宝箱……の配置?
今回ボリューム少な目です。
「チュートリアル」に出てきた、ダンジョンの魔素量を修正しています。
魔素:1000 => 2
まずは、簡単にできることとして宝箱を置いていこう。
3階層に戻った僕は、端末を開いた。
後藤さんたちに怪物が倒された影響で、魔素が20ptも溜まっている。
魔素はそのままにしておいて、以前購入した宝箱を取り出す。
苔がところどころ生えていて、強く叩くと壊れそうだ。
一体何を入れたらいいのだろうか。
「ミユ、宝箱に外の世界のものを入れたらどうなるんだ?」
「えっとー、宝箱の中にあるものは消えないみたいだよ。」
そうか、なら何か家から持ってくるか。
探索者が欲しがりそうなもの……、お金はないし……。
家が農家で、野菜は沢山あるんだが。
野菜の詰め合わせなんかどうだろう?
「美味しそうー。」
冗談……だが、割とありかもしれない。
初心者の探索者は、そこまで稼ぎがよくない。
なので、家計に占める食費はばかにならないはずだ。
少し虫がかじって出荷はできないが、食べられる小松菜とかどうだろう。
家も僕も、探索者も三方よし(さんぽうよし)なのではないか?
元手がほとんどかからないので、試してみるか。
「食に困らない初心者ダンジョン」という売り出し方も、キャッチ―かもしれない。
早速家から適当な野菜を持ってくると、ダンジョン内に自生している木の、大きな葉っぱを敷いた宝箱に詰めた。
あとは柵を作れといわれていたな。
確か柵は魔素5ptで購入できたか。
長さが2メートルなので、まだ1階層をカバーできる量は購入できないが、4個ほど購入しておこう。
― ポンッ
あ、購入してそのまま出現させてしまったが、1階層に行ってからにすればよかったな。
宝箱は準備してしまったので、柵をしまう。
さてと、1階層に設置氏に聞くか。
1階層に入ると、アイアンワラビたちが寄ってくる。
そうだ、ただ設置しても面白くないな。ワラビの葉っぱで隠すことはできないだろうか?
アイアンワラビたちに伝えると、できるということなので、5体ほど呼び寄せて隠す。
2階層の大穴の近くに設置したので、探索者に気づいてもらえるだろう。
次に柵だが、4個しかないため10メートル感覚で置いていく。
ダンジョンというより、行楽地を整備している感覚だ。
まだ狭いダンジョンで、魔素も少ないということもあり、作業はすぐに終わってしまう。
魔石を追加で購入しておくか……ただ、いつまでも貯蓄を崩していくのもな。
ダンジョンの外の整備にも、お金を使わないといけないし。
一仕事終えた気分で3階層に戻ると、すぐにミユが近づいてくる。
スマホの時計を確認すると、時間は14時を表示していた。
LIMEには、母親から「ご飯は片づけた」と連絡が入っている。
そうか、集中しすぎて昼を食べ忘れていたな。
不思議とお腹がすいていないので、夕飯まではダンジョンで過ごすことにした。
拠点の床に寝転がる。
空のように青い天井はところどころ光っていた。
3階層は湿気もあまりないし、動植物の音もあまり聞こえない。
そういえば、今回ダンジョンマスターになって初めて探索者が入ってきたわけだが、何か情報が更新されているかな。
ミユを抱き枕にしながら、端末のダンジョン情報を表示した。
ん、栄養値とかいう項目が増えているぞ。
――
経験値:22pt
……
これは探索者が来てダンジョンの怪物を倒したときや、怪物が探索者と戦ったときに増えるのだろうか。
「人間と怪物が戦うと、良質の魔素がダンジョン内に発生するらしいの。それが溜まると、階層を広くしたり、増やしたりできるんだって。」
ショップに使える魔素とは別のものが存在しているのか。
正直なところ、階層の広さよりは魔素の量や怪物の上限をあげてほしいところだ。
レベルでもあるのだろうか……。
まあ、一定数を超えれば何か発見があるだろう。
――
1階層
ウォーターサラマンダー 10/20
バルーンクラブ 5/20
アイアンワラビ 7/10
……
――
2階層
ホーンラビット 20/20
クロシカ 20/20
……
階層情報を見ると、1階層の怪物だけ数が減っていた。
後藤さんにどこまで進んだのか聞いていなかったが、見たところ1階層だけ探索したのだろう。
初心者とはいえ、かなり怪物が倒されているな。
あの兄弟が強いのか、ここの怪物が単に弱いのかはわからないが……。
そうだ、探索者の受け入れが始まったことだし、後輩の高梨にも一報入れておくか。
「ダンジョンを開放したので、来ても大丈夫だぞ」と。
さて、そろそろ夕方が来るので家に帰るか。
明日はダンジョンの入り口付近を整備しよう。
そういえば、今までじっくり調べてはいなかったのだが、他のダンジョンもネットで調べてみるか。
業界としては先輩なのだし、教えを乞うてもいいかもしれない。
そのあたり、後藤さんにでも聞いてみるか。
お金と魔素がたまってきたら、もっと色々なことができるので、もう数話地味な話が続くかも。
次回、久しぶりに後輩の高梨さんが会話に登場します。
話数が増えてくると細かい設定を終えなくなるので、メモ代わりにあとがきに残すかも
魔素量や経験値、利益のお金など。