表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
14/36

サリーちゃん以外の女子に初めて話し掛けられる新田成幸

 今日もサリーさんASMRを不貞寝で盗み聞きする、変わらぬハイスクールライフ。


 昨日まで傘渡しの件を引き摺ってた訳で、マイルームで猛省してましたよ。

 でもさ、サリーさんから何も言われないから、セーフだって判断に行きつきまして、今日を持ちましてセルフ猛省終了させて頂きました。


「新田君」


 え、誰か俺の名前を呼んだ?唯一孤独と友達の俺に?

 しかも女子だ……えっと……だ、誰だっけ……マジで……。

 同じクラスの子じゃないし、名前すら分からん!


「これ、この間片付け手伝ってくれたお礼」


 片付けを手伝ったお礼……どうしよう、一切覚えがないのだが?!

 え?え?え?


 これは陰キャ生徒をターゲットにした、陽キャの思わせぶりな態度をとられ、気があるんじゃないかと勘違いさせられ、行く行くは告白させて盛大に振られ、全て陽キャのお遊びだったとバラされ、隠キャを笑い者にするアレでは!


 いくら馬鹿な俺でも、流石に察しが付きますっての!

 そもそもアンタの背後から、殺意の波動が隠し切れてねぇからな!


 いいか名も知らず女子よ!

 コミュ障があんなら、コミュニケーション中毒だってあんだろうがって話だ!

 このパーソナルスペースにズカズカ土足で入り込む、パリピ陽キャめ!


 でも、有り難く頂けるもんは頂きますけどね!


「……ん」

「じゃ、また」


 出来る事なら金輪際、関わらないで頂けたら嬉しゅうございますが、廊下ですれ違ったら挨拶されそうで怖いわ。

 てか、殺意の波動の忘れ物に気付いてるのかね?


 今からでも間に合うから、早く拾いに戻って来なさい!


 ♢♢♢♢


 昼休み、いそいそぼっち飯スポットの中庭の物陰で、コンビニ惣菜パンを美味しく頂くのが、俺のルーティンだ。

 皆で食べた方が美味しい、なーんて説を唱えた奴は、それだけしか知らないから、そうしか言えないんだと俺は思ってる。


 普通に1人で好きな事しながら食うのって、美味いんだからな!

 誰にも届かない心の声も、もう慣れちまったな、ふっ……。


 さて、メインディッシュも3分で食っちまったし、肝心の貰ったもんを確認してみるか。


 モソゴソ……これは……激辛酸っぱ渋苦ポリッツ……。

 や、やっぱり俺、あの女子に目付けられたんだぁぁああああ!


 お前みたいな陰キャぼっちは、これでも食って体調壊して、そのまま不登校になれって言ってるんだぁああ!


 勿論ポリッツ本体は開封することも無く、マイルームの封印ボックスに封じ込めたとさ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