開店準備 ②
緊急事態宣言も解除されましたね。
リモートでのお仕事を、6月以降も続けることができるよう、お客さんとも調整中。
じゃないと、毎日投稿とか、なかなか時間取れないんですよね。
スマホで書くのは、私的には効率が良くないです。
今の魔素量で買えるものは―
――
「普通の宝箱」(10pt)
ダンジョン内に設置可能な、木製の宝箱。鍵をつけることは不可能で、一度開けられると消滅する。
「木の柵」(5pt)
ダンジョン内に設置可能な、木製の柵。壊されると消滅する。
……
良い品物がないな。
木の柵……これは、ダンジョンの外から持ってくればいいんじゃないか?
とりあえず、なにかに使えるだろうと「普通の宝箱」を購入した。
ポンッ
拠点のほうで音がした。
遠目でも、先ほど端末に写っていた宝箱らしいものが見える。
どういう原理かわからないが、購入すると拠点のそばに出現するらしい。
これで魔素がなくなった。
宝箱に入れるものもないのだが、いつか使うときが来るだろう。
次のステップに進むか。
― STEP3 ダンジョンの難易度測定を申請しよう
ダンジョンを開業するには、このダンジョンの難易度がどれくらいなのか調べる必要があるらしい。
最初は申請が必要だが、月1で抜き打ちの測定作業が行われるそうだ。
探索者の安全を守るためらしいので、仕方がないだろう。
難易度測定は、ダンジョン管理課ではなく、探索者で作られている団体に依頼するらしい。
すべてダンジョン管理課で済めばいいのに。
マニュアル記載のホームページから、依頼を送る。
これで、あとは待ちの時間だな。
ふと、時計を見ると、針は17時を指していた。
ダンジョンの中だと昼夜サイクルが存在しないため、時間間隔がおかしくなるな。
実家に帰ってからは、荷物を置いてすぐにダンジョンの作業をしていたから、昼食も食べていない。
集中が途切れた瞬間に、強い空腹感を覚える。
いったんダンジョンを出るか。
そういえば、ミユは外には……出られないよな。
「食べるものはあるのか?」
「近くに水があるから平気ー」
ということなので、今日はダンジョン作業を終わりにする。
さてここで、問題が生じた。
外に出るには、2階層や1階層を通らないといけないのだが、まだ心の準備ができていない。
襲われないとわかっていても、怪物がいる場所に行くのは少し怖い。
念のため、そのあたりにあった木の棒を拾い、ダンジョンの出口を目指すことにした。
ー
2階層を歩くと、早速ホーンラビットを見つけた。
相変わらず見た目だけは可愛らしい。
ホーンラビットが僕に気づく。
薄く赤い目が、じっと僕を見る。
しばらく見つめあっているが、どうも襲ってくる気配はない。
意を決して、近寄ることにした。
僕が近寄るのと同時に、ホーンラビットは、前に後藤さんに見せた敵意ではなく、飼育小屋のウサギのような無警戒で近寄ってきた。
牙はモフモフの毛に隠れ、口はもぞもぞと動いている。
体を撫でてみると、毛がところどころ突っ張ってはいるが、心地よい毛並みだ。
ホーンラビットも目を細めている。
でも、これも探索者に倒されるんだよな……と、我に返る。
ダンジョンに配置している怪物に対しては、あまり愛着を持たないほうが、今後のためかもしれない。
名残惜しいが、ホーンラビットと別れ、ダンジョンを進む。
あっという間に、1階層への大穴にたどり着いた。
階層レベルが低いからか、やはり狭い。
今後、ダンジョン経営がうまくいったら、階層を広げることができるのだろうか。
そんなことを思いながら、穴をくぐった。
1階層につくと、ダンジョンの設定を変更していたのを思い出す。
そういえば、バルーンクラブというのを多目に設定したな。
水辺に向かうと、目視ではあるがウォーターサラマンダーはいないことを確認した。
代わりに、水面に浮いている怪物を発見する。
大きな爪に硬い甲羅、見た感じ大きなカニといった感じなのだが、その様子は少し滑稽だ。
カニの体の2倍はある半透明の球体に、上から落ちるまいと、つかみかかっているように見える。
あれが、バブルクラブか。
僕を見つけたからか、器用に水面をはねながら爪を振っている。
それに手で返しながら出口を目指す。
ホーンラビットといい、バブルクラブといい……襲われないというより、懐いていないか?
他のダンジョンも同じなのだろうか。
ー
ダンジョンから出た。さて、家に帰るか。
近道をしようとあぜ道を通れば、どろぼう草(名称:センダングサ)がズボンに引っ付く。
子供のころは、これでストラックアウトのような遊びをしていたな。
家に着くころには、とげの生えたズボンに様変わりしていた。
怒られる前に種を取り外す。
玄関の扉を開けると、ほんのりとお吸い物の香りがしてきた。
そうか、実家に帰った祝いで、寿司をとったと連絡が来ていたな。
手洗いうがいをしてリビングに向かうと、明らかに多い寿司が置かれていた。
これは、あまるやつだ。母親も、頼みすぎたと笑っている。
18時30分
すっかり外が暗くなったころ、他の家族たちもやってきた。
地物の鱧の吸い物に舌鼓を打ちながら、東京での生活を大げさに話す。
いつの間にか髪の毛の薄くなった親に、時代の流れを感じながら、これからの日々に思いをはせた。
明日は投稿お休みです。
ー
この話を書いていて、寿司が食べたくなりました。
スーパーで安いお寿司でも買ってこようと思います。
ハモって食べたことありますか?
私も東京にやってきて、ハモがスーパーに並んでいないことにびっくりしました。
(太刀魚もですが、あれはたまに並びますよね)
田舎だと、ハモが東京ほど高級ではないので、行事ごとの時はよく食べています。
出汁が美味しいので、もし和食の店で見かけたら、ぜひ食べてみてください。