死の淵からの帰還
ダリア・ランタァナ・ジュリエッタ、私達の敵。
ホークアイを苦しめた、敵。
ドクダミちゃんを襲った、敵。
レイシーちゃんに傷を負わせた、敵。
そして、この私を、自殺させようとした……。
あまつさえ、それで、モリー様に大けがを負わせた、敵。
あの生意気で不遜で無礼者で……憎きモルドの、敵。
燃え盛る木の中から、奴が飛び出したとき、私は一切の慈悲の心を持たなかった。
冷酷に確かに、奴を死に至らしめんと刀を抜いた。
油断はなかった……と言えばうそになる。
だって私は見ていたからだ。
奴の首をはねるときに、首元から黒い霧が漏れたのを……。
奴の口元に微かに霧が残っていたのを……私は見ていた。
私はダリア・ランタァナ・ジュリエッタにとどめを刺した。
頭と体を泣き別れにさせ、胴体と下腹部も……つながってるところは全部ばらした。
勝った。
そう思った。
完全に油断していた。
だから、奴の最後の一撃は……躱せなかった。
私は奴の最後の攻撃を咄嗟に躱そうと後ろに飛んだ。
だけど、間に合わない!
そう思った時、目の前にモリー様が飛び込んできた。
結果、モリー様は奴の毒ガスを喰らい……私はなんにもできずに地面に倒れた。
ダリア・ランタァナ・ジュリエッタの下腹部は地面に落ちて丸まった。
胴体部分も、足をばたばたと痙攣させてたと思うと、すぐに動かなくなった。
頭部も胴体同様、少しもがいたかと思うと動かなくなった。
私は地面に倒れてしまって、慌てて体を起こした。
起きた先、目の前には……モリー様が地面に倒れこんでいた。
「モリー様……?」
私はしりもちをついたような体勢のままモリー様に声をかけた。
モリー様はピクリとも動かない。
周囲には木々が燃える音だけがしていた。
けど、ほとんど耳に入らなかった。
うるさいはずなのに、恐ろしく静かだった。
誰も何の言葉も発さず、ただモリー様を見ていた。
沈黙は続いた。
誰も何も言おうともしない。
聞こえるのは、私の心臓の鼓動だけ。
どくんどくんと、体の中から響くその音が私の不安を駆り立てた。
私は立ち上がることもできずに、ただモリー様の背中を見ていた。
すごい長い時間のように思ったけど、実際は一瞬だったと思う。
その沈黙を破ったのは……何かが爆ぜる音だった。
ばちんという音に反応して、そっちを見てみると、枝が炎に焼かれて折れていた。
「まずい!」
ホークさんが叫んだ。
「この木がどこから来たかは分からないが、奴の魔力が切れる前に火を消さないと!」
ホークさんは燃えてる木に手を掲げた。
「こいつらが元に戻るまでに、消火できるだけ消火しないと!延焼してしまう」
そう言って、ホークさんは火を吸い取っていたけど、火の勢いは全然衰えていなかった。
私も手伝わなきゃ!
そう思った時、私の体を大きな人影がすっぽりと包んだ。
顔を上げると、いつの間にか私の目の前にモリー様が立っていた。
「あっ、モリー……」
無事だったんですね?と言おうとしたけど……モリー様の顔が明らかに無事じゃない感じだった。
モリー様は両目の焦点が完全にあっていなかった。
口からはよだれが垂れており、両手をだらんと力なく垂らしていた。
「どう見ても、まともじゃない!」
「イヅナちゃん!」
レイシーちゃんが叫んだ。
その声にモリー様が反応した。
びくりと体を震わせると……モリー様は私の前で跪いた。
あっ!私、めちゃくちゃにされちゃう!
