サリーちゃんが深夜コンビニに来るなんて信じられない新田成幸
さーてさて、今日は少年マッハの発売日♪
深夜のコンビニで一足先に楽しんじゃうぞ♪
店員さんも何も言ってこないし、他の客も滅多に来ない、マジ立ち読みし放題!
ピロリロリン♪ピロリロリン♪
と思ったら、他の客も……あ。
「オイコラぁテメェ! テメェんとこぉの、唐揚げぇにぃ! Gが入ってたじゃねぇかぁ! おぉおん!?」
「た、大変申し訳ありませんでした!」
「お客様はぁ神様ぁだろうがぁ! クッチャクッチャ……」
うわ……絶対関わりたくない人間代表例その1だ……。
週3で理不尽なクレームを言ってきて、見返りを貰うヤベェ奴。
前に勇気あるおっさんが一度止めに掛かったけど、人目のつかない場所でボコボコにされてるのが目撃されたんだよな。
悪い噂しか聞かない、本当のヤベェ奴だから、少年マッハは別の時間帯に……あ、あれ?
あの尊い美少女は、サリーさんでは?
ちょ、ちょっと待って!奴にチョンチョン触れちゃってるよ!?
ばっちいし危ないから、今すぐ逃げてぇ!
「もしもしお兄さん? 喧嘩はダメですよ?」
「あぁん……ハィ。モウシマセン。テンインサン、コノオロカナワタクシメ、ドウカオユルシクダサイ」
え。
あ、アイツが素直に店員さんへ謝罪してるだと?
そのままサリーさんとコンビニを出て、アイツは戻らず、サリーさんが再入店。
か、神業すぎるぞ!サリーさん!
あ、目が合った。
うわああああ!?こっち来たぁああ!?
「あれ? 新田君! 偶然ですね♪」
「……あす」
気の利いた言葉なんて出ないし!
てか、私服エロすぎん?!神聖な動画鑑賞より凄いんですけど!?
絶対深夜に1人で出歩いちゃダメだって!
人間の異性に特別な感情は抱いちゃダメだけど、送り届けるならいい筈だ!
「送る……から」
「あ、はい♪ お願いします♪」
ふ、ふぅ……断られでもしたら、警察に送り届けて貰うしかなかったぞ。
♢♢♢♢
サリーさんが隣で歩いてる。
サリーさんがお乳を揺らして歩いてる。
サリーさんが微笑みながらこっちをジーッと見て歩いてる。
ナニコレ、絶対サリーさんの方見れないじゃん!
そうだ!少年マッハの硬派な人気キャラが、寡黙こそ男だ!ってさっき読んだばかりだ!
俺も真似て、アパートまで5分間、貫き通すべし!
♢♢♢♢
良かった!特に何も起きることなくアパート前まで来れた!
サリーさんも一安心だろうから、俺も部屋に戻ろうっと。
「……あえ」
バタン
……ん?今、サリーさん、何か言ってなかったかな?
まぁ、気のせいだな。