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サリーちゃんは席替えを望まない

 覗き穴作戦失敗から早数日、奴との関係性はあいも変わらず隣人止まりだ。

 こうなれば、廊下の曲がり角でバッタリぶつかっちゃう作戦♪をするしかなさそうだ。

 極力人間の男に触れたくはないが、屈辱された悪魔のプライドをいつまでも放置させるわけにいかんし、やるっきゃな


「えぇー予定通り、席替えをやりまーす」


 ……ん?今、あの女教師、なんて言った?

 予定通り?席替えをやりまーす?はぁ?

 何私の許可なく、勝手に席替えを強行する気なんだ?

 悪魔パワーで淫魔にしてやろうか?おぉ?


 生徒連中は、私の隣接する席になれるチャンスだと、猿みたいにキャッキャ騒ぎまくってる。野生に帰って御山の大将でもやってろ。


 クソ……新田成幸を虜にする機会を奪うなんぞ、許されるはずがない!

 断固として異議を唱える!


「くじ引きを用意するんで、誰か数人手伝って下さーい」


 ハッ!私がくじ引きを操作すればいいじゃないか!

 ふっふっふ……愚かな女教師め、貴様は何もせず指を咥えておけ。


「先生、私手伝います」

「ととと尊木しゃん! はわわ~先生嬉しいですぅ~あ、ついでに隣の新田君も一緒に手伝って下さいね」


 マジか、この女教師……分かってるじゃないか。

 奴と1on1でくじ引き作りは、まさに絶好の機会だ。

 流石に奴も会話の一つや二つ交えて作業しないと、殺気帯びた周囲の目が、本物の殺意になり兼ねんから、観念する筈だ。

 絶好の機会を設けた女教師には、悪魔パワーでとびっきりのイケメンと出会わせてやるか。


 さぁ!そうと決まれば、新田成幸と席をくっつけて、くじ引き作


「あ。昨日の夜に先生、くじ引きを作ってたんでした~尊木しゃん、新田君、ごめんなさいね~?」


 よし、あのアマは淫魔に変えよう。そして、三大カスの男とくっつけてやる!

 マジふざけんなよ!せっかくのチャンスを奪いやがって!


 ♢♢♢♢


 出席番号順に引くのもあって、小細工は一切出来なかったぞ。

 一番手の新田成幸は窓際だが、隣席は続々に決まってやがる。

 ろくでもねぇな席替えってヤツはよぉ!

 せめて、ヤツの視界に入る席を引き当てたいもんだが、不幸にも視界にも距離的にも一番離れた席になった。

 私の運要素低ない?なぁ?


 ここで女教師に反発しようものなら、尊い私が白い目で見られるに違いない。

 今は大人しく従って、どうにかこうにか席を操作しないとな。


 さて、隣の席は誰になってもどうでもいいが、いつもの通り尊いご尊顔で挨拶してやるか。


「隣席になりましたね♪ よろしくお願いしますね♪」

「ハァハァ……よ、よろしくお願いします……ハァハァ……」


 ここまで変態を隠せてない女は初めて見たぞ。

 しかもお前、ど真面目な委員長だろ?やべぇな、おい。


「先生! サリー様に欲情する不届き者を見過ごせません!」


 おぉ!ナイスだ、モブ女子!

 このまま流れで席替えのやり直しをしろ!そうすれば、今度こそくじ引きを操作してやる!

 さぁ女教師!尊い私の為に動け!働け!


「き、気持ちは分かるけど……あ、そうだ! 先生が今から、尊木しゃんの再くじ引きをすればいいんじゃない? これなら公平でしょ?」

「「「「おぉおお!」」」」


 おい、待てクソ女。

 てめぇのくじ運次第で、私の席が決定するってのか?

 全てが私の思い描くストーリーになるんだろ?

 こ、こんなのは屈辱だぁあああ!


 ♢♢♢♢


 尊い私の運命は……こうなった。


「また隣になれましたね♪」

「……」


 ふっ……知ってるか新田成幸……沈黙はな……ハイかノーだと、ハイになんだよ!

 私が隣席になって嬉しいんだろ?今すぐにでも舞い上がって、虜になりたいんだろ?


 だから、いい加減に素直になれよぉおおお!


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