私はそう思った。
「モリー様!正気に戻ってください!私がかわいいのは分かりますけど!おちついてください!」
私は叫んだ。
でも、モリー様はそんなの全く意に介さずに私に覆いかぶさるように両手を地面についた。
そうして、私は完全に地面に押し倒された形になった。
モリー様の大きな顔が目の前に……。
私は動けずにいた。
だってその時のモリー様の顔は……どうよく見積もっても……って顔だった。
「待ってください……モリー様になら、わたしはぁ……!」
モリー様の顔がどんどんどんどん私に迫って来た。
あっ……くる!
「せ、せめて、優しく……おねがいしますぅぅぅ!」
私は覚悟を決めて目をつぶった。
ガン!という音が顔の横でした。
えっと思って目を開けると、モリー様が地面に頭を打ち付けてた。
「うっ、うああ……ああ」
「も……モリー様?」
モリー様はなにかうめき声をあげると、頭を振り上げて再び頭を地面に打ち付けた。
「あかん!」
レイシーちゃんが叫びながら、こっちに走り寄って来た。
「うあああ!うあああ!」
モリー様は、何度も何度も頭を地面に打ち付けていた。
自暴自棄になっているモリー様を、レイシーちゃんが後ろから羽交い絞めにした。
「しょ、正気に戻ってぇ~!」
「ぐううあああ!」
レイシーちゃんはモリー様の両肩をがっちりつかんで、持ちあげた。
モリー様は両手をじたばたさせていた。
「と、とりあえず、イヅナちゃん!今のうちに逃げて!」
「え?う、うん!」
私はレイシーちゃんに言われるがままモリー様の下から抜け出した。
「おれはぁ~!おれはぁ~!」
「なんか言ってる!」
「なんなんやぁ~!」
「違う!ここじゃない!俺の場所は~!」
モリー様はうわごとのように何かを言っていた。
まるで、嫌な悪夢にうなされてるみたいだった。
「モリー様!あなたの場所はここですよ!」
「そうやで!」
「おれはできる!ここじゃないどこかならぁ~!」
「そんなことないですよ!ここよりいいとこなんてないですよ!」
「こんな美少女といれるのさいこうでしょ!」
「おれはぁ~!」
モリー様はそう言うと、レイシーちゃんを振り払った。
「あかん……!」
レイシーちゃんは慌てて体勢を立て直してすぐにモリー様を抑えた。
だけど、レイシーちゃんは見るからに苦しそうだった。
「あかん……おなかが減って力がぁ……」
レイシーちゃんのお腹が大きくなった。
「こ、これどうすればいいの?!」
「わからへん!」
「私の時はどうだったの?!」
「わからへん!なんか急にびりっとなってふっ飛んでた!」
「ええ?!なにそれ!」
「うおおおお~!」
私はまだ混乱していた。
けど、やるしかない!
「わ、わかった。とりあえずやってみる!」
私は残りの魔力を手に集めた。
そしてモリー様のうごうごしている上半身に向かって思いっきり電気を放った。
「うぐっう!」
モリー様は電撃を喰らって呻いた。
だけど、動きが一瞬止まっただけで、効果はあんまりなかった。
モリー様は依然パワフルに頭を地面に打ち付けようともがいていた。
「なんてパワフルなんや~!」
「これが、奴の毒の力……なの?!」
「ど……きゅぅ……」
「そうやで!」
私達は頭を切り替える為に、敢えてどうでもいい会話をした。
「毒すごすぎる!」
「しゅご……」
「うおおおお!そうやでぇ~!毒図鑑みたいなん家で見たことあるわ~!」
「そんなのあるんだね!」
「ドクダミちゃんが好きでな~!キノコの毒もすごいんやでぇ~!」
「キノコ!」
私達のどうでもいい会話に反応して、ドクダミちゃんが目を覚ました。
起きたドクダミちゃんは、口をぽかんと開けてボーとしていた。
