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チュートリアル

今日は久しぶりに仕事の打ち合わせで電車に乗って、1日外出。

なので予約投稿使ってみました。

電車に乗るリスクとか今のご時世ありますが、混んでなきゃいいな。

打ち合わせが早く終わったら、行きつけの小料理屋が今週から時短営業で再開なので、テイクアウトで応援してきます。

「これは……でかいですね。」


素直に感想を漏らす。

他の湿原型ダンジョンでは、1階層から出てくる初心者向けの怪物だったはずだ。


「珍しいですよね。研究チームは湿原ダンジョンだけでなく、このスライムについても研究を始めたらしいですが。」


まだ何もわかってないと続ける。


「あ、そうだ。知っているとは思いますが、管理端末の同期が終わったので中野様はこのダンジョンの怪物に襲われることはありません。」


本の知識だが、ダンジョンの管理者として端末に登録をすると、怪物からは創造主とみなされ襲われることはないらしい。

しかも、種類によっては懐くものもいるらしい。

先ほどのホーンラビットも、僕の前ではただのウサギ……でいてくれるのだろうか。

牙に唾液を垂らした姿が脳裏によぎる。

襲われないとは知っていても、実際に試してみないと自信が持てないな。


「ではですね……。私共の仕事としては終わりなのですが、何か質問等ございますか?」


「いえ、一応大丈夫です。管理端末もいじってみたいですし。」


「そうですか、では失礼します。何か御用がありましたら、ダンジョン管理課にお電話ください。」



後藤さんと五十嵐さんを階層の入り口まで見送ると、平屋……拠点とでもしておこうか……に戻ってきた。

そこで、管理端末を見る。


・ダンジョン情報

・階層情報

・怪物一覧

・????


4つのメニューがあるが、最後の1つ目は『?』と表示されている。

押しても反応はしないようだ。

早速、『ダンジョン情報』から見ていくことにした。


――

ダンジョン名:<ダンジョン名を入力してください>

種別:湿原B型

階層数:3

ダンジョンマスター:中野 真人

生物数:89

魔素:2

パートナー:<契約がされていません>

……


ダンジョン名は、入力できそうだ。

これは、実際に探索者に開放する前に決めておこう。


種別の『湿原B型』、B型というのはなんだ?

ふと血液型が思い浮かんだが、さすがにそれはないだろう。


階層数は現状の3階層。増やす方法は、ダンジョン毎に異なるらしい。

3階層、実質探索できるのは2階層だけだと初心者の探索者でもすぐ終わってしまうので、増やす方法は探していかないといけない。


ダンジョンマスターはいいとして、生物数はダンジョン内の怪物の数なのだろうか。

勝手な推測だが、ここに来る途中で2体倒したから、28になっているのだろう……と思う。


魔素……、これは確か端末で魔素をもとに怪物を生み出したりできるらしい。

自動生成機能もあるようで、それをオンにすると倒された怪物が自動で生み出される。


パートナー?

これは、本でも見たことがない。後でダンジョン管理課にでも電話してみるか。

契約と書かれているが、さすがに人と契約―結婚?―ではないだろう、おそらく怪物とでも契約できるのだろう。


次に、階層情報を押す。


それぞれの階層の情報を出せそうなので、1階層から見ていくことにした。


――

階層:1

広さ:レベル1

最大生物数:50

現存生物数:49(自動補給中)

……


広さの『レベル1』というのは、レベルが上がれば広がるということか。

探索者に倒された怪物を差し引いて、どれくらい残っているか確認することができるようだ。


――

階層:2

広さ:レベル1

最大生物数:40

現存生物数:39(自動補給中)

……


これも同じか。


――

階層:3

広さ:レベル1

最大生物数:10

現存生物数:1(自動補給停止中)

……


『現存生物数:1』ということは、僕か?

それとも……。


その時、視界に液体のような何かが映った。

とっさに端末を置いて、身構える。


「キュー!!」


何かが頭に突っ込んでくる映像とともに、意識を手放した。





後頭部が少し冷たい。

低反発の枕に寝ているような感覚もする。

死んでいる感覚……というものがわからないが、恐らく生きてはいるのだろう。

恐る恐る目を開けた。


見知らぬ天井だ……、いや拠点の天井だ。

どうやら何かが顔に当たって気絶していたようだ。


いったい頭の下に何を敷いているのだろうと思い、体を起こす。


「キュ?」


『キュ』?

後ろを振り向くと、半透明の物体。

長方形のそれから、『?』マークの形を作るように物体が伸びている。


「スライム……か?」


そうつぶやくと、嬉しそうに『♪』マークを形成する。

スライムというと、3階層の怪物だったはずだが、写真のものとは明らかにサイズが小さい。


自分のことをわかるのか不明だが、写真を見せてみる。


「こいつは、お前か?」


写真を見た瞬間、そうだと言わんばかりに体を揺らし始めた。

倒されたが復活したということか。それか、一部だけ残っていれば再生できるのか。

そんなことを考えていると、床に置いていた端末からアラーム音が鳴り始めた。


端末を開くと、そこには


『パートナー契約をしますか?』


と書かれていた。

ダンジョン管理課に電話するか、先にパートナー契約というのをするか……。

迷っていると、先ほどのスライムが視界に入ってきた。

肩に乗ったようだ。


このスライムは、信じるならばあの巨大スライムか、その仲間なのだろう。

なら、それなりに強く知識もあるはずだ。


迷った結果、パートナー契約を行うことにした。


パートナー契約を押す。

その瞬間、僕の左手とスライムが光に包まれた。

何かが指に触れる。

いったい何が起きているんだ。


数秒ののち光が収束すると、何も変わっていない……ように見えるスライムと、僕の左手。

薬指に……指輪!?


なんじゃこりゃ!!


驚いている僕の左手に、初々しく体を伸ばすスライム。

パートナー契約とはいったい何なのか、戸惑う僕の携帯が突然なり始めた。

二日酔いが辛いので、次は日曜日投稿予定です。

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