表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
歴史小説のためのノートブック  作者: 久志木梓
舞台の時代・地域について
1/24

時代のあらまし

三世紀後半の中国を題材に歴史小説を書いています。


この時期の中国には西晋(せいしん)と呼ばれる王朝が存在しました。


西晋(せいしん)三国志(さんごくし)で有名な三国時代(さんごくじだい)の、次の時代にあたります。




西晋(せいしん)三国時代(さんごくじだい)()三国志(さんごくし)に出てくる曹操(そうそう)の息子、曹丕(そうひ)が建てた王朝)に仕えた司馬懿(しばい)にはじまります。


司馬懿(しばい)はクーデターによって()の実権を掌握し、司馬懿(しばい)の息子の司馬師(しばし)司馬師(しばし)の弟の司馬昭(しばしょう)の代には劉備(りゅうび)の建てた(しょく)を併合します。


そして司馬昭(しばしょう)の息子の司馬炎(しばえん)()の皇帝に代わって皇帝となり、(しん)(のちに建てられる(しん)と区別するために、西晋(せいしん)と呼ばれます)が建てられました。


司馬炎(しばえん)孫権(そんけん)の建てた()も併合し、百年ぶりに中華を統一します。




黄巾(こうきん)(らん)以来の平和は、しかし薄氷(はくひょう)の上にありました。


初代皇帝・司馬炎(しばえん)の息子である二代皇帝・司馬衷(しばちゅう)が即位してまもなく、クーデターが起こります。


司馬衷(しばちゅう)の皇后である賈南風(かなんぷう)が権力を握るために、初代皇帝・司馬炎(しばえん)から政治を託されていた皇太后の派閥と、皇族の最長老の派閥とを謀殺したのです。


その結果、もくろみ通り皇后・賈南風(かなんぷう)たちが実権を持ちます。


皇后・賈南風(かなんぷう)の時代は謀略が渦巻きながらも、家臣たちによって支えられ大きな戦禍(せんか)が起こることはなく、平和はかろうじて維持されました。




平和が崩れるきっかけは、皇后・賈南風(かなんぷう)による皇太子の幽閉でした。


ついに賈南風(かなんぷう)を許せなくなった人々が、大きな兵力を持つ皇族、趙王(ちょうおう)司馬倫(しばりん)に皇后・賈南風(かなんぷう)を排除する謀に協力するよう依頼します。


野心家の趙王(ちょうおう)司馬倫(しばりん)は、ただ皇后・賈南風(かなんぷう)を排除するだけでなく、自分が権力を牛耳れるよう画策しました。


その謀略により、皇后・賈南風(かなんぷう)が皇太子を殺害したあとに賈南風(かなんぷう)を殺害し、趙王(ちょうおう)司馬倫(しばりん)は自分が皇帝に即位します。


これを許せないほかの皇族たちが趙王(ちょうおう)司馬倫(しばりん)を討伐するため挙兵しました。


宮中の水面下での謀略合戦は、ついに兵と兵の交戦、内戦へと発展していきました。




この皇族同士の内戦は、七年近くかかって終結します。


和平や合意による終結ではなく、大きな兵力を持つ皇族が最後の一人になるまで続いた、泥沼の戦いでした。




その頃には、王朝自体の寿命がやって来ていました。


当時、西晋(せいしん)の国土のなかには、たくさんの漢民族(かんみんぞく)ではない人々が住んでいました。


彼ら非漢民族(ひかんみんぞく)の人々は、支配者である漢民族(かんみんぞく)(しん)王朝に対してさまざまな不満を抱えており、各地で摩擦(まさつ)が生じていました。


終わらない内戦にも駆り出されて我慢の限界が来た彼らは、(しん)に対して反乱を起こします。




内戦で疲弊(ひへい)した(しん)に反乱を抑える力はもう残されていませんでした。


非漢民族(ひかんみんぞく)の人々はついに(しん)の支配者たちを長江(ちょうこう)の南側・江南(こうなん)へと追放。西晋(せいしん)は滅亡します。


しかし、それまで政治に参加することができないでいた非漢民族(ひかんみんぞく)の人々に、安定した政権を運営することは非常に困難でした。長江(ちょうこう)の北側・華北(かほく)では、短命な国々が建てられてはすぐ滅ぶことをくりかえします。


一方、江南(こうなん)では(しん)の皇族の生き残りが新しく皇帝に即位し、ときには反乱に悩まされながらも、なお百年存続しました。




そういう時代・地域を舞台に小説を書いています。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