「ドクダミちゃん!」
「ボーとしてる暇無いでぇ!」
私達の声に反応してドクダミちゃんがこっちを見た。
「え……?」
そして、暴走するモリー様とそれを止める私達を見て、若干引いていた。
「な……なにしてるの?どうなってるの?」
ドクダミちゃんが混乱した様子で、周囲をきょろきょろ見回した。
「す……すごいことになってる!」
ドクダミちゃんは自分を囲む地獄みたいな光景をみて狼狽えていた。
「とりあえず……助けて!」
「私達もう限界やぁ~!」
「あ、あ、ああ……う……うん!」
ドクダミちゃんは頭を振って、ほっぺたを叩いた。
そして、よしっ!と、気合を入れると……立ち上がった。
ドクダミちゃんが、手に水を集め始めた。
その水はどんどんどんどん色が変わっていった。
でも、なんだか……いつもと色が違う……。
濃い紫色じゃなく、それは薄い淀んだ青い色をしていた。
「とりあえず……眠らせるよ!」
ドクダミちゃんはそう言うと、その水を触手状に変化させ……。
「せい!」
それを手から放つと、暴れているモリー様の口に直接それを放り込んだ。
「うごごごごおおお」
モリー様の中に濁流のように水が流れ込んだ。
モリー様はそれを全部飲み込むと、雄たけびを上げた。
「うおおおおお!」
そしてモリー様は糸が切れたみたいにゆっくりと、地面に倒れた。
「……たすかった?」
「うん、みたい」
私達は顔を見合わせると、笑った。
「よかったー!」
私達は感極まって抱きついた。
その瞬間、真横の木が音を立てて崩れた。
「まずい!」
私は周囲を見る。
ホークさん達は消火に全力を尽くしているけど、でも全然だめそうだった。
「ドクダミちゃん!」
レイシーちゃんが叫んだ。
「う、うん!」
ドクダミちゃんはレイシーちゃんの言葉を聞いて、姿勢を正した。
ドクダミちゃんはパンっと手を合わせると、両手に魔力を集めた。
「風陣形成」
ドクダミちゃんが魔法の詠唱を始めた。
「杖法錬気」
ドクダミちゃんの両手に緑の光が宿り杖の形になった。
「風魔法、トルネード・ボール!」
ドクダミちゃんが手を掲げると、杖がさらに変形し、緑色の光る球ができていた。
その緑色の球が強く輝いたかと思うと、風がそこに集まり始めた。
風はだんだん強くなり、そして周囲の火を吸い込み始めた。
「こ……これは?!」
ホークさんが目を丸くしていた。
私達も驚いていた。
「ドクダミちゃん……すごい……」
周囲を包んでいた業火はみるみるドクダミちゃんの手に集まった。
ほとんどの火を集めきった時、ドクダミちゃんの手には巨大な火球が出来上がっていた。
「ぬぐぐぐぐ……」
ドクダミちゃんはそれを持っていた。
「大丈夫?!ドクダミちゃん!」
「す、すこし重い……かも……。だけど、頑張る!」
ドクダミちゃんはそう言うと、思いっきりそれを持ち上げた。
でもどう見ても、それは大きすぎるように見えた。
そして、何だか少しずつ……輝きが増しているように見えた。
「こ、これって……」
「まずない?!」
「ま……まずいかもぉ!」
ドクダミちゃんの手の火は……今にも爆発しそうだった。
火球は大きく輝き、ドクダミちゃんの足はカタカタと揺れていた。
「頑張って!」
「ふぬううううう!」
「ドクダミちゃん!」
レイシーちゃんはドクダミちゃんのそばに走った。
そして、ドクダミちゃんの体を支えた。
火球はだんだん宙に向かって浮き始めた。
「これ、どないするん?!」
「空の上で爆発させる!」
「爆発?!」
「う、うん!でも、もう少し力を溜めないと……」
ドクダミちゃんがそう言ってふんばった。
でも火球は残った周囲の火を吸い取って膨らんでいった。
