのはこれくらいだけど現場が学校だし、

生徒たちの中では尾ひれつきまくってるんじゃない?LINE見てみたら?」


こういうところが母の怖さ。

母はもしかしてわたしを情報源とでも思ってるんだろうかと疑いたくなる。


「あなたそもそも新聞部よね?さっさと情報集めとときなさいよ」


これだよ。うちは朝だけは豪華なんだけど、肉じゃが、きんぴら、いろいろ出されても、食欲なくなる…

言われて開くのも癪なんだけど実際気になるので開く。

確かに情報早い人は深夜に送信してる人もいる。

でも並んでるのはそうらしいとかなんとか曖昧な噂どまり。

右往左往って感じの内容ばかりで誰もたいして詳しいこと知らないみたい。

高校生の情報網よりマスコミのほうが確実だって。


「みんなたいして情報もってないよ。でも、事故なのかな。自殺?なんで学校で」


「そこよそこ。まあいろいろありそうよ」

母はなんだか思わせぶりな言い方をしておいて肉じゃがをぱくついている。不快。


朝のルーティンいろいろ済ませてると通知音が鳴る。

悠からだ。続いて恵梨香からも。


「何か知ってる?伊東先生のことだけど」

「知らない、今見てびっくり。何があったんだろう?事故?」


「今の所、事件性があるかどうかはまだみたい」

そう送って、とりあえず学校に向かう。

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