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冒険者たちと僕の居場所

縁の下の力持ちの補助術師「モリー」


いきなり冒険者PTをクビになりました。


俺はPTの荷物持ちして、補助魔法かけて、かなり役立っていたはずなんだけどな……


どうやら分かっていなかったようだ……


事実、俺が抜けた後はPTが崩壊並みに成績落としているようです。


俺は、新しいPTに拾われてかなり楽しく生活しています。


俺のPTの成績もガンガン上がり、巷の冒険者にも噂され


おかげさまで、冒険者の構成も変わりつつあるらしい。


かなり、気分がよく過ごしていた。


のだが……




居場所というものを考えることがある。


俺は本当にここにいるべきなのか?と思う。


もっと何かできるはずだと。


もっと俺を求めている人が、いるのでは?

正当に働きを評価されて、もっと活躍できるそういう場があるのではと思っている。



果てしない昔に魔王がこの地にあった。

勇者によってそれは討伐されたらしいが本当のことを知る者はいない。

ただ結果はみんな知っている。

世界のほとんどの大陸は魔王の断末魔の呪いにより毒の瘴気に侵され、人類が生存できる地はこの世界には一国しか残らなかった。



勇者の生まれ育った土地、「クレッド王国」。

クレッドは世界を救った勇者の名前で、この国の本当の名前は誰も知らない。

それ以外の大陸は瘴気に覆われた。


瘴気に侵された土地は魔界と言われ、そこに何があるのか?どうなっているのか?それを人類に知るすべはなかった。


2、300年ほど昔にその瘴気が突如として、消え去る。

なぜ?原因は?それは、魔王の呪いからの解放なのか?魔王の復活を意味するのか?

人類には憶測することしかできない。

真実なんてのは、夢のまた夢。

魔王なる何かしらの事象の復活ならば、それにより人類にいかなる厄災が降りかかるのか……

人類はいつか来るかもしれないその日を恐れた。

この世界の理が、確かにあった日常が何の前触れもなく消え去ったのだ。



長年の毒に蝕まれ、どのような変容をしているのかも分からない地。

何がいるのか?何があるのか?その地で生きることは可能なのか?

あまりにも多くの危険、不安、安寧とは真逆の未知の大地。


未知である事は恐怖である。

しかし人類は恐怖におののき何もしないほど弱くはなかった。

人類は彼の地に希望を、人類の可能性があることを信じた。


そうして人類は魔界に渡り、数々の成果と、そして敵に出会った。

魔界の開拓がはじまり、百年が経ち、いつしかその地に向かうものは「冒険者」と呼ばれた。


そして、今現在、「冒険者」は数々の分類に別れ、プロフェッショナルとして仕事をしている。



「モリーさん?何呆けているの?」

はっとして顔を上げると不機嫌そうな顔をした魔法使いの顔がそこにあった。

「ちょっと疲れてて。すまない」

ははっと笑い、軽く頭を下げる。

「それで、何かあったのか」

「何じゃないでしょ。みんなもう先に行っちゃってるのよ?」

「ああ……やばいな。気がつかなかったよ。すまない」

俺がそう言うと。目の前の女は、深く息を吐いた。

怒気が煙になって首筋にまとわりついてくるような生ぬるい不快感があった。

魔法使いってのはため息にも魔力が篭っているんだろうな。


「あなた……ここは魔界よ?あなたが遅れたら、死ぬのはあなただけじゃないのよ」

「わかってるよ、すまない」

「しっかりしてくださいね。ここは一応、危険地域なのですからね」


俺の目の前を歩くこの女は「ステラ・ラーシュ」と言う。

霧が晴れる以前の世界からある伝統ある魔法校シャリオン魔法学校を首席で卒業したらしい。

家柄がいいわけではなく平凡な家庭の出自で、エリート街道を努力と気風で乗り越えた。

そういう経歴だからか自分に厳しく他人にも非常に厳しい。

美人で目鼻立ちが整ってはいるが眼つきは鋭くキツイ印象を受ける。

普段、髪は束ねて帽子の中にいるが下ろせば腰まで届く長髪で、きれいな金色をしている。

魔力を宿しているのか、日に当たるときらきら輝いて見える。

首元に七星の印の入ったローブを羽織っているのでシルエットは見えにくいがスタイルもそこそこいいだろう。

人間界にいたらそうとうモテるだろうなとは思う。

なんで好き好んで魔界になんているんだろうかとずっと疑問に思っている。


きれいな顔しているが性格がきつけりゃ使う魔法もきつい。

爆発冷凍電撃、何でもござれで我が冒険者パーティの大砲役だ。


「心配かけた」

「あなたの心配はこれっぽっちもしていません。ちなみに覚えてらっしゃるかはわかりませんが、注意するのは3回目ですよ。いい加減にしてくださいね」

そういうと、俺の返事もきかず、ステラはぷいっと顔を背けた。

ステラは俺なんて、もう気にもせずに背筋をピンと伸ばして胸を張り、いかにも自信ありそうに堂々と歩いていく。

我が栄光の道への凱旋って感じだ。

それか行軍って言葉がよく似合う歩き方だ。

彼女の金髪から零れた輝きが風に乗って流れてくるようだ。

美しいものだな。

あんな風に歩いてみたいものだ。

さぞ気分がいいんだろうな。


そんなこと考えてたら、自然とため息が出た。

それが聞こえたのかステラがこちらを一瞥してきた。

ステラはとても不愉快そうな顔をしていた。

俺は目を逸らして彼女について行くことしかできなかった。

どんだけ続くかわかんないけど頑張ります。

読んでいただければ幸いです。

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