「あかん!もう……飛ばせるだけ飛ばそう!」
「だめ……これだけを爆発させたら……助からない」
どうにかするしかないけど、もうどうにもできそうになかった。
万事休す……。
そう思った時だった。
私の傍らから火が飛んだ。
それはまっすぐ飛んで、ドクダミちゃんの体に火をつけた。
火の飛んだ方向を見てみると、モリー様が片手を上げていた。
顔をすこしだけ、ドクダミちゃんの方に向けて半分しか開いていない片目で見ていた。
そしてドクダミちゃんに火が付いたのを見ると……倒れた。
最後の力を振り絞ったんだ。
「モリー様……ありがとうございます!」
「いけんのか?ドクダミちゃん?!」
「うん!これならいける!」
ドクダミちゃんの髪の毛が輝き始めた。
「うおっ、ううんおおおおお」
ドクダミちゃんが力を込める。
火球はさらに大きくなり、そしてだんだん宙に浮き始めた。
「行きますよ!みんな伏せて!」
ドクダミちゃんの号令と共にみんながその場に伏せた。
「せーーーの!」
ドクダミちゃんは火球を思いっきり上空に放った。
火球はまっすぐ空に飛んでいった。
そして、遠くに見える山の頂上と同じくらいの高度まで到達したかと思うと……。
「みんな!目を伏せて!」
ドクダミちゃんが叫ぶと、火球は強い光を放ち……そして爆発した。
音が形になってぶつかってくるような衝撃だった。
衝撃は木々を揺らし、容赦ない熱波が私達を襲った。
ほんの一瞬だったけど、忘れられない衝撃だった。
しばらくした後、顔を上げるとそこには焼け焦げた森があった。
「助かった……」
私はもう何が何かわからなかった。
ただ、嵐のようにいろんなことが起こりすぎて……。
私はただ茫然と、空を見上げていた。
その時、急に私の真横で何かが地面に落ちた音がした。
透明なガラスが地面に落ちたような音だった。
えっ、と思って音のした方向を見てみるとそこには、赤い宝石が落ちていた。
ダリア・ランタァナ・ジュリエッタのお尻についていた、あかい宝石だ。
爆発の衝撃で……落ちたんだ。
私は……それを見て一瞬、固まった。
「え……?」
私の頭の中にいろんな考えが廻った。
「これって……もしかして……レア……」
そう思った瞬間私はそれを掴んでいた。
その赤い宝石は、持ってみるとかなりの大きさだった。
私の両手の掌に収まらないくらいの大きな宝石。
これがなんなのかは分からないけど……きっとすごいものだと思った。
これを持って帰らなきゃ!
そう思った時、周囲の森ががさがさと音を立てて、散開していった。
「あっ、これは……」
ホークさんが顔を上げた。
「終わっ……た?」
モフルさんも周囲を見た。
クリス君も地面に座り込んで、足を延ばして空を見ていた。
「やったなぁ……」
「うん……やりきったね」
レイシーちゃんとドクダミちゃんは地面に大の字になりながら空を見上げて笑っていた。
私は宝石をもってみんなを見ていた。
ただ一人、モリー様は……ピクリとも動かなかった。
「モリー様……」
私は慌ててモリー様に駆け寄った。
モリー様は力なく地面に倒れていた。
けど、息はかろうじてしているようだった。
「モリー様は?!無事?!」
「う、うん!生きてる……けど……」
「余裕はないみたい!すぐに病院へ運ばなきゃ!」
その時……悪寒が走った。
なにか……嫌な予感がした。
心がざわざわする。
私は恐る恐る背後を振り向いた。
そこには……私が切り落としたダリア・ランタァナ・ジュリエッタの下腹部があった。
その下腹部が……ざわざわと蠢いていた。
「な……なに?!」
「まさか?!」
モフルさんが叫んだ。
「ホーク君!あの子、子供がいるんだ!」
「子供?!」
私は蠢く下腹部を見た。
そこには、黒く蠢く何かが無数にいて……一心不乱に下腹部を食い荒らしていた。
「これ……全部……?」
私は恐怖した。
「だめ!逃げなきゃ!」
私が叫んだ。
「大丈夫だ」
恐怖で慌てる私にホークさんが言った。
ホークさんは矢を三本取り出しベルトのバックルに当てた。
すると、三本に火が付き……ホークさんはそれを引いた。
「じゃあな」
ホークさんが放った三本の矢はまっすぐダリア・ランタァナ・ジュリエッタの下腹部に飛んだ。
三本の矢が下腹部に突き刺さる。
そして……三本の矢は火柱を上げて炎上した。
声にならない悲鳴が聞こえる。
炎の中で無数の真っ黒な何かが苦しみ悶え……そして死んでいった。
火は燃え盛る。
下腹部を、あまたの命を燃やして、一筋の煙が天上に立ち上っていった。
「モルド……」
ホークさんはその煙を見上げて、言った。
「俺からの手向けだ。終わったよ、全部……」
ホークさんは眼鏡をはずし、空を見上げた。
その頬から、一筋の涙が流れたように見えた。
周囲を取り囲んでいた真っ黒な森はいつの間にか姿を消していた。
ただ広い道の真ん中で、私達は空を見ていた。
すると、水が放物線を描いて空を飛んできた。
その水は激しく炎上するダリア・ランタァナ・ジュリエッタの下腹部にまっすぐに落ち、鎮火した。
下腹部は炎と子供たちにより完全に崩れ、真っ黒な灰になっていた。
「大丈夫ですか?!」
聞き覚えのある声がした。
「え?!お父さん?」
ドクダミちゃんが飛び起きた。
「ドクダミ!そこにいるのですか?!」
声のする方向を見たらさっき遠くに見えた救助隊の馬車がもうそこまで来ていた。
そこには私達を案内してくれた、若い駅員さんと……ポッポおじさんが顔を覗かせていた。
おじさんは慌てて馬車を降りると、こっちに駆け寄ってきた。
そして倒れる私達や、ダリア・ランタァナ・ジュリエッタの死体、そこら辺に落ちている焼け焦げた木片を見て言った
「こ……これは?!いったい何が?」
「おじさん!それより!」
私が叫んだ。
「旦那さん!モリー様が!」
レイシーちゃんが飛び起きた。
「死んじゃう!病院に運んで!」
ドクダミちゃんがそう言うと、おじさんはあたふたしていた。
「え?も、モリーさんが?!そ、それはそうと、ドクダミ!レイシー!君たちは無事なんですね?!」
「無事です!」
私が手を上げて返事した。
「おなかすいたくらいですわ~、もう餓死しそうでぇ~」
レイシーちゃんがおなかを摩った。
そして、ドクダミちゃんが笑顔で答えた。
「大丈夫だよ。怪我もない!」
そして私達は顔を見合わせて言った。
「モリー様が守ってくれたよ!」
それを聞いたおじさんは安心したような顔をした。
「そうですか……よかった」
おじさんは私達の頭を撫でて言った。
「よく頑張りましたね」
そしておじさんは若い駅員さんに目配せした。
「モリーさんを運びます。メイス君は皆さんを馬車へ」
「了解です!」
若い駅員さんはびしっと敬礼すると、私達を馬車まで案内してくれた。
「あそこの子も、足が動かないんです」
ホークさんが若い駅員さんにそう言うと、駅員さんはクリス君の元へ駆けて行った。
ポッポおじさんが魔術を使ってモリー様を運んできた。
若い駅員さんもクリス君を抱えて、馬車に乗せた。
「みんな乗りましたね?とりあえず拠点へ帰還します。お話は、その後で!」
おじさんはそう言うと、馬車に鞭を入れた。
馬車が拠点に向かって進む。
私達は見えなくなるまで、遠ざかるダリア・ランタァナ・ジュリエッタの死体を見ていた。